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オブリガードでカッコよく決めるならオーティス・レディングを聴くべし
ボーカルを活かす歌ものバンドで、ギターを弾くときにギタリストの腕の見せどころなのが曲のあいまに弾くオブリガードです。
でもどんなフレーズを弾けば歌の邪魔にならずに、それでいてかっこいい演奏ができるのか?そのヒントはオーティス・レディングにありました。
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オーティス・レディングは生きていればもっと評価が高いはず
▲若くしてこの世を去ったことで一般的知名度に欠けるオーティス・レディング
アメリカの偉大なソウルシンガー、オーティス・レディングが生きていたらかなりの大御所ソウルシンガーとして音楽シーンに君臨していたはずです。
1967年に26歳の若さで事故によりこの世を去ったことにより一般的な知名度は弱冠おとるかもしれません。
もちろんソウルミュージックファンにとってはオーティス・レディングの名曲たちは有名です。そしてそのサウンドを支えたのがバック・バンドをつとめていたブッカー・T&ザ・MG’sです。
ブッカー・T&ザ・MG’sのギタリストとして活躍したのはスティーブ・クロッパーです。スティーブ・クロッパーはギタリストとしてだけではなく、オーティス・レディングのよき相棒として、その楽曲の多くを手掛けました。
相棒、スティーブ・クロッパーのギターはソウルギターの教科書です
▲スティーブ・クロッパーはいまだにソウルフルなギターを聴かせてくれています
スティーブ・クロッパーのギターの特徴は、ひずませずにクリーンな音で弾くリズミカルなフレーズで構築された演奏です。特に1、2弦を中心に復弦を同時に弾き指板のポジションをスライドさせるフレーズが十八番です。
実際にオーティス・レディングとスティーブ・クロッパーによる楽曲の中から、ギターのオブリガードを学んでみましょう。
「These Arms of Mine」や「I’ve Been Loving You too Long (to Stop Now)」といったバラードナンバーでの淡々としながらもすこしハネたリズムで奏でられるアルペジオはスティーブ・クロッパーのプレイの基本です。
「These Arms of Mine」の途中では、メロディに合わせてトレモロでオブリガードを入れています。これは割と特殊な例かもしれませんが、同じフレーズが続く曲には効果的ではないでしょうか。
「I’ve Been Loving You too Long (to Stop Now)」ではアルペジオのあいまにお得意の1、2弦の復弦フレーズを入れているほか、ボーカルが途切れた部分にちょっとしたフレーズで曲に変化を与えています。
対照的に派手なジャンプナンバー「Respect」ではホーンセクションがフィーチャーされているため、ギターはよく聴かないとわからないレベルです。
ここでスティーブ・クロッパーは主にダウンカッティングでパーカッシブにリズムを刻んでいます。
代表曲のひとつ「I Can’t Turn You Loose」はさらに派手なナンバーです。こちらではイントロから終わりまでギターが低音のメインリフを弾いており、テンポも速いのでかなりせわしないですが、スティーブ・クロッパーのタイム感がよくわかる演奏です。
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ザ・ローリング・ストーンズをカバーしていますが、あまりギターは合わないかも?
▲若き日のスティーブ・クロッパー!かっこよすぎる
「I Can’t Turn You Loose」はザ・ローリング・ストーンズも2003年のライブでカバーしています。
オリジナルに忠実な演奏ですが、こちらは相当ルーズな遅いテンポで演奏しています。ダリル・ジョーンズのベースのリズムを頼りにしている感じです。
オーティス・レディングは逆にザ・ローリング・ストーンズの代表曲「(I Can’t Get No) Satisfaction」がリリースされた頃にすぐにカバーしています。
こちらはスティーブ・クロッパーのギターがメインのリフを一応弾いてはいるものの、イントロや間奏ではホーンでメインリフが鳴らされています。
もとがひずんだギターなのでちょっとスティーブ・クロッパーの個性を出せていない気がします。
やはりスティーブ・クロッパーの本領が発揮されるのはソウルフルなナンバーです。オーティス・レディングのライブの多くでラストを飾っている楽曲、古いラブ・ソングをリサイクルした「Try a Little Tenderness」です。
この曲では後半までがバラードで最後にテンポアップしていきエンディングを迎えます。スティーブ・クロッパーはあまりギターで空間を埋めず、復弦フレーズやハマリングによるオブリガードで味を出しています。
エンディングではホーンセクションを含めたバンドが一体となってどんどん上昇していく様子が興奮させられます。スティーブ・クロッパーのギターもひとつの音の塊となってコードストロークに徹しています。
スティーブ・クロッパーは歌に寄りそうギターを弾いています
▲スティーブ・クロッパーがいたことでオーティス・レディングも活躍できたといえます
オーティス・レディングが亡き後にリリースされた曲「(Sittin’ on) The Dock of the Bay」はビルボードチャート1位になり、皮肉なことに彼の最大のヒットとなり代表曲になりました。
この曲でスティーブ・クロッパーは曲中をとおしてオブリガードでオーティス・レディングの歌と寄り添うようにギターを弾いています。
もちろん録音の時点でオーティス・レディングが亡くなることになるなんてわかりませんが、なんだかグッとくる演奏です。
オーティス・レディングとスティーブ・クロッパーの歌とギターの関係を知ることで、歌を活かすオブリガードがどんなものがわかるはずです。ぜひ参考に聴いてヒントをもらいましょう。
文・okamoto
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