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GOING UNDER GROUNDは甘酸っぱい青春ソングだけではありません
GOING UNDER GROUNDの名前を聞いて、まずどんなことを思い浮かべるでしょうか?「青春」「甘酸っぱい」「胸キュン」なラブソングを歌う爽やかなロックバンドというイメージではないでしょうか?もちろん間違いではありませんが、それだけではないんです。
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リーダーが抜けるという衝撃が走りました。ファンにとっては寂しい限り
▲脱退しても音楽を続けていくということが嬉しいですね
最近、GOING UNDER GROUNDのニュースが世間にショックを与えました。メンバーのドラマー・河野丈洋が2015年1月31日渋谷公会堂を最後にバンドを脱退することが決定したというのです。
河野は1994年よりメンバーとして加入して、ボーカルの松本素生と共に作詞、作曲を手がけていたほか、ボーカルを務める曲もあり、リーダーでもありました。ファンからも丈(じょう)さんのニックネームで慕われてきた人物です。
それだけに、ここに来てまさかの脱退にファンならば驚きを隠せないはずです。河野はオフィシャルサイトにて、もともと自身がバンド内部で音楽性の差異がかなりあったこと、そしてそれがバンドの個性になっていたことを認めた上で、悩んできたことも告白。
「『違い』は少しずつ『ズレ』になり、とうとう決定的に『良いと思うものが違う』ところまで来てしまいました」という彼のコメントが長きに渡る苦悩を物語っており、順調に見えたバンドも問題が内部にあったことに、ショックを受けたファンもいました。
しかし河野が「お互いにとって前向きな別れ」と表現しているように、GOING UNDER GROUNDは河野のラストステージとなる来年1月31日の渋谷公会堂公演を「河野、バンドやめるってよ」とヒットした邦画タイトルのパロディで明るいものにしました。
埼玉県の中学生が夢を実現させたんです。そのまま生きて行けるって凄い
▲中学生から40歳近くになるまでロックを続けて行ける人はなかなか居ません
もともと埼玉県桶川市周辺の中学校での出会いをきっかけに結成されましたが、オリジナルメンバーの伊藤洋一が2009年に脱退して以降、音楽的な変化も意識してきたようです。
筆者は今年3月にリリースされた10枚目のオリジナルアルバム『ひとりぼっちになる日のために』をリリースする際に、松本素生にインタビューをしました。非常に気さくで話しやすく、しかもわかりやすく話してくれる松本は人間的な魅力に満ちた人物でした。
アルバムの内容は、イメージであるところの「胸キュン青春ラブソング」的な王道のGOING節もありながら、どこか甘酸っぱいだけではない、寂しさがぬぐえないような印象でした。
取材の中での松本の発言からも色濃く感じたどこか寂しげな様子。それは、伊藤洋一が脱退して以降、“5人の幼馴染がやっているバンド”ではなくなったということが最大の要因のようでした。
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幼馴染との関係ってたとえ離れても続く気はします
▲たとえ脱退しても変わらない友情があるはず!
メンバーの脱退を機に“青春の無邪気な感じはなくなった”という松本にとってのバンド活動とは何か?10年選手としてのモチベーションを聞いた所、予想外な言葉が返ってきました。
「自分にとって音楽に向かうモチベーションというのは、いろんなしがらみや人間関係とか社会的なことを全部を忘れられるもの」という言葉は、捉え方によってはネガティブにも映ります。
「ライブや曲をみんなで作っている時は、全部忘れられる。そのすべてから解き放たれたいがために音楽をやっている」と、音楽へ向かう今の気持ちを語っていた松本。
それは長く音楽業界の第一線でバンドマンとして生きてきた彼にとって、現在の音楽業界を取り囲む状況が決して明るいものでないことを感じさせると共に、人生を音楽に捧げた男のカッコ良さも感じました。
現在の彼らはメジャーレコード会社との契約ではなく、アクアミュージックプロダクツという自主レーベルで音楽を制作・リリースしています。
実は取材日当日もベースの石原、ギターの中澤も理由があり取材場所に同行していました。今思えば、集まった3人がこれからのGOING UNDER GROUNDの編成になるわけです。その時はまさかそんなことになるとは思いませんでした。
『ひとりぼっちになる日のために』という新作タイトルには「誰にも委ねず、自分が必要だと思う音楽だけを作る、作っていかなきゃいけない」という決意から生まれたものだそうです。
サイダーのようにさわやかなイメージよりも力強くすべてを包み込むのが彼らの楽曲の魅力です
▲サイダーのように爽やかな魅力があることも間違いありません
GOING UNDER GROUNDに“爽やかさ”を求める人やイメージを持っている方にとっても、もちろん楽しめる作品ですが、松本本人が語っているように「GOING UNDER GROUNDの本当の魅力は、洗練されてもいないし、もっと情けないし、もっとイビツな所にある」というのがわかる作品でもあります。
ダブステップのようなユラユラした音と往年のモータウンサウンドが合わさったような不思議なサウンドを聴かせる「ターコイズ・ブルー」や思いっ切りEDMにアプローチした「僕たちのフィロソフィー」など、“イビツ”な彼らの音を聴けば驚くはずです。
ドラマー・河野は来年の1月まで、現在決まっているライブには参加するとのことです。ファンへの誠実さを最後まで失わない所が、どんなに音楽性の変化があっても結局は変わらないGOING UNDER GROUNDのさわやかさを表しているようです。
文・岡本貴之
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