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レディオヘッドのオープニングアクトをつとめたバンドやアーティスト
1992年、レディオヘッドはパーロフォンと契約し、名刺代わりのデモ4曲入りEP盤「Drill EP(ドリル)」を発売しました。メジャーデビューです。
もちろん売れるはずもなく、レディオヘッドは年間100回以上のライブをしたそうです。そのほとんどは他のバンドのサポート、おそらく小さなイベントや中堅バンドのオープニングアクトだったのでしょう。
同年、シングル「クリープ」がスマッシュヒットしますが、「OKコンピュター」で爆発するまでオープニングアクト、いわゆる前座でのライブが続きました。
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代表的なものは、1995年のR.E.M.(アール・イー・エム)がツアーでレディオヘッドを前座に、1996年にアラニス・モリセットの全米スタジアムツアーに帯同したあたりでしょうか。
ライブの集客数が増えるにしたがって、今度は立場が逆転します。レディオヘッドは自身のツアーでオープニングアクトを従えるようになりました。
そんなレディオヘッドのオープニングアクトをつとめたバンドやアーティストをいくつか挙げてみたいと思います。
シガー・ロス
2000年、「キッドA」をレコーディングし終えたレディオヘッドがアルバム発売前に行ったヨーロッパ・ツアーのオープニングアクトとして指名されました。レディオヘッドの前座として必ず名前が出てくる代表的なバンドです。
これをきっかけに前年に発表していた「アゲイティス・ビリュン」が高い評価を受けました。2000年、世界リリースされ、アイスランド国内だけのバンドから世界的なバンドへと一気に駆け上がりました。今となっては考えられない組み合わせです。
スーパーグラス
1995年、オックスフォードでのライブでオープニングアクトをつとめました。おそらく、レディオヘッドと同じパーロフォンと契約した流れだと想像できます。調べたなかでは、もっとも早い、レディオヘッドの前座でした。その後も何度かレディオヘッドの前座、というよりゲストで出演しています。
スーパーグラスというバンドを簡単に説明してしまうと、ブリットポップ後も生き抜いたバンド、多くのミュージシャンに愛されたバンドです。
愛されるがゆえ、鬼の前座バンドでした。オープニングアクトやゲスト出演したバンドを列挙すると恐ろしいです。ライド、シェッド・セヴン、ブラー、フー・ファイターズ、オアシス、アラニス・モリセット、パール・ジャム、コールドプレイ、アークティック・モンキーズなど。
2010年に解散してしまったのが惜しいバンドです。
クリニック
2001年ツアーのオープニングアクトです。日本公演でも前座をつとめましたが、あまり評判は良くなかったようです。やはり、トレードマークの医療用マスクのせいで色物バンドと思われてしまったのでしょうか。
人前でマスクをするなんて、AKB48や嵐、最近では浅田真央、羽生結弦そっくりの、メイクものまねタレント?で有名になった、ざわちん、ぐらいしか思いつきません。
少し前に、ユニクロがドミノ・レコーズ(Domino Records)とのコラボTシャツを発売しました。もちろん、クリニックのTシャツもありました。やっぱり、色物ですかね。サウンドは普通にカッコイイんですけど。
バット・フォー・ラッシーズ
2007年、前年の「ファー・アンド・ゴールド」デビュー直後にオープニングアクトとして選ばれました。バンドというよりナターシャ・カーンのソロ・プロジェクト名と言ったほうがいいでしょう。
ジャンルとしてはドリーム・ポップやフォークトロニカになるのでしょうか。過去の歌姫たちと同様にカテゴリーで縛ってしまうのはなかなか難しいところです。トム・ヨークだけでなくビョークもお気に入りというのもうなずける、納得のサウンドです。
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特に2枚目のアルバム「トゥー・サンズ(Two Suns)」からのシングル曲「ダニエル(Daniel)」、3枚目のアルバム「ザ・ホーンテッド・マン(The Haunted Man)」収録で同じくシングル曲にもなった「ローラ(Laura)」は絶品です。
2014年、ブラーのデーモン・アルバーンが初めて発表する1stソロ・アルバム「エヴリデイ・ロボッツ」に参加しているようですが、まだ来日の予定はないようです。
グリズリー・ベア
2008年、アメリカツアーでのオープニングアクトでした。アメリカ出身のバンドなのですが、2枚目以降のアルバムはイギリスのワープ・レコーズ(Warp Records)から発売しています。
ワープ・レコーズ所属のアーティストといえば、エイフェックス・ツイン、オウテカ、ボーズ・オブ・カナダ、スクエアプッシャーなど豪華です。USインディーの有望株がイギリスでというのは不思議な感じです。
3枚目の「ヴェッカーティメスト(Veckatimest)」収録の「ホワイル・ユー・ウエイト・フォー・ザ・アザース(While You Wait for the Others)」や「ツー・ウィークス(Two Weeks)」などで、独特のポップ・センスと溶けるようなコーラスが生み出す浮遊感を堪能できます。また、4枚目「シールズ(Shields)」ではさらに進化しています。どちらもオススメです。
ディアフーフ
2006年のアメリカツアーのオープニングアクトをつとめました。やはり、ベースボーカルのサトミ・マツザキが目立ちます。ノイズロックバンドという肩書で語られますが、中途半端なポストロック寄りノイズポップだと思っています。同じくボーカルが日本人であるアソビ・セクスと、同じレーベル(ポリヴァイナル・レコーズ)だったというのは不思議です。
サウンドは、かなり中毒性が高いです。好みがはっきりと分かれるタイプのバンドでしょう。また、公式サイトのセンスも秀逸です。曲はもちろんですが、一度サイトもご覧ください。
前座はメンバーの趣味?
複雑な音楽ビジネスの話は分かりません。裏側の事情とやらも当然わかりません。なので、前座バンドを選ぶときにどのような経緯があるかなんて、まったく知りません。ただレディオヘッドの場合、オープニングアクトにはひとつの基準があるように思えてくるのです。
「これ、最近、ものすごく気に入ってるんだ。だから、みんなにも生で聴いてもらいたいし、それでもし、これがきっかけで同じようにお気に入りのバンドになってくれたらすごく嬉しいな!」
これです。自己投影とまではいかなくても、メンバーの好みがどこかに入っているバンド、それがオープニングアクトから見えてくるような気がするのです。
ズルいおまけを2つ。
2008年の日本公演でのオープニングアクトはモードセレクターでした。トム・ヨークがモードセレクターのファンで、2007年に「ハッピーバースデー(Happy Birthday)」にトム・ヨークが参加したことの恩返しでしょうか。ちょっとズルいです。
オープニングアクトを断ったという噂が流れているバンドがひとつだけあります。ベル・アンド・セバスチャンです。自分のペースを乱されるのが嫌だったとか…ちょっと格好良すぎです。かなりズルいです。
by yosh.ash
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