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リッチー・ブラックモアという孤高のギタリストが残したきまぐれな輝き
音楽にほとんど興味のない人であってもどこかで耳にしたことがある…。ディープパープルの「ブラックナイト」や「スピードキング」、「スモークオンザウォーター」などはまさにそれにあたるでしょう。
曲名は知らないかもしれません。しかし、誰かがギターを手にしてそのフレーズを奏でれば「聞いたことある!」と頷いてもらえるはずです。
ディープパープルのリッチー・ブラックモア、その名前は知らずとも、特に私たち日本人にとっては特別なギタリストです。
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フレーズの知名度で言えば日本でもっとも有名なギタリスト
リッチー・ブラックモアの最大の魅力はそのリフメイキングのセンスにあります。キャッチーでありながらへヴィ。そしてシンプルでありながら個性的。言葉にすれば簡単に聞こえてしまうかもしれませんが、こんなリフを量産できるギタリストは他にいません。
現在でもテレビやラジオ番組のジングルやCMなどでも多く使用されており、頻繁に耳にする機会があります。
もしかすると、日本でもっとも有名なリフを多く生み出しているのがリッチー・ブラックモアなのかもしれません。
ロックをハードロックに進化させたスピーディでメロディアスなギター
ハードロックという言葉が日本で使われるようになったのはディープパープルが登場した頃と言われています。「ハードロックの教科書」との異名をもつバンドですので、まさにこのジャンルの代名詞的存在であると言えるでしょう。
事実、現在30歳の筆者が高校生のころに使用していた音楽の教科書には、ポピュラーミュージックの「ハードロック」という項目でディープパープルが写真付きで紹介されていました。
新しいジャンルを世に提示したこのバンドの持つ最大の武器といえばやはりリッチー・ブラックモアのスピーディかつメロディアスなギターソロでしょう。前述の印象的なリフ、そしてこのソロによってパープルの楽曲は成り立っていると言っても過言ではありません。
ディープパープルがというよりも、リッチー・ブラックモアのギターがロックをハードロックに進化させた、と言えるのではないでしょうか。
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フロントマンの交代もものともしないバンドの強さ
実はディープパープルは何度もメンバーチェンジが行われています。ロックの世界ではそれほど珍しいことではありませんが、このバンドではフロントマンであるヴォーカリストまで交代してしまいました。
バンドの大きな成功のきっかけとなった名アルバム「マシンヘッド」でヴォーカルを務めているのはイアン・ギランです。しかし、その後彼はバンドを脱退してしまいました。並のバンドであればこの時点でバンドは終わってしまいます。
しかし、リッチー・ブラックモアを中心とする強固な楽器隊はこの危機をいとも簡単に切り抜けてしまいました。その後新たに迎え入れたシンガー、デイビッド・カヴァーデールと共にバンドは新たなスタートを切ります。
実際にシンガー交代後の作品でも大成功をおさめています。フロントマンの交代という大きな事件もファンには大きな影響を与えなかったのです。パープルファンにとってもっとも重要なのはリッチーのギターだったのかもしれません。
リッチー・ブラックモア脱退後のディープパープルは?
しかし、バンド内が常に円満であったわけではありません。気性が荒いことでも知られるリッチー・ブラックモアはバンド内で幾度ものトラブルを起こしてしまいます。やがて、キーボーディストのジョン・ロードとの確執は修正不能なレベルにまで到達し、ついにバンドを脱退してしまうことになります。
するとどうでしょう。シンガーの交代をものともしなかった人気バンドは一気に低迷期に突入してしまいました。
前述のとおり、ディープパープルのファンの多くが求めていたのは、紛れもなくリッチー・ブラックモアのギターだったのです。
バンドへの復帰、そして再び脱退
▲リッチー・ブラックモア&ジョン・ロード…ロックシーン。演奏では素晴らしいコンビネーションを見せてくれていますが、その仲は超険悪でした。
その後、リッチーはディープパープルへの復帰を果たし、再び大規模なワールドツアーを行うなど、全盛期ほどではないにしろ、勢いを取り戻します。この時点で、ディープパープル=リッチー・ブラックモアであることがはっきりとしてしまいます。
しかし、やはりジョン・ロードとの確執が原因ですぐに再び脱退してしまいます。そうなれば、やはりバンドは勢いを失う…。
メンバーたちはリッチー・ブラックモアに振り回されっぱなしの音楽人生を送ることになってしまいました。しかし、これほどまでにバンドが大きくなったのもリッチーのおかげだと考えれば仕方のないことなのかもしれませんね。
他のメンバーの名誉のために言っておきますが、彼らがダメなわけではありません。ジョン・ロードのキーボードはロックにおける鍵盤楽器のあり方を大きく変えてしまうほどに強烈なものでした。
また、ベーシストのロジャー・グローヴァーとドラマーのイアンペイス、この二人の強固なグルーヴがあったからこそ、リッチー・ブラックモアのギターがより輝くことができたのは紛れもない事実です。
ただ、あまりにもリッチー・ブラックモアというギタリストが輝きすぎていたのです。
Byチリペッパー眞木
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