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スティーヴィー・レイ・ヴォーンに愛されたギターたち
今回のスティーヴィー・レイ・ヴォーンの機材研究は、SRVがプレイしてきたさまざまなギターについてです。
50年代から60年代後半のフェンダー・ストラトキャスター、通称「ナンバーワン」のイメージが強く他のギターを使用するイメージはあまり持たれていません。
しかし、実際には多くのギターをプレイしています。
それでは、彼のプレイしてきたナンバーワン以外のギターについて考えてみましょう。
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SRVがリッケンを弾いていた?
ストラトキャスターなどのフェンダー系ギターのイメージが強いレイですが、実は一時期リッケンバッカーを頻繁に使用していたことがあります。
ダブルトラブルの前身バンドであるスティングレイ時代にリッケンを使用していたという資料が残っています。
実際に演奏している映像や写真などがほとんど残っていませんので機種を特定することは難しいですが、この写真のシェイプから判断しておそらくセミアコースティック構造のモデル360または330だと推測されます。
すでにナンバーワンを入手した後だったにも関わらずどうしてこのギターを手にしたのでしょうか?
あくまでこれは筆者の推測になってしまいますが、おそらくリッケンの特徴であるステレオ出力の実験をしていたのではないか、と考えています。この時期からダブルトラブルの初期にかけて彼はさまざまな実験的な音作りに挑戦しています。
現在でも伝説になっているダブルワウペダルやダブルブースターなど、当時の常識を覆すような形で音作りをしています。
その実験の一つとして、ギターからダイレクトに二台のアンプへ出力することのできるこのギターを使用していたのかもしれません。
この時期に愛用していたフェンダー・ヴァイブロヴァーブ、ただでさえ音圧が大きいことで知られているこのアンプ二台が同時に鳴っていたのかもしれない…そう考えるととても興味深く、当時のライヴ映像などの入手がほぼ不可能であることが悔やまれます。
また、この時期にレイはリッケンバッカー社のポスターやカタログにも登場していました。単なるスポンサード契約の関係から使用していたという可能性も指摘されています。
しかし、サウンドに強いこだわりを持っていた彼がそんな理由で、好みでないギターをプレイしていたとは思えません。きっとサウンド面でリッケンに何かを求めていた…筆者はそう考えています。
愛妻の名を冠したサブギター
妻のレニーからプレゼントされたことから、レニーと呼ばれていたサブギター。これもレイのサウンドを語る上で外すことのできないギターです。
ナンバーワンとは違い、メイプル指板が採用されていますので、サウンドの質も少し違ったものになっています。このギターは「レニー」や「リトルウイング」などのインスト曲によく使用されていました。
一応はナンバーワンに対するサブギターという位置付けですが、微妙なサウンドの違いから楽曲によって出番が回ってくることも多かったようです。
このギターもファンの間でとても人気が高く、数年前にフェンダーから限定でレプリカモデルが発売されたほどです。もちろん、今でもオリジナルは兄のジミーによって大事に保管されているとのことです。
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カルロス・サンタナも弾いていた?バタースコッチ
ナンバーワンに対して、ナンバーツーと呼ばれていたギターがバタースコッチです。
決して使用頻度の低いギターではありませんが、レニーと比較するとよりサブギターとしての色合いが濃くなることから、他のミュージシャンとのセッションなどの場面で使用されることが多かったようです。
スペック的にもナンバーワンにかなり近いものでしたので、サウンドの傾向はかなり近いものです。サブギターとしてはとても優秀でしたが、サウンドの違いが少なかったことから、このギターでなければ、という場面はそれほどなかったようです。
このギターに関するエピソードとしては、88年にライヴの際にカルロス・サンタナがこのギターをプレイし、レイと共演していたというものがあります。
ヤマハSGやPRSといったハムバッカーピックアップ搭載モデルのイメージの強いサンタナが、ストラトを弾いているというだけでも貴重なライヴとなりました。
スティーヴィー・レイ・ヴォーン自身がバタースコッチでプレイしたライヴで筆者がもっとも強い印象を受けたのは、前述のサンタナの共演と同年に行われたジェフ・ベックとのツアー時のものです。
ライヴの終盤にベックと一緒にステージに立つ際には、このバタースコッチが使われていました。とてもリラックスした表情でサブギターを楽しそうに弾く姿を見ることができます。
このライヴに関してはネット上などでもすぐに見つけることができますので、探してみましょう。
ギブソン愛用のブルースマンとレイ
BBキングやアルバートキング、フレディキングに代表されるように、SRVが敬愛するブルースマンの多くはギブソンを愛用しています。初期のレイはそんな彼らの影響からか、ギブソン系ギターを使用することもありました。
画像のフルアコースティックタイプを始め、フライングVを使用していたという記録も残っています。シングルコイル系ギターのイメージが強い彼だけに、どんなサウンドを出していたのか興味深いです。
特殊なストラト達で変化をつけたことも
通常のシングルコイルが搭載されたストラトキャスターをメインとして使用していたレイですが、時にはちょっと違ったスタイルのものを手にすることがありました。
リップスティックタイプのピックアップが搭載されたホワイトのストラトなどがその代表でしょう。このギターは意外に登場頻度が高く、晩年はメインギターにかなり近いポジションとなっていました。
ブルースという古典的な音楽を愛し、過去の名曲をカバーすることも多かったレイですが、ギターをはじめとする機材に関しては常に新しいものを探し求めていました。
サウンドへのこだわり、そして探求心が彼に多くのギターを弾かせたのかもしれません。
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