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チャック・ベリーがエレキを不良の証に?~頑固者ロックン・ロール伝説
世界中の誰もが知るロックンロールの創始者の1人といえばチャック・ベリー。ロック界の大御所はかなり頑固者のようです。
“エレキは不良の証”は少年時代のチャックが元祖?
1926年、ミズーリ州に住む家庭の6人兄弟の真ん中として生まれたチャック。
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小さいころから聖歌隊に入り、音楽に親しんできた彼ですが、少年時代にはグレていた時期もあり、警察のお世話になったことも数多くあったようです。
29歳で遅咲きのデビュー、一気にロック・スターに駆け上がりヒット曲を連発
▲若き日のチャック・ベリー
チャックがデビューしたのは意外と遅咲きの29歳。ブルースの名門、チェス・レコードと契約しシングル「メイベリーン」でデビューしました。
その後数年間に渡り「ロール・オーヴァー・ベートーヴェン」、「ロックンロール・ミュージック」、代表曲となる「ジョニー・B・グッド」、「キャロル」を発表しつつ、ライヴではおなじみとなった“ダックウォーク”で観客を楽しませ、一躍スターの座に登りつめました。
ところが人気絶頂の1959年、チャック・ベリーは14歳の少女に売春を強要した容疑で逮捕、3年間収監されてしまいます。その後釈放されてからも彼は変わらず音楽活動を続けるわけですが、やはり当時、黒人差別の的にされてしまったのは明らかでした。
この事件は彼の性格にも影響を与えたはずです。音楽業界でお金をだまし取られたこともあったようで、その後、疑心暗鬼になってしまうのも無理はなかったのかもしれません。
相次ぐトラブルによりだれも信用できない?ギター・ケースを抱えて1人で来日
▲大きな手足を活かしたダイナミックなステージングで人気に
初来日は1981年、55才のころ。多くの人がそうであるように、チャックを知ったときにはすでに彼はおじいさんとも言える年齢だったんですよね。いかに長い間活躍しているのかがわかります。
彼はなんと1人で日本にやってきたそうです。これだけ世界的に有名なミュージシャンが、マネージャーも帯同せずにたった1人、ギターを抱えて遠い異国に来るなんて、ちょっと考えられません。
いかにチャック・ベリーが人間不信だったかがうかがい知れるエピソードです。どうやら若いころに騙されたことが影響しているようで、なんだか可哀想な気もします。
コンサートでチャックのバックを務めたのは白人のベース奏者と日本人のドラマー、ピアニストでした。当時を知る音楽ファンによると演奏はかなりグダグダで、チャックの演奏よりもそちらの方が気になってしまったようです。
バックバンドを現地調達することが多かったチャックにとっては普通のことだったのかもしれませんが、やはりリハーサルが充分ではなかったのでしょうか。
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チャックは1982年にも来日、横浜スタジアムなどで当時人気絶頂のRCサクセション、サム&デイヴ解散後のサム・ムーアとの共演イベント「THE DAY OF R&B」に出演しました。
このイベントでチャックは演奏の途中でキーボーディストにキレてしまい、その場でクビにしてしまいました。そのキーボード・プレイヤーは元VOWWOWの厚見玲衣だったようですが、いったいなにが不満だったのでしょうか。
この日のチャックは頑固者っぷりを遺憾なく発揮していたようで、RCが主役のイベントにもかかわらず、自分をトリにせよとゴネたらしく、結果ヘッドライナーを務めました。ところがRCのステージを観たことで満足して帰ったファンも多かったようで、イベント自体の盛り上がりには欠けたようです。
映画「ヘイルヘイル・ロックンロール」の名場面!?キースとの激しい師弟対決
▲キースを従え、ダックウォークを披露するチャック
チャック・ベリーの性格が良くわかるのが映画「ヘイル! ヘイル! ロックンロール」。60歳の誕生日を記念して故郷セントルイスのフォックス・シアターでおこなわれたバースデイ・コンサートの模様と、リハーサルをドキュメント収録したものです。
キース・リチャーズをホストに、エリック・クラプトン、ロバート・クレイ、ジュリアン・レノン、エタ・ジェイムスといったそうそうたるミュージシャンが集まった華やかなステージとなりましたが、リハーサル・ドキュメントで繰り広げられるチャックの振る舞いを初めてみた当時はビックリしたものです。
ストーンズもカバーしている「CAROL」のイントロ・フレーズを、チャックから何度も何度も駄目出しされるキース。「イントロを弾き出すのが表か、裏か?」聴いてる方からすればよくわからないのですが、チャックにしてみれば弾き方が全然違うとのこと。
あまりのしつこさに怒りを堪えるキースの表情は必見です。天下のキース・リチャーズですら我慢するしかないんですね(笑)。その後開催されたコンサートではしっかりサイド・ギタリストに徹して見事な演奏をするキースは本当に素晴らしいです。
その後チャックは「著作権を侵害された」としてカラオケ業社3社を訴えるといったニュースで世間を騒がせつつ2003年には久しぶりの来日公演をおこない、お約束のダックウォークを見せてくれるなどファンを喜ばせました。
2008年には日本テレビ開局55年のキャンペーン「日テレ55」にて「ジョニー・B.グッド」の替え歌で声のみ登場するというサプライズもありました。
86才にしてなおもステージに立つ!不滅のロックン・ロール・スピリットに感動
▲2013年、ライヴでのチャック・ベリー
御年87才にして、昨年もステージに立っているチャック(さすがにスローな演奏ですが)。
相変わらずの傍若無人さでバンドのメンバーを困らせている様子を見ると、たった1人でショー・ビジネスの世界を渡り歩いてきた自信と“なめられたくない!”というロック・スピリットを感じます。
(文・岡本貴之)
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