ギターはピッキングのやり方ひとつでこんなにもニュアンスが変わる！

ギターを弾き始めた時、最初は誰もが弦を押さえる指の痛さに悶絶するものですが、慣れてくるにつれ大事なのはピッキングだということに気が付くはずです。でもギターは自由な楽器、ルールなんてありません。あなたに合ったフォームを見つけてみましょう。

初心者の時に苦労して挫折してしまう要因のひとつに「指が痛い」ということがあげられます。教則本に最初に出て来るコードF、人差し指で6弦を押さえるいわゆる「バレーコード」で「もうや～めた！」となってしまいがちです。

しかしこんなことは毎日ギターを触っていればそのうち体が慣れることなんです。いまはできなくてもきっとそのうち押さえられますから大丈夫。問題は弦を弾く側の手です。ピッキングこそがギターを弾く上でとても重要となります。

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まずはピッキングとは？～厳密にはルールなんてありませんが…

ピッキングというのはピックの持ち方や先の出方、弦にあたる微妙な角度で音が全然変わってきますす。そこがギターという楽器の面白さですし、弾く人間の個性になるところです。厳密にルールなんてありませんし、自由で良いのです。

ただ、初心者にはどうして良いかわからないですし、初めてピックを持った時にはどう握ったら良いのかすらわからないですよね。軽く握って弦にあててみたものの、すぐにポロリと落としてしまうことはよくあることです。

そこで、さまざまなミュージシャンの例を見ながらどんな弾き方、ピックの使い方が良いのか考えてみましょう。

右利きの人で説明すると、右手の親指と人差し指で握るのがレギュラーな持ち方です。ピックの形にもよりますが、弦に対して当たる面積が2ミリから3ミリ出ているのが通常の持ち方だと思って下さい。

残りの3本の指は開き気味にして、掌はピンポン玉がひとつ入る程度ような感覚でいてください。そう、「OKマーク」のようになれば良いでしょう。

1本ずつ弦を弾く単音を出す時は、手がぶれないように掌の小指から下のあたりをギターのブリッジに乗せる感じにして固定してください。こうすることで細かいフレーズも弾きやすくなります。

コードストロークなどをするときにはもちろんブリッジから手は放していいです。ソロを弾く時も手が離れる場合がありますが、最初は単音を弾く時は固定して復弦を鳴らす時は手を中に浮かせるという風に区別しておきましょう。

メタリカの凄まじいダウン弾きは修行しないとついていけないレベルです

▲こうしてみても独特の構えをしています。というか、ジェイムズの顔！

持ち方と右手のポジションが決まったら後はひたすら慣れるまで弾くことですが、ミュージシャンにより細かいフォーム、弾き方は千差万別です。実際にどんな弾き方をしているのかが気になりますよね。

たとえばメタリカのジェイムズ・ヘッドフィールドは人差し指と親指に加え中指も使って3本の指でピックを持っています。この持ち方でギターはかなり下に構えますから、かなり独特な弾き方になっています。

ピックの角度はどちらかといえば弦と並行になっていますので、高速ダウンピッキングをしても音が均等に出せています。しかし難点は、速弾きや細かいニュアンスを出すのがかなり大変だということです。

メタリカにはリード・ギタリストのカーク・ハメットがいる分、ジェイムズの特殊な持ち方での奏法が個性になり役割分担ができています。メタリカファン以外は真似しない方がいいかもしれません。

マーシーは独特な持ち方であのブルージーなプレイスタイルを実現しています

▲こんな持ち方でよくあんなロックンロールなギターを弾けるものだと感心してしまいます。

日本のギタリストで個性的で有名なのはザ・クロマニヨンズのマーシーこと真島昌利です。彼はなぜか人差し指を使わずに親指と中指でピックをつまむように持って弾いています。

以前、雑誌の取材でこの持ち方について尋ねられていたマーシーは「別に速弾きもしないしこの弾き方に慣れているから」と話していました。記事では、そう答えながらもインタビュアーの目の前でスラスラと速弾きを見せた様子が書かれていました。カッコイイ！

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ピッキングハーモニクスは偶然発見できることもある？

▲指がこすれて痛くなるのもまた醍醐味です。

持ち方に慣れてきたら「ピッキングハーモニクス」にも挑戦してみましょう。これはピックを深く握り、先をいつもより短めにして弦を弾くと同時に親指を弦に当て、倍音を出すことです。

音叉で鳴らしたような「キーン」という高い音が出れば成功です。練習中に偶然出て「おっ！？なんだこの音は？」となる場合もありますから、その感覚を覚えておきましょう。

ハーモニクスだけでソロを構成してみようとか、きっといろんな欲が出てきます。エフェクターを買うより先にこういう楽しさを見つけることが大事です。

10円硬貨で弾いてみたものの何もおこらなかった！

▲1円玉から100円玉まで試してみましたが一番弾けるのは10円玉でした。

ピックの種類によっても音が変わってきますので、使いやすく好みの音を出しやすいものを選んで使いましょう。僕はピックが見当たらない時に試しに10円玉を持って弾いてみましたが、丸いのでうまく弾けませんでした。（当たり前！）

どんなに粗っぽくても個性的な音を出せればむしろ綺麗に弾くよりも目立つのがロックギターの世界です。あなたも自分にあった弾き方を研究してみて下さい。

文・okamoto

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