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チューブVSトランジスタ!決着のつかないギターアンプ議論
ギターアンプはチューブかトランジスタか…長年にわたって多くのギタリストや研究者によって議論されてきました。 筆者ももちろんこの議論に参加していました。
筆者は長年にわたってフェンダー・ツインリバーヴやザ・ツインなどを使用していますので、当然チューブ派です。 しかし、今回はあえて中立の立場にたってさまざまな側面から比較してみましょう。
チューブアンプならではのメリット
まず、筆者も使い慣れている真空管アンプならではのメリットを考えてみます。 多くのギタリストがチューブを選ぶ最大の理由は温かみのあるトーンや、ナチュラルなオーバードライブを得ることが出来るという点でしょう。
単純に信号を増幅し、音として出力するという点から考えれば、歪ませてしまったり、丸みのある音へ変化させてしまうことはデメリットであるようにも思えます。 しかし、エレキギターの音を出すことに限定すれば、その「劣化」とも言える変化が特徴の一つとなってくるのです。
アンプまで含めて一つの楽器であると考えるのであれば、デメリットをメリットに変えることができると言えるでしょう。 この点に関しては、どうしてもトランジスタをパワー部に使っているアンプでは再現することができません。
トランジスタでなければならない理由
一方のトランジスタアンプのメリットとして真っ先に思い浮かぶのは、その素直な特性でしょう。 ピックアップから拾われた音をそのまま素直に増幅してくれますので、ギターの個性をそのまま出すことができます。
しかし、これはデメリットにもなり得ます。筆者の場合はこの素直すぎるサウンドを味気ないと感じてしまいます。 どんなに素材が良くても味付けをしなければおいしく食べることができない、そんな食材も多いでしょう。 ギターにおいても同じことが言えると思います。
しかし、こうしてまったく味付けがされていないので、エフェクターペダルやアンプシミュレーターなどを使用することによって、さまざまな音に変化させることが可能となります。 どんなにペダルで音を作り込んでもチューブアンプでは音が丸くなりすぎてしまったり、歪んでしまうことから、最終的に別な音になってしまいます。 だから、トランジスタアンプでなければならない、というギタリストも少なくないのです。
チューブアンプのデメリットを考える
チューブアンプを愛用している筆者でも、さまざまなデメリットを感じてしまうことがあります。 その中でも特に頭を悩ませることになってしまうのが、環境や真空管の劣化などによって音が変化してしまうという点です。
その日の気温などによって、真空管の温度が変わってしまいますので、歪み始める音量や、音質などが変化してしまうことがあります。 また、劣化によってイコライザーの効き方や音量まで変わってしまうこともありますので、その都度微調整をしなければなりません。 きっちりとセッティングを決めていても、最終的には感覚に頼って音作りをしなければなりませんので、ある程度の経験が必要となってくるのです。
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また、ユニットそのものが大きく、重量も重くなってしまいますので輸送に困ってしまうことも少なくありません。 筆者がメインで使用している80年代のザ・ツインなど、ハードケースに入れると重量は30キロを超えてしまいますので、ライヴハウスへの搬入だけで一苦労です。階段の昇降が必要な場合はもはや一人では運ぶことができません。
トランジスタアンプにはデメリットがない?
一方、トランジスタアンプの場合、上記の真空管を使ったアンプのようなデメリットはありません。
時代的にも新しいものですので、トラブルも少なく、ストレスなく使用することができるでしょう。 デメリットらしいデメリットがない、というのもトランジスタアンプの特徴であると言えます。 これが、近年のスタジオやライヴハウスで多く採用されている理由なのではないでしょうか。
永遠に決着が着かない議論
トランジスタVSチューブ…この議論には永遠に決着がつきません。 機能的な面から見れば、ほとんどデメリットの無いトランジスタの方が優れているように思われるかもしれません。 しかし、トランジスタから真空管アンプの音は決して出すことができません。またその逆のことも言えます。
楽器の場合、単に機能だけでどちらが優れているとは言い切れないものなのです。
エリック・クラプトンとスティーヴィー・レイ・ヴォーン、どちらの方が優れたギタリストなのか?と問われて根拠のある答えを出すことができる人はいないでしょう。どちらかを選ぶとなると、単なる好みで選ぶことになるかと思います。
しかし、それでも私たちギタリストが議論をしてしまいます。答えがないからこそ、この議論にやりがいを感じてしまうのではないでしょうか?
音楽が好きな人は、その音楽について議論してしまう。だからこそ、音楽仲間と触れ合い、話をすることは楽しいのです。
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