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シンセとギターの新しい関係~現代のロックバンドの花形は?

ロックなテイストのバンドが、シンセサイザーを使用するのが御法度だった時代はもう昔のことです。シンセなくして、いまのバンドシーンは語れません。

80年代くらいまでのシンセといえば、ピアノ経験者の女子が担当する楽器というような認識だったのではないでしょうか?いまではロックバンドの花形であるギターと対等、もしかすると、それ以上に重要な楽器になったといえるかもしれません。

2000年代以降、全世界的なロックンロール・リヴァイバル・ブームが到来すると、シンセとギターが共存した新世代のバンドが数多く登場してきました。

まずそれらのバンドをご紹介する前に、シンセとロックを融合させたパイオニア的グループであるこの人たちのことを忘れてはいけません。

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すべてはディペッシュ・モードから始まった?

ディペッシュ・モードは、シンセポップのパイオニアとしていまでも欧米などで絶大な人気を誇るバンドです。このシンセポップの巨匠も90年代に入ると、シンセとギターサウンドの融合を模索した作品をリリースするようになります。

最近のディペッシュ・モードはステージでドイツのシンセメーカー、アクセスのヴァイラスをメインに使用しています。

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このヴァイラスというシンセはいかにもドイツ的という音がします。あえてこのシンセに近いサウンドのものをあげるとするとノードリードシリーズでしょうか。

ただノードリードシリーズの抜けのよい鋭い音に対して、こちらのヴァイラスは重心の重いサウンドに特徴があります。またノードリードシリーズと比べると音が太いことでも知られていますよね。この太くて重いサウンドがこのバンドにはとてもよく合います。

フレッチの弾くヴァイラスのシンセベース、マーティンの弾くグレッチの少しくぐもった甘い単音リフ、そしてデイヴのバリトンの声が合わさったとき、このバンドにしか出せない円熟したロマンティズムが生まれます。

「シンセポップはどこか子供っぽいもの」という世間のイメージをくつがえし、昨今のシンセバンドブームの下地を作った存在として、このバンドは偉大過ぎる存在といえるでしょう。

そしてディペッシュ・モードの遺伝子を最も純粋な形で受け継いだ新人バンドと言えば、去年大ブレイクを果たしたチャーチズです。

チャーチズは現代版ディペッシュ・モード!

2009年前後から続くシンセポップブームは、もしかするとこのバンドを生み出すためにあったといえるのかもしれません。

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チャーチズはおもにデイヴ・スミス・インストルメンツというシンセメーカーのシンセをレコーディングでもライブでも使用しています。

90年代であればシンセの上モノはローランドと相場が決まっていましたが、さすがヒップホップ以降の新世代のバンドです。

デイヴ・スミスとアクセスのサウンド傾向は比較的近いのですが、デイヴ・スミスは本物のアナログシンセなだけあってとにかく音がファットです。

チャーチズはこのデイヴ・スミスのファットなサウンドをあえて汚して使うことで、いまどき感をだしつつ、90年代というよりは80年代初期のディペッシュ・モード風シンセリフをこれでもかというほど多用します。

チャーチズはほぼ完全なシンセバンドですが、次にご紹介するハイムはまさに新世代のギター&シンセバンドと言えるでしょう。

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SGとコルグサウンドの相性は抜群か?

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ギターのサウンドとシンセのサウンドの相性は単純に音の相性だけではなく、曲の相性も重要だと思います。このハイムは80年代風のバブルガムポップっぽい曲調に、ヒップホップ調のメロディーを乗せたことでその個性を確立しました。

90年代後半以降の打ち込み系ヒップホップは、ほぼコルグのサウンドで作られていると言っても過言ではないと思います。

コルグのサウンドはアクセスのサウンドと比べてもさらに低重心のサウンドといわれていますが、マイクロ・コルグのやや細い感じのVAサウンドと、SGの「レスポールよりもやや枯れた」サウンドは、彼女達の80年代バブルガムポップ&ヒップホップメロの曲調にぴったりです。

次にやはりこの人たちのことを忘れてはいけません。そう、この2つのバンドよりもちょっと先にブレイクしたトゥー・ドア・シネマ・クラブです。

いまどきのシンセポップに合うギターはグレッチなのか?

このバンドが革新的だったのは、シンセのような単音リフをあえてギターで弾いたところにあったといえるでしょう。もちろんニューウェーブ以降そういうことを試みたバンドは数知れないのですが、このバンドはとにかくそのフレーズがポップなところが抜きん出ています。

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曲にもよると思うのですが、グレッチで弾くシンセ風の単音リフは、まるでヴァイラスのサウンドのように聞こえます。

ストラトの甘い音で弾く単音リフもよいのですが、枯れたコクという点ではやはりグレッチでしょう。ディペッシュ・モードがライブでヴァイラスとグレッチを組み合わせるのは、やはり正しいということですね。

ギターとシンセ…その相性を意識してみると、新しい音楽のアプローチ方法が見えてくるかもしれません。

むしろ、ロックというジャンルにおいても共存することが当たり前となった今日では、その関係、そして相性について意識しなければ音楽を作ることはできないのかもしれません。

By ウェンズデイ佐野

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