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スキャロップド・フィンガーボードで速弾きギタリストになれる?
弦楽器の指板をえぐって加工する「スキャロップド・フィンガーボード」。速弾きギタリストを目指す方は一度は考えてみたことや弾いてみたいと思ったことがあるはず。でも大事な楽器ですからじっくりアーティスト研究をしてからにしましょう。
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イングヴェイ人気が流行りをもたらした?名付け親は日本人説があり
▲イングヴェイモデルはこんな感じにえぐれてます。
スキャロップド・フィンガーボードとは、ギターまたはベースの指板にえぐれた加工を施した状態のことを言います。
今や音楽ファンや楽器を弾く人には一般的な呼称となっている「スキャロップ」ですが、この名称実はフェンダージャパンからイングヴェイモデルのストラトキャスターが発売されたときにお目見えしたんです。
どうやらこのネーミングは日本が発祥の地なんですね。なんだかうれしい!どうりで昔から良く取り上げられるはずです。
リッチー・ブラックモアを通らなければギター弾きにはなれない!という時代
▲70年代のロックの雰囲気出てますね。カッコ良いです。
僕が初めてこうしたフィンガーボードの仕様があることを知ったのは、音楽雑誌「プレイヤー」でディープ・パープルの特集記事を読んだときです。
実は高校入学のお祝いにフェンダージャパンのストラトを買ってもらったのですが、それが黒いボディにローズウッドの指板、そしてデカヘッドのリッチー・ブラックモア風でした。
なぜ、そのギターにしたのか覚えていませんが、なんせハードロックブームの世代です(古くてすみません)。ギタリストならばまず最初にリッチーの洗礼を受けなければいけなかったんですよ!
エレキギターで最初に覚えた曲が「プレイヤー」に掲載のディープ・パープルの曲「スモーク・オン・ザ・ウォーター」でした。出た~!おじさん世代の必修曲です。今の若い子たちは弾いたことあるんでしょうかね?今度アンケートとってみたいですね。
とにかくディープ・パープルの曲を覚えつつ、雑誌に載っているリッチーのギターを眺めていると、うん?なんだか変な影があるような。これはなんだ?と気になりだして、いろいろ見てみるとどうやら特殊な加工がしてあることがわかりました。
見かけた記事によれば、こうすることで押弦が簡単になりスラスラと軽いタッチで弾けるようになるとのこと。つまり速弾きが簡単になるということです。当時は「いかに速く弾けるか?」が勝負の時代ですから、興味を惹かれてしまうのも無理ありません。
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リッチーの顔がムッとしているので、実は弾けても楽しくないのかと思いました
▲これはもしかしたらカメラマンがすごく良かったのではないかという説。
かといってどうすれば良いかわからないため、その後忘れていたのですが、なんと自らの手でスキャロップ加工を施したという強者に会ったことがあります。
彼は12フレット以降を彫刻刀なので少しずつ少しずつ削り、やすりなども使いながら慎重に事を運んで自分だけのギターを作り上げたようです。見せてもらうと確かにえぐれている!なんというマメさ、そしてなんという勇気でしょう。
しかし問題は音。どうやら本人もそこが気になっていたようでした。というのも、軽く押弦する分には確かにスムーズに音を出せるし速弾きはできるのです。ただ、ちょっとでも強めに弦を押さえようものならすぐに音程がおかしなことになってしまうのです。
このギターの所有者は他にもメインのギターを持っていたということもあり、多少遊びでやったということもあります。くれぐれも1本しかないギターにメスを入れないようにして下さい。とんでもないことになりますよ!
さて一概にスキャロップといっても、いくつかのパターンが存在します。6弦側が浅く、1弦に向かうにつれて深くなっていくようにできた物。
このケースはリッチー・ブラックモア仕様です。太い弦の方に深い彫りを作ってしまうことで起こるピッチの狂いを解消しているんですね。
ベースにも加工してしまった?ミスタービッグのビリー・シーン
▲両巨頭揃い踏み!ドリルまで出してきちゃいました。
すべてを均等に、なめらかなU字状にしてあるのはイングヴェイ・マルムスティーンです。現在市場に販売されているモデルではこれがメジャーなスタイルになっています。
また、前述の知人がやったようにハイフレット部分だけを加工しているパターンもあります。こちらはヤマハ製のギターなどに採用されていました。
実際に使っているギタリストはリッチー、イングヴェイの他にはジョン・マクラフリン、スティーヴ・ヴァイ等ハイテクニックを持った人ばかりです。
ミスタービッグのビリー・シーンにいたってはベースにまでスキャロップ加工を施しています。さすがにベースになると使いこなすことができるのは彼くらいのものでしょう。
結論としては、スキャロップにしたから上手くなるわけではない、むしろ腕に自信がなければ弾きこなせない、ということですね。さあ、練習練習!
文・okamoto
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