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オレンジのギターアンプが多くのミュージシャンに愛される理由
明るいオレンジ色のキャビネットと印象的なデザインのロゴでここ数年よくみかけるギターアンプ「オレンジ」。
いまは亡き忌野清志郎の晩年のトレードマークでもあったこのオレンジのアンプは、あまり語られることは少ないですが、多くのミュージシャンが愛用しているんです。
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トランジスタ回路の「クラッシュシリーズ」では練習用の小型製品も登場しました
▲「Crush15R」は12Wしか出ませんがなかなか良い音です。
製造会社のオレンジは、1968年にロンドンで設立された意外と古い歴史がある会社です。当初はレコーディングスタジオとしてスタート、アンプとしては100Wの真空管アンプを製造したことが始まりです。
最も有名なモデルは「OR120」で、各コントロール部のツマミの説明を「Pics Only」、つまり絵で示した“グラフィックモデル”と呼ばれていました。
1970年代にはミキサー部がトランジスタで、パワー部は真空管という構成のハイブリッドタイプも制作。近年ではスピーカーとアンプが一体になったコンボタイプも製作されています。
2001年にはトランジスタ回路の「クラッシュシリーズ」が発売になりその認知度はさらにアップしました。この頃から楽器屋さんで見かけることも多いなりました。
現在多くのミュージシャンが愛用していますが、僕が知る限りオレンジの名を広めた功労者は忌野清志郎です。
彼は2000年代に組んだ自らがギターを弾く3人編成のバンド「ラフィータイフィー」で頻繁に使うようになってから、最後までステージアンプはこれでした。
彼の使用モデルは“グラフィックモデル”OR120で、新大久保の中古楽器屋でエフェクターを買いに行った際に、たまたまあった、まだ値段が付けられる前の物を気に入ってそのまま機材車に乗せて持って帰ったそうです。一目惚れだったんですね。
彼は自転車を「オレンジ号」と名付けカラーリングして、ステッカーも貼るほどの愛用者でした。
特徴はとにかく音がデカい。そしてナチュラルに歪みを得られます。といってもマーシャルのようにキンキンでジャリジャリのディストーションにはならず、温かみがあり太い歪みです。豊かな倍音と音の粒立ち輪郭がはっきりとしたサウンドも好評です。
ノエル・ギャラガーも愛用者の一人です。イギリスの製品ということもあり気に入っているのでしょうか。1995年頃からOTR 120のアンプヘッドと4×12のキャビネットを組み合わせて使用するなど、マーシャルやヴォックスと並行して使っています。
ノエルのギターはシンプル極まりないストレートでロックな音色ですが、ナチュラルでクラシカルなサウンドを得るために試行錯誤されているんですね。
英国の代表的ミュージシャンに使われると人気が上がるはずですがそうでもなかった?
▲なぜか間のロゴ文字が欠けている!?いったいなんの理由があるのでしょう。
2007年にロンドンO2アリーナでおこなわれたレッド・ツェッペリン再結成ライブでジミー・ペイジが使用していたモデルがAD-50。普通のギター用とテルミン用として用意されていました。
ペイジが使用していた物はなぜか「OR」と「GE」の間の文字が消えているのが確認できますが、いったいどうしてなのでしょうか?ビッグなライブでしたから、いろいろスポンサー関係の問題かもしれませんね。
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チープ・トリックの明るく楽しいイメージにはぴったりハマります
▲これだけ積み上げると楽しくなってきます。トムも笑えてくるわけです。
チープ・トリックのイケメン担当ベーシスト、トム・ピーターソンも愛用者です。彼は12弦ベースを操る変態(!?)プレイヤーですが、あのパワーポップサウンドの秘密がここにあるのかもしれません。
その他、マーシャルオンリーなイメージのあるエアロスミスのジョー・ペリーや、ヴォックスを始め音作りのためには、さまざまな機材を使うU2のジ・エッジが好んで使用しています。
彼らに共通して言えることは、メタリックな歪みをそれほど必要としていない点です。ナチュラルな音でギター本来の音色を活かすためのセッティングができるため、クラシックロックなバンドにピッタリなアンプだといえます。
ちなみに僕は「Crush 15R」という小型練習用アンプを家で使っています。このモデルは購入した2005年くらいには1万円以上したのですが、今では8000円程度で売っている楽器屋や通販サイトもあるのでお手頃です。
小さいながらも音はしっかりしています。特にクリーンで艶のある音がしっかり出ますので、セミアコやテレキャス・シンラインなんかに向いているのではないでしょうか。
自宅でギターを弾いてロックするには最適です!
▲歪ませてヘッドフォンをするとかなりロックスター気分になれます。
また、ゲインを目一杯上げてボリュームを2程度に抑えてオーバードライブボタンを押すと、チープながら歪んだサウンドを作ることができます。こうすると音は細くなりますのでライブでは使えませんが、家で弾く分にはなかなか良い音だと思います。
ということで「音」でアンプを語りましたが、オレンジを使っている本当の理由は「デザインの良さ」です。実は結構見た目が気に入って使っている人が多いのではないかと思います。
逆に言うと見た目が「ロックらしくない」という理由であまりメジャーにはならずにここまできているのかもしれません。見た目も音も最高なアンプですからぜひ楽器屋さんで実際に音を出してみて下さい。あなたも気に入るかもしれませんよ。
文・okamoto
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