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仲井戸“CHABO”麗市~RCサクセションから麗蘭までの軌跡
日本人のギタリストで最も好きなギタリストをあげよ、と言われたら僕は迷わず仲井戸“CHABO”麗市の名前をあげます。フォークデュオ古井戸にはじまりRCサクセションを経て麗蘭の結成にいたったチャボの活動を振りかえってみましょう。
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日本ロックのアンセム!「雨あがりの夜空に」を知らないロックファンはまさかいないですよね?
▲この頃の決めポーズはキース・リチャーズっぽい!
古井戸が1979年に解散すると、破廉ケンチ脱退後のRCサクセションに以前からサポート・ギタリストとして参加していた仲井戸麗市(以下・チャボ)は正式にRCのメンバーとして加入します。
チャボの加入により躍進することになるRCですが、そのきっかけとなったのは1980年に「雨あがりの夜空に」のリリースを記念しておこなわれた渋谷屋根裏での4日間連続ライブです。
それ以前にリリースされた4年振りのシングル「ステップ!」はスタジオミュージシャンによるレコーディングのためチャボをはじめRCのメンバーは参加しておらず、忌野清志郎がボーカルで参加しているのみ。曲は最高ですが、演奏はチャカチャカと軽い音でした。
レコーディングは不本意だったものの「ステップ!」で浮上のきっかけを作ったRCが次に発表したのが「雨あがりの夜空に」。清志郎とチャボの共作クレジットとなっているこの代表曲は、実質チャボが作曲をしているようです。
ブレイク中のRCのド派手なビジュアルはチャボも楽しんでいたと思うんですが、次第に地味になりましたね
▲80年代初頭、テレビ出演時のド派手な2人。多くのフォロワーを生み出したカリスマコンビです
80年代のRCの大ブレイクの中で、当初先頭に立って観客をあおっていたチャボ。ところが清志郎と坂本龍一の「い・け・な・いルージュマジック」などの効果もあり音楽シーンのみならず世間でもRCの存在が大ブームになってくると、次第に一歩引くようになります。
「ひっこみ思案の祭り好き」といいますか、もりあがるまでは中心になるのですが人がどんどんまわりに集まり出すとさめてくるという感じ。このあたりのチャボの性格的なところは同じてんびん座うまれとしてなんとなく共感します(笑)。
だんだんとファッションも地味になり、88年の『COVERS』問題をうけての日比谷野音でのライブでは、終始サングラス姿でギターを弾くチャボの姿が確認できます。
その後20周年を迎えたながらメンバーの脱退により実質解散状態での活動休止となったRC。バンド休止後にソロ活動を開始するにあたり、チャボはブッキングから何からマネージメント的なことも含めてすべて自分でやろうと思っていたそうです。
さすがに名のあるミュージシャンであるチャボにそれはさせられないと、この行動はスタッフに止められたようで、自身の事務所セブンス・マザーを設立してソロ活動を開始します。
まさかのストリート・スライダーズ蘭丸とのコラボ。蘭丸って意外と良い奴だった
▲蘭丸とは音楽はもちろん、ファッション・センスも似ていました
その頃時を同じくして活動を休止していたストリート・スライダースのギタリスト、蘭丸こと土屋公平と1991年に結成されたのが「麗蘭」です。まさか蘭丸と行動を共にするとは、当時の両バンドのイメージからするとまったく想像がつきませんでした。
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それはクールなハリーと怒りとユーモアを前面に押し出すようになっていた清志郎というそれぞれのボーカリストのキャラクターの違いにあったと思います。
そのとなりでギターを弾く2人ですから一緒にやって大丈夫なの!?となんだかチャボを心配したことをおぼえています(笑)。
ベースにD.U.Bなどで活躍していた旧友・早川岳晴を迎え、麗蘭はまずライブツアーを開始。この時点では音源を出していないためどんなライブをおこなうのかわかりません。
想像では2人のルーツであるブルースやR&Bのカバーをやるんだろうな、と勝手に決めつけていました。
結成当時、麗蘭のツアーはブルースのカバーをやるもんだと勝手に決めつけてた自分を反省
▲まさかここまで長い活動をすることになるとは。チャボにとってストレスが無いユニットなんでしょうね
ところが後日「ロッキンオン・ジャパン」でツアー初日のレポートを読んでみると、演奏されたのはなんとほぼすべてオリジナルの新曲ではないですか!
これは単なるセッションバンドではなく、新しい音楽の構築をめざしたバンドなんだとその時ようやく気がつきました。
ライブでの評価の高さから、その後アルバム制作をおこなった麗蘭。
レコーディングには村上“ポンタ”秀一がドラマーで参加したこの作品はオリコンアルバムチャートで初登場4位を記録。2つのバンドのギタリストが合体したことがいかに注目をあつめていたかわかります。
その後の麗蘭は年末の京都磔磔でのライブをはじめ、年に数回のライブをおこなうことを軸として長年活動してきました。2004年には13年ぶりとなるオリジナルアルバム『SOSが鳴ってる』をリリース。
昨年末にはベスト・アルバムと磔磔ライブ映像集も発売し、キャリアを総括した彼ら。2011年に20周年を迎え、気が付けば古井戸よりもRCサクセションよりもキャリアの長いユニットとなっているのですから驚きます。
きっとチャボにとって心地の良い表現の場となっているにちがいありません。
文・岡本貴之
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