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ジャズギターを切り開いた天才ギタリスト~チャーリー・クリスチャン

若くしてこの世を去ったギタリストがもし、その後も生きていたら…そんな想像をしたことはありませんか?

ジミ・ヘンドリックスはあれからどんな方向へ進んで行ったんだろう…40代になったスティーヴィー・レイ・ヴォーンはどんなサウンドを奏でていただろう…。筆者はよくそんなことを考えています。

ジャズギターを切り開いたと言われる天才ギタリスト、チャーリー・クリスチャンも25歳の若さでこの世を去ってしまいました。短い生涯であったにもかかわらず、彼のプレイやサウンドは後のジャズギタリストにとても大きな影響を与えました。

それほどの才能がもっと長く音楽シーンで輝き続けていたとしたら…またジャズシーン、音楽シーンは大きく変わっていたかもしれません。

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ここではチャーリー・クリスチャンについて考えてみましょう。

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チャーリー・クリスチャンピックアップ

筆者が彼の名を知ったきっかけはギブソンの一部のアコースティック系モデルに採用されている「チャーリー・クリスチャンピックアップ(以下CCピックアップ)」でした。

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ギブソン最初のピックアップは1950年代に登場したP90だと思われている方も多いかもしれません。しかし、その誕生から15年以上も前の1935年にCCピックアップは発売されています。

当初はスライドギター向けのものとして開発されたものですが、1936年に発売されたフルアコースティックギターのES-150に搭載され、現代のエレキギターの基本形になったとも言われています。

このES-150を使用し、人気を博したのがチャーリー・クリスチャンでした。当時、まだ名称がなかったこのピックアップは後に彼の名を冠した愛称で呼ばれるようになりました。

ちょっとギターに詳しい方なら、名前は知らなくても見たことがあるのではないでしょうか?ジョンレノンがレスポールJrのフロントに追加していたあのピックアップです。

サウンドの特徴は、とても出力が弱いことから、ローサスティンで素朴なサウンドを楽しむことができます。一見チープ、だけど味わい深いサウンドはこのCCピックアップならではの魅力です。

ジャズの世界でギター・ソロを

ジャズが誕生したばかりのころ、ギターという楽器は完全に日蔭の存在でしたので、ソロを弾くということはめったにありませんでした。ジャズギター=バッキング…これまで常識だったこんなイメージを覆してくれたのが、他ならぬチャーリー・クリスチャンだったのです。

彼の名を世に知らしめるきっかけとなったベニー・グッドマン楽団への入団時のエピソードがとても興味深いものでした。チャーリーは簡単なオーディションのような形で、楽団のメンバーと演奏する機会を得ました。

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当時、まったくの無名だった彼に与えられた演奏時間はわずか3分の予定でした。しかし、いざ演奏がスタートすると、いきなり強烈なソロを見せつけ、メンバーは演奏を止めることができなくなってしまいました。

リーダーのグッドマンも彼のソロに応えるように熱演をはじめ、最終的にチャーリーは25コーラスもソロをとり、3分の予定の演奏が45分にまでのびてしまいました。

もちろん、即座に彼は正式にグッドマン楽団に迎えられることになりました。従来のジャズギターの常識を覆す彼のエレキギターによるギターソロによって、モダンジャズギターの歴史が動き始めたのです。

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名演を支えたギブソンアンプ・EH-150

ここで、もう一度彼の使用した機材の話をしましょう。ギターは前述の通り、CCピックアップを搭載したギブソンES-150でしたが、アンプはどういったものを使用していたのでしょう?

当時、エレキギターの存在そのものがメジャーなものではありませんでしたので、当然、専用のギターアンプというものがほとんど存在していません。

ほぼ唯一、ギターに対応したアンプがギブソンのEH-150でした。ES-150とセット販売されたもので、チャーリーもこのアンプを使用していました。

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ギターに対応しているとは言っても、現代のギターアンプのようにイコライザーなどは搭載されていないシンプルなものでした。サウンドを追求するというよりも、単に音を大きくするという目的がメインでした。

このようなシンプルすぎるアンプでも、チャーリーのギターソロを際立たせるには十分なものでした。

わずか2年で残した強烈なインパクト

チャーリー・クリスチャンはグッドマンバンドに加入し、表舞台に出てきてからわずか2年でこの世を去ってしまいました。

このわずか2年間で彼はモダンジャズシーンを大きく変えています。彼が追及したのはプレイヤーのためのジャズでした。ハイレベルなジャムセッションを繰り返す、近代のスタイルのジャズこそが彼の求めていたものです。

チャーリーはこの2年間で様々なプレイヤーと壮絶なジャムセッションを繰り返し、単なるパーティのBGMと化していたこのジャンルの音楽を変貌させてしまったのです。これによって、彼はモダンジャズギターの開祖と呼ばれるようになったのです。

もしも、彼がその後も生きていたら…そう考え始めればきりがありません。しかし、チャーリーに影響を受けた後のギタリストたちが彼の音楽を完成に導いてくれたのではないでしょうか。

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