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80~90年代のエレキギターに迫る~迷走時代に作られたギターたち
ヴィンテージというほどではない……けれど古い。そんなギターを中古楽器店などで見かける機会は多いでしょう。
80年代から90年代のギターはヴィンテージとして評価されることはまずありません。だからといって最新モデルとして取り扱われるわけでもありませんので、どうしても中途半端な存在になってしまいます。
ここでは、そんなギターたちについてお話しましょう。
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80~90年代といえばメタリカ!アーティストの使用ギターも時代によって変化しています。
80~90年代はギター界迷走の時代?
へヴィメタルやハードロックが隆盛を極めた80年代、そしてグランジブームが世を席巻した90年代。この時代はギター界迷走の時代であるといわれています。
奇抜なギターが登場しては消えて行きました。クレイマー、ディーン、トラビスビーン、……。もちろん現在も存続している会社もありますが、やはり王道にはなり得ていません。
迷走していたのは新興ブランドだけではありませんでした。2大エレキギターブランドにとっても迷走の、そして暗黒の時代だったのです。
ギブソンの迷走時代……そのギターってギブソンなの?
まず、代表的なギターメーカーについて考えてみましょう。
ギブソンがこの年代に発表したギターと言えば、マローダーやレスポール・スタジオ、RD、ナイトホークなどです。この名を挙げてすぐにどんなギターであったのか、またどんなギタリストに使用されているのかを答えることができたら相当なギターマニアでしょう。
とくにマローダーやRDなどは目の前にあったとしても、ロゴが隠されていたらギブソンのギターであると気づかない人の方が多いかもしれません。
音楽シーンの変化に合わせようと次々に新しいモデルを意欲的に発表したギブソンでしたが、そのほとんどはヒットすることなく、すぐに生産が打ち切られてしまいました。マニアの中にはこの年代のギターを探している人はいますが、かなりの少数派です。
▲ギブソンのRDカスタム。独特のシェイプが特徴的です。近年、再評価されているとか、いないとか……。
▲同じくギブソンのナイトホーク。レスポールを変形させてしまったようなちょっとおかしなシェイプ。ですが、意外に弾きやすいんです。
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品質は下がる一方……フェンダーの暗黒時代
その一方、フェンダーも暗黒期にはいっていました。奇抜なモデルのリリースはギブソンほどめだってはいませんが、とにかく品質が落ちてしまいました。70年代の後半からは良質な木材の入手が困難になり、そのうえ設備の老朽化によって加工精度がとても低くなってしまいました。
当然、フェンダーの評価は下がり、さらに売れなくなってしまいます。経営は悪化し、新しい設備投資をすることなんてできるわけがありません。さらに品質は下がる一方……80年代のフェンダーはそんな悲惨な状況でした。
国産ギターは一気にメジャーに
アメリカンブランドが苦しむなか、高い技術力を武器にした日本ブランドは飛躍しました。もっとも大きな変化といえば、フェンダージャパンの登場でしょう。
これまで、グレコブランドで販売されていたフェンダーコピーモデルが、本家の許可を得て、フェンダーブランドを冠することになりました。
あのフェンダーが手の届く価格に!しかも本家よりも品質が高い!そうなれば売れないわけがありません。多くの若いギタリストたちがフェンダーブランドのギターを手にすることができるようになりました。
国産オリジナルのギターも80年代から90年代に花開きました。その中心となったのが、当初はグレコの海外向けブランドとして登場したアイバニーズです。メタル、ハードロック系のテクニカルなプレイに適した極薄ボディ、ネックのギターの名器を多く生み出し、世界的にも大きな成功を収めています。
ヤマハのSG、トーカイのタルボ、そしてフェルナンデスのサスティナー搭載モデルなど、国内のみならず海外へ向けてアピールすることのできる国産ギターが出そろったのもこの時代のことでした。
▲トーカイのタルボ。アルミボディにエレキギターの未来を感じてしまいました。
中古楽器店で見つかる掘り出しモノ!
中古市場では、この年代のギターが高く評価されることはあまりありませんので、かなりの格安で入手することが可能です。
フェンダーやギブソンなどの人気ブランドであっても、70年代以前や2000年代以降のモデルとはくらべものにならないほどに安価で売りに出されています。
フェンダーなどは品質の落ちていた時代です。ギブソンはかなりおかしなモデルがメインとなります。そこに魅力を感じることができるのであれば、素晴らしいコストパフォーマンスです。筆者も独特のシェイプのRDなどは一本入手しておきたいと考えているほどです。
国産ギターに関しては、それぞれのメーカーがもっとも元気だった時代でもあります。品質の面で、かなり期待することができます。
フェンダージャパンの場合はジャパンヴィンテージと呼ばれるようになり、やや価格が高騰していますが、アイバニーズやフェルナンデス、トーカイブランドのものは品質から考えると信じられないほどに格安で販売されていることもあります。一度チェックしてみる価値は十分にあります。
ヴィンテージでもない……決して新しくもない。そんな微妙な年代のギターたちにスポットライトを当ててみました。いかがだったでしょうか?
そもそも現在ヴィンテージとされている50~60年代のレスポールやストラトだって70年代には現在ほど高い評価を受けていたわけではありません。ここで紹介してきたギターたちと大差ない扱いを受けていたといわれます。
もしかすると、この中に未来のオリジナルバーストが潜んでいるのかもしれません。
Byチリペッパー眞木
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