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小型真空管アンプならコレだ!VHTのSpecial6のサウンドとコスパ
「自宅でも真空管サウンドを楽しみたい」と思っているギタリストは多いことでしょう。筆者もその一人でした。そんな方にオススメしたいのがVHTの「Special6」です。このアンプは知名度こそ低いですが、同価格帯では「最強の小型真空管アンプ」だと筆者は確信しています。
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筆者がSpecial6を選んだ理由。ハンドワイヤードならではの魅力とは?
▲このSpecial6は完全ハンドワイヤード、いわゆる手配線で作られている。(画像1)
前述のように、筆者は宅録で使える小型真空管アンプを探していました。候補としては、フェンダーの「ブルースジュニア」や、ブラックスターの「HT-5」が挙げられました。ですが、どうしても決められずにいました。
そんな時にインターネットで見つけたのがVHTのSpecial6です。小型ながら6Wの出力があり、真空管アンプならではの艶と音圧を持っているとのこと。スピーカーは10インチで、パワー管に「6V6」を、プリ管に「12AX7」を1本づつ搭載しています。
そして何と言っても「値段」が魅力的です。フルチューブかつ、「ハンドワイヤード」なのですが、「新品でも2万円でおつり」がきます。「何か裏があるのか…?」と思ってしまう価格設定です。
その理由として、製造が「中国」だからです。中国の工場で「地元のお母さんたち」が手作業でハンダ付けしているそうです。とはいえ、彼女たちの技術はたしかだと思います。(画像1)を見ればわかるように、非常に丁寧な仕事をしていることがわかります。
また、ハンドワイヤードは「保守性」に優れている上、「モディファイ」しやすいのが特徴です。電子工作の知識と技術さえあれば、自分で修理をしたり、改造したりできるわけですね。
ちなみに、Special6はメーカー側が「回路図を公表」しています。その回路図を元に、海外では改造が盛んに行われているようです。
商品スペックの紹介文に、「Mod-Friendly Eyelet-Type Board」とあり、「どんどんモディファイしてくださいね」とメーカーが宣言しているようなものです。
このように、Special6は非常に「ポテンシャルが高い」小型真空管アンプなのです。オリジナルのままでは、ただのコストパフォーマンスが高い小型アンプでしょう。ですが、手を加えていくことで、本来持っている性能を引き出すことができます。
Special6の特徴を紹介。初心者でも簡単に扱うことができる
▲本体上部にツマミがある。トーンとボリュームだけなので直感的な操作が可能。(画像2)
▲本体裏にはさまざまなスピーカーに対応したアウトプットがある。(画像3)
Special6は小型ではありますが、「かなり音量が大きい」です。フルチューブなので、いくら6Wとはいえ相当な音量になるわけですね。さすがにフルテンで鳴らすと近所迷惑になるので、筆者はボリュームツマミを12時にセッティングしています。
(画像2)を見てみましょう。本体上部にあるツマミの写真です。ご覧のように、ツマミは「Tone」と「Volume」の2つだけです。Volumeツマミは上に引っ張ることができ、クリーンサウンドからドライブサウンドになります。
個人的にはあまり好きな歪み方ではないので筆者は使いません。もともと歪みにくい仕様ですので、筆者はエフェクターで歪ませます。Special6は「歪みペダルとの相性が良い」ですから、エフェクターでも真空管特有の「歪み方」を十分に感じることができます。
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次に、(画像3)をご覧ください。このSpecial6は4Ωから16Ωまでの出力に対応しています。内蔵スピーカーのケーブルを抜くことで、裏側のアウトプットが使えるようになるわけです。ケーブル1本で他のキャビネットに繋げるので非常に重宝する機能です。
このアンプには10インチが標準装備されていますが、「10インチ×2」や、「12インチ」の方が「本来の力を発揮できる」そうです。裏側に3種類のアウトプットがついているのは、「他のスピーカーで鳴らして下さい」というメーカーの意図があるかもしれませんね。
もちろんオリジナルの10インチでも、なかなかいいサウンドを鳴らしてくれます。ただ、大音量にした時に音割れすることが多いので、ライブなどに使いたい方はスピーカーを変えた方が良いです。
真空管を定番のグルーブチューブに変えてみた
▲オリジナルの球は曙光(Shuguang)の物。意外といい音を出す。(画像4)
▲両方ともグルーブチューブ製の物にした。(画像5)
オリジナルの状態だと、クリーンも歪み方も「まずまず」といった印象です。もちろん普通に使えるサウンドですが、一味足りないというのが正直なところでしょうか。
そこで人生初の「真空管交換」に挑戦してみました。と言っても、挿し換えるだけの簡単な作業です。どちらかというと「球選び」が問題ですね。(真空管は球とも呼ぶ)Special6には「6v6」と、「12ax7」がついているので、同じ種類の物を選びます。
(画像4)を見ればわかるように、このSpecial6には中国製の真空管が搭載されています。曙光(Shuguang)製と思われるこの球を別メーカーの物に交換します。
アンプに詳しい先輩の話を聞いて、今回は「グルーブチューブ製品」を選ぶことにしました。(画像5)にあるように、「GT-6V6S」と「GT-ECC83S」です。どちらもスロバキアで製造された球ですね。
試運転をしてからサウンドテストをしてみると、「艶のあるクリーン」に驚きました。音圧のある歪み方で、音の粒が細かくなった気がします。球交換は成功のようです。
あくまで筆者の持論ではありますが、Special6は同価格の中では「トップクラス」だと思っています。自宅用の小型真空管アンプを探している方はぜひ一度試してほしいです。
By黄昏症候群
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