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ワンオクロックのギタリストToruの使用機材にみるサウンドメイクの秘密

若い世代を中心に絶大な人気がある日本のバンド、ワンオクロック。彼らに憧れて音楽をはじめる、という方も多いのではないでしょうか。今回はバンドリーダーである「Toru」の使用機材を考察すると共に、彼のサウンドメイクの秘密に迫ってみます。

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ギターはレスポールを、アンプはマーシャルを使おう

マーシャルのJVM410H▲ToruはコミューンがモディファイしたマーシャルのJVM410Hを使用。

まずはToruが愛用するギターとアンプについて見ていきましょう。

ギター
・GIBSON 1989 Les Paul Custom

アンプ
・COMMNUNE Modified MARSHALL JVM410H

彼がレスポールを使っていることはサウンドを聴けばわかりますね。未確定情報ですが、以前使っていたレスポールはリアピックアップをダンカンの「SH-4」に変更していたようです。今のメインギターはわかりませんが、SH-4を乗せている可能性は高いです。

また、アンプにも注目です。彼はマーシャルのJVM410Hを「モディファイ」した物を使っています。

モディファイとは、筆者の記事でもお馴染みの言葉で、いわゆる「改造」のことです。内部のコンデンサなどを交換し、音質向上を狙っているわけです。

このアンプの場合、「スーパーレゾナンス」と「ハイカット」のコントロールを搭載したようです。幅広いサウンドメイクに対応できるようにしたのでしょう。また、「出力切り替え」と「放熱用ファン」の設置も行ったようです。オリジナルよりもパフォーマンスが向上しています。

上記のことを踏まえて、ワンオクロックの楽曲をコピーするなら「レスポール」と「マーシャルアンプ」を使ってみましょう。定番の組み合わせなので、どこの練習スタジオでも設置されているかと思います。

もちろんJVM410Hがあるスタジオがベストですが、そもそも彼のアンプはモディファイされているので、同じセッティングでも音が変わってくることでしょう。なので、無難にJCM800あたりのマーシャルアンプを使えば良いと思います。

圧巻のラックシステム。エフェクターはハイエンドペダルが勢ぞろい

ラックシステムを採用▲Free The ToneのARC-3 これでさまざまなエフェクターを操作する。(画像1)

エフェクターはボードではなく、ラックシステムを採用しています。相当な数を使っているので、すべてを記載することができません。なので、今回は「歪み系」、「空間系」、「モジュレーション系」の3つに分けて、音作りに直結する主要なエフェクターだけを紹介します。

歪み系
・Shigemori Ruby Stone Premium(オーバードライブ)
・XOTiC BB Plus(オーバードライブ)
・XOTiC AC Booster(ブースター)
・PROVIDENCE Heat Blaster(ディストーション)
・MI AUDIO Megalith Delta(ディストーション)
・MASF PEDAL×Phantom FX Sabbath(ファズ)

空間系
・Strymon blueSky(リバーブ)
・Strymon Timeline(デジタルディレイ)

モジュレーション系
・ELECTORO HARMONIX POG2(オクターバー)
・BOSS SL-20(スライサー)
・Strymon Mobius(モジュレーション)

ご覧のように、各分野のハイエンドモデルがそろっています。これらのエフェクターを画像1のルーティングコントローラーと、もう1台のMIDIコントローラーで操作します。これだけ多くのエフェクターを自由自在に扱っていることに改めて驚きます。

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歪み系ペダルを考察。Toruはハイゲインペダルに強いこだわりを持っているようだ

Megalith Delta▲MI AUDIOのMegalith Delta 以下メガリス。(画像2)

「ハイゲインペダルはどれも同じ音」と言うギタリストが多いです。もちろんそんなことはありません。たしかに似た系統のサウンドになりますが、「オーバードライブよりも個性が出る」と筆者は考えています。

Toruが使用する歪み系ペダルを見てみると、個人的には画像2の「メガリス」が気になりました。近年だとSuhrの「Riot」が定番となっていますが、このメガリスも一部のディストーションマニアから非常に評判が良いです。

知名度こそ低いものの、そのサウンドを一言で表すと「3D」です。ハイゲインペダルは、歪みすぎるためにペラペラとしたサウンドになりがちです。このメガリスは「ズンっ」とした重低音と「シュワっ」とした倍音が特徴で、音に奥行きがあります。

エフェクターなのに真空管アンプを歪ませたような「飽和感」があり、ハイゲインながらも使いやすいディストーションです。お値段は張りますが、持っておいて損はないです。

その他のペダルを見ても、「歪み」というサウンドに対する強いこだわりを感じます。とはいえ、実際にそろえるのは大変ですから、マーシャルアンプの歪みを使うのが無難だと思います。

空間系とモジュレーション系について、ToruはStrymon製品を愛用している

StrymonのblueSky▲StrymonのblueSky 発売当時はかなり話題になりました。(画像3)

エレハモのPOG2▲エレクトロハーモニクス(通称エレハモ)のPOG2 定番オクターバー。(画像4)

最後に空間系とモジュレーション系のエフェクターを見ていきましょう。どちらもハイエンドモデルが多いStrymon(以下ストライモン)製品を使っていることがわかります。

画像3はリバーブマニア御用達、同社のblueSkyです。残響音の消え方があまりにリアルで、ハイエンドリバーブペダルの定番です。上位モデルに「Big Sky」という製品があり、blueSkyはその下位モデルになります。

ディレイは同社製品のTimelineを使っているようです。そもそもストライモンは空間系に定評があって、リバーブやディレイを多用する「ポストロック」や「シューゲイザー」などをやっているギタリストが好んで使っています。

そして画像4は定番中の定番、エレハモの「POG2」です。このPOG2は非常に使いやすいオクターバーで、アジカンの喜多健介も使用しています。以前、アジカンの記事を執筆したので、興味がある方は読んでみてください。http://www.siruzou.jp/band/artist/3311/

以上でToruの機材紹介は終わりですが、彼は多種多様なペダルを使っていることがよくわかると思います。前述にもあるように、すべてをそろえるのは大変なので、コピーしたい楽曲に合わせて少しづつ用意していけば良いでしょう。

By黄昏症候群

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