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浅井健一のサウンドの秘密をさぐる~たった1つのエフェクターが!
ブランキー・ジェット・シティのフロントマンである浅井健一はギタリストとしても高い評価を集めています。
彼のギターの最大の魅力はやはりそのサウンドです。テクニックやプレイスタイルに関しては賛否が分かれるところですが、そのサウンドについては誰もが認めるところでしょう。
ここでは、そんな彼のサウンド作りについて考えてみます。
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シンプルでありながら複雑に絡むサウンド
浅井のギターサウンドは一見とてもストレートなものです。しかし、よく聞いてみると、そのサウンドにはとても複雑な要素が絡み合って完成していることに気付くことができるのではないでしょうか。
正直、筆者も初期のアルバムを聴いた段階ではそこに気付くことさえもできていませんでした。真似をしようとしていましたが、なかなかうまく再現することができません。
その理由はどこにあるのだろう、と考え続けました。結局、その答えはライヴで生のサウンドを聴いた時に出てきました。
ただのマーシャルサウンドではない?
さまざまなアンプを使用している彼ですが、常にライヴ時のメインとして使用されているのはマーシャルです。なので、このアンプの歪みを使用してサウンドの核を作っているものだと筆者は考えていました。
しかし、生で聞いた音は明らかにマーシャルの歪みではなかったのです。もっとナチュラルで、まるで小型のコンボアンプをフルアップにした時のようなオーバードライブでした。
この音の正体は一体何なのか、という所から、筆者の浅井健一のギターサウンド研究はスタートしました。
歪みペダルだけで作れる?
最初に筆者が考えたのは、アンプをクリーン状態にし、ペダルで歪ませるという方法です。そこで、ギター雑誌などに掲載されていた彼のエフェクターについて調べてみました。
現在確認されている歪みペダルは以下のものでした。
・プロコ ラット
・ヒューマンギア フィーネ
・ヒューマンギア パッシオネート
幸い、三台とも比較的入手が容易なモデルでしたので、すぐに筆者も購入し、ためしてみました。
アンプに関してはチューブアンプをクリーンで鳴らすことができれば良いものと判断し、フェンダー・ツインリバーヴです。
結果から言えば、どんなにセッティングを詰めてみても、似たサウンドを作ることすらできませんでした。
ギターによる違いなのか?
エフェクターでも再現することができないのであれば、次はギターです。
浅井のメインギターは1965年製のグレッチ・テネシアンです。それに対して、筆者が使用していたのはこのレプリカモデルにあたる近年性のグレッチ・テネシーローズでした。
基本的な構造やパーツ構成は同じですが、ヴィンテージならではの出力の弱さや鳴りによって大きな違いが生まれているのかもしれない、そう考えました。
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しかし、この推測はすぐに打ち砕かれてしまいました。あるライヴで、浅井はレスポールカスタムを使用していました。筆者の推測が正しいのであれば、ギターがテネシアンでなくなればまったく違ったサウンドが出てくるはずです。
しかし、そこから出てきたサウンドは相変わらずの浅井サウンドだったのです。ここでギターが原因なのでは、という説は打ち消されてしまうことになりました。
浅井サウンドの正体はいったいどこに?
どうすれば、あのサウンドを再現することができるのかとさまざまな試行錯誤を重ねてきましたが、近い音を出すどころか、まったくそのシッポすら掴むことができない日々が続きました。
それもそのはずです。筆者はまるで見当違いな所で彼のサウンドを追いかけていました。最終的な答えは、音の広がりにあったのです。
これに気付いたきっかけは一台のエフェクターペダルです。友人のエフェクターボードに古いディレイがあるのを見つけました。どこかで見たことのある紫色の個体…これこそ、浅井のエフェクターボードに常に陣取っているBOSSのアナログディレイでした。
軽い気持ちで少しそのペダルを借り、試してみました。すると、あの浅井サウンドが飛び出してきたのです。
ディレイタイムの短い古いタイプのアナログエフェクターでしたので、単に音を聴いただけでは、使用されていることに気付くことさえできませんでした。筆者がアンプのリバーヴだと思っていた広がりの正体はこのペダルにありました。
音が広がることによって、倍音が複雑に絡み合い、最終的にあのサウンドを生み出していたのです。
思わぬ所にサウンドの秘訣がある
筆者と同じように、再現したサウンドの肝がどこにあるのかわからず、悩んでしまった経験を持っている方も少なくないでしょう。
一つの視点にこだわりすぎてしまうと、答えを見失ってしまうことになるかもしれません。筆者は完全にこの状態に陥っていました。その結果、とても重要なポイントを見失ってしまいました。
筆者の敬愛する浅井健一を例に挙げましたが、どのようなサウンドを追いかけるにしても、広い視野を持つようにしなければ答えにたどり着くことはできません。
こうして視野を広げることができれば、きっとオリジナルサウンドを作り出す際にも大きな力となってくれることでしょう。
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