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ロックバンドで個性を際立たせるならコードテンションをマスターせよ

表現方法の幅が広いロックバンドでより個性を際立たせる方法として、コードのテンションについて少しだけ学んでみませんか?

音楽の形態はたくさんありますが、「バンド」であることにこだわる人は多く、特にロックバンドは、いつの時代もその音楽性やメンバーの個性が際立っているので、見ても聴いてもとてもエキサイティングです。

しかし星の数ほどと言われるように、世の中にはたくさんのバンドが存在していて、なかなか自分だけの個性を表現するのは難しいのも事実です。

そこでバンドの音楽性の幅を少し広げて、他のバンドとはちょっと違うオリジナルのサウンドを作ってみてはどうでしょう。その方法として提案するのが、コードのテンションノートを取り入れる方法です。

今回は、ロックバンドがコードのテンションを使うためのいくつかのヒントを解説していきます。

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メジャースケールとテンション

コードの構成音とテンション▲メジャーセブンスはコードの構成音でありながらテンション扱いされることもある。

テンションという言葉から何を連想するでしょうか?きっと多くの方は、ジャズやフュージョンで登場する難しいコードスケールを思い浮かべるのではないでしょうか。

でもここでお話するのは、ロックで使いやすいナインスとメジャーシックス、サーティーンスを中心としたお話しですので、ご安心ください。

まず上の画像を見てください。この画像ではキーがDの場合の、Dメジャーセブンス(Dmaj7)のコードスケールを示したものです。メジャーセブンスの音はコードの構成音でありながらテンションとしても扱われます。

このコードではルート、サード、フィフス、メジャーシックス、メジャーセブンスからなるコードの構成音の他にナインスであるEをテンションとして利用することができます。

もちろんメジャーシックスであるBの音も使えますが、メジャーコードのお約束事として、その場合はあくまで「maj6」と表現し、テンションの13thという扱いにはなりません。

まずは難しく考えず「maj6も使える」とおぼえておいてください。

その他には、メジャーセブンスコード特有の注意点として、セブンスコードの位置に気をつける必要があります。メジャーセブンスコード場合、半音上、フラットナインの間隔でルート音になります。

この場合は、なるべくルート音の上で演奏することで避けられますので、バンド全体のコードをよく聴いて、他の楽器ともぶつからないよう注意しましょう。

さて、メジャーセブンスコードで使える音が分かったら、次は実際に使ってみましょう。

ナインスの使い方

ナインスの活用例▲Dmaj7とBm7においてそれぞれのナインス(9th)の活用例。

コードのテンションを実際の演奏に取り入れるにあたっての具体的な演奏法は、その楽器の特性によっても異なります。

しかし、どんな楽器を演奏するにしても、テンションの生み出す雰囲気などを知っていれば、自分の好みに合う音を選んで使うことができるようになります。

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特にナインスはロックにとても相性が良いテンションです。ボサノバなどのラテン系の音楽は、全般的にロックに使えるおいしいフレーズがたくさんある音楽なのですが、その特徴はナインスとサーティーンスです。

そこで、ここではその特性を理解するために、テンションノートをメロディの中で使った例をあげて説明していきます。

メジャーシックスの活用例

メジャーシックスの活用例▲キーがDの時のⅣmajor7であるGmaj7でのmajor6の活用例

今度はメジャーシックスの活用例を紹介します。メロディーは先ほど9thの例で紹介した画像の続きでシークエンスになっています。

実際に音に出してみれば分かりやすいのですが、同じメロディでもかなり表情が違っていますね?

それはキーがDの時のDmaj7はアイオニアンスケール、Gmaj7はリディアンというスケールの違いもありますが、やはりテンションのナインスとメジャーシックスの違いが大きな要因です。

非常に簡単な表現ですが、一般的に「ナインスはちょっぴり暗い感じ」がして、「メジャーシックスはより明るい感じ」をイメージさせると言われています。

このように選んだ音によって同じコードを使っていても、かなり印象が変わることもありますので、より多くのテンションを経験してみることも大事です。

ロックにテンションノートを使ってみる

テンションナインスを含んだフレーズ▲実際にギターなどで演奏されそうな9thを含んだフレーズの例

ロックバンドで演奏することを想定してフレーズを考えてみました。上の楽譜がテンションナインスを含んだフレーズです。

スローバラードでギターがソロや間奏で弾きそうな状況を想定していますが、こうしてあらためて見ると、ロックにナインスを取り入れるのは、なかなか良いアイディアだと言えます。

バラード以外でも、ボサノバなど、ラテン系の音楽にはロックに合うナインスやサーティーンスがたくさん使われていて、とても参考になる音楽はたくさんありますのでぜひ聴いてみてください。

また、これを機にテンションに興味を持ったなら、ぜひ掘り下げて学んでみることをおすすめします。ブラスセクションならメロディにハーモニーをつける方法を知りたければ、テンションに関しての知識は欠かせません。

ギターやキーボードならソロだけでなく、コンピングと言われるテンションを使ったバッキングなどについて興味を持たれるかもしれませんね。

ぜひ、コードやテンションなどのたくさんある音の表情を自由に使いこなして、魅力的なバンドにしてください。

By内藤孝昌

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