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リゾネーターギターって何?~個性的なギターを操るミュージシャンたち
ブルースの巨人ことサンハウスという黒人ブルースマンがいます。ロバート・ジョンソンに多大な影響を与えたミュージシャンである彼が弾いていたのはリゾネーターギターと呼ばれるギターです。個性的なギターを弾くミュージシャンを覚えておきましょう。
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ドブロギターという名称はメーカーのものなんです
▲こんな感じでアルミ板がついています。
リゾネーターギターは、第2次世界大戦より前、エレキギターができる前に音量を増大させるために考案された楽器です。フォークギターからエレキギターへの変化の中間に位置するものです。
楽器の構造は、リゾネーターと呼ばれる円形の薄いアルミニウムでできた共鳴板をブリッジの下に取り付けたもの。最大の特徴としてはボディが金属製のところですが大音量を得ることはあまりできません。
ところがハワイアンやブルースなどボトルネックを使う音楽ではかなりの響きを得ることができますので、徐々にスライドギターを駆使するミュージシャンの使う楽器として認知されるようになりました。
激しく弾くブルースではなく、バンジョーやマンドリンなどのアコースティックのアンサンブルで聴かせるブルーグラスミュージックに使われるボディは木製のものがほとんどです。木製ボディは、割と大音量が得られるようになっています。
ちなみにドブロもナショナルもブランド名で、正式な名称がリゾネーターギターです。どちらにせよ普段はなかなか手にすることはないかもしれません。
サンハウスがいま生きていたらどんな馬鹿デカイ音をだしそうですね
▲この顔!ブルースは人生を救っています。
戦前の代表的なミュージシャン、サンハウスの演奏は中指にはめたボトル・ネックがでリゾネーターの上を鋭く滑る、楽器の特性を充分に活かした演奏です。
独学で覚えたギターでのドラマチックな演奏は評判を呼びますが、彼は鉄道の仕事に従事して一時音楽から離れます。しかし60年代に再び脚光を浴びて70年代までブルースシーンで大活躍しました。
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惜しくも亡くなったボズ・ブロッズマンはナショナルの王様でした
▲こんなにギターがあるのに普通のエレキが一本もなし。
金属製のギター、ナショナルを使ったミュージシャンで最も有名なのはボズ・ブロッズマンです。2013年に亡くなった彼はミュージシャン、プレイヤーというより、むしろナショナルギターの申し子というくらいナショナルにこだわっていました。
彼のミュージシャンとしてのキャリアのスタートはフォークとブルースですが、ナショナルとの出会いが彼を特殊なギタリストに変えました。
そのプレイは超絶的で、ソロでの弾き語りプレイを中心としていましたが、ジャンルはブルース、カントリー、ハワイアン、カリプソ、ラテンと幅広く、ハワイや沖縄のミュージシャンとの共演もおこないました。
またミュージシャンとしてのみでなく、戦前から現代までの民族音楽を研究する評論家でもありました。来日公演も幾度となくおこなっており、素晴しい演奏を聴かせてくれていました。
ちなみにナショナルのギターといえば日本人ではバタヤンこと田端義夫の使用していたものが有名です。リゾネーターギターではありませんが、小ぶりのボディを小脇に抱える姿が印象的です。
2013年に亡くなられたバタヤンですが、死後ギターコレクションがヤフオクに出品されたことでも話題になりました。出品されていた1956年製「ナショナルギターNo.1123」などは、貴重すぎて値段がつけられないのでは?と思うほどの年代ものでした。
ダイアー・ストレイツのマークノップラーのテクニシャンぶりはクラプトンも認めています
▲ステージセットになるほど『ブラザーズ・イン・アームス』のジャケは超有名!
「悲しきサルタン」のヒットで有名なダイアー・ストレイツの1985年の大ヒットアルバム『ブラザーズ・イン・アームス』のジャケットに登場しているのも金属製ボディのリゾネーターギターです。
ギターのマークノップラーの指弾きでの独特なタッチで聴かせるサウンドは大人の音楽といったおもむきです。ロックの騒がしさもなくジャズやフュージョンでもない、実にオリジナリティあふれる音楽で、どのジャンルにも入れられない個性があります。
現代におけるリゾネーターギターの使い手といえば、G・ラヴ&スペシャル・ソース。ボーカル・ギターのギャレット・ダットンことG・ラヴは普通のギターを持っている印象がないほど、ビザールギターをよく使っています。
ジャズやブルースといったルーツ・ミュージックをベースにしつつもヒップホップを取り入れたサウンドは、90年代のグランジブームに沸くロック勢とは一線を画した存在でした。
ゆったりとしたグル-ヴに乗ったG・ラヴのラップとリゾネーターギターの響きがリゾート感を出しています。
2014年にはデビュー20周年を迎え、デビュー当時のオリジナルメンバーであるジミー・プレスコット、ジェフリー・クレメンスと共に8年ぶりに再集結。ジャパンツアーもおこなうなど、活発に活動をしています。
このようにあまりメジャーなアーティストや華々しくチャートに上がるような楽曲の中にはリゾネーターギターのはあまり登場せず、むしろマニアックかもしれません。しかし独特のサウンドはひとりで弾くには最高の音を出してくれます。
僕が以前活動を共にしたことがあるブルースマンは、自宅でナショナル製のリゾネーターギターを弾いており、夜遅くに普通に弾いただけで近所から一斉に苦情が来ていました。う~ん、現代の都会での住宅事情にそぐわないようなのでくれぐれも注意しましょう。
文・okamoto
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