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ベースのメンテナンスで確実に押さえておきたいポイントはここだ!
「楽器は生きもの」とよく表現されていますが、これはなにも高額なバイオリンのような楽器だけに当てはまる言葉ではありません。
たとえ価格の安いベースでも、普段のしっかりしたメンテナンス次第でプレーヤーの愛着にちゃんと応えてくれるのです。
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ピッチ調整は欠かさないように
アマチュアバンドによく見られる初歩的なミスにチューニングの狂いがあります。
今はほとんどのベーシストがチューニングメーターを使ってチューニングしているので、「ちゃんとチューニングしてるよ!」といわれるかも知れませんが、実際にはローポジションで少し音程が高くなっていたり、ハイポジションでフラットしていたりするのです。
これでは、どんなに完璧な演奏をしていても聴いている側に不快感を与えてしまいます。「あのバンドは演奏は上手いんだけど、何だか今イチだなぁ、、」といったケースでは、バンド全体のチューニングの甘さが原因だったりするのです。
実際にバンドのギタリストとベーシストがAの実音ではチューニングが合っているのに、いざ演奏が始まると何となく音程が合っていないような場合では、オクターブのピッチが合っていないのが原因なのです。
こういったオクターブのズレを修正するためには、ブリッジサドルを動かしてオクターブのピッチを調整する必要があります。
このオクターブチューニングの方法を簡単に説明します。最初にチューナーを使って通常のチューニングした後に、12フレットの実音の音程と12フレットのハーモ二クスの音程をチューナーで確認します。
この時に実音の方が高ければブリッジサドルを後方(エンド側)へ下げて、低ければブリッジサドルを前方(ネック側)へ出していきます。ブリッジをエンド側の横からみると弦を通す穴の横にネジがありますので、このネジをプラスドライバーで回していくのです。
この時にサドルを動かすごとに実音とハーモニック各々の音程も変わるので、サドルを動かすたびに改めてチューニング、そして12フレットの実音とハーモ二クスの音程をチューナーで確認しながら調整していきます。
弦は使用頻度に応じて劣化していき、この劣化とともにチューニングも変化していきますが、オクターブチューニングも同様に変化していきます。ですので、弦を交換した時はもちろん、時々このオクターブチューニングを行う必要があるのですが、サドルを動かすと当然のことながら弦高が変わってしまいます。
オクターブチューニングは、この弦高の調整も同時進行で慎重に行なう必要があるのです。
ネットの反りはベースの大敵
ベースに限らず、弦楽器の大敵がネックの反りといわれています。このネックの反りには、大きく分けると2種類あって、まずネックが指板の方に反る状態の順反り、そして指板とは逆方向へ反る逆反りがあります。
エレキベースという楽器は、基本的にやや順反りが弾きやすい状態だといわれています。
極端な逆反りの状態になると、フレットに弦が当たってしまいハイポジションで何を弾いても同じ音が鳴ってしまうという現象が起こったりします。プロのリペアマンだったら目視だけでネックの反りを確認できますが、一般的(ベーシストも含めて)には弦を使って反りを確認する方法が良いと思います。
この方法は、1フレットと12フレットを押さえて、この押さえた状態の弦とフレットの接点を確認する方法になります。この状態で弦がフレットに当たると逆反り、逆に隙間があると順反りと判断します。基準としては、1~2ミリぐらいフレットとの隙間がある順反りが最適といわれています。
この反りを調整するためには、ネックの中に入っているトラスロッドと呼ばれる金属製の芯で緩みを調整していきます。
フェンダーのジャズベースやプレシジョンベースを例にすると、このトラスウッドはネックのボディー側についているのです。まず、専用のレンチをさしたら回す前に元の位置をしっかり覚えて下さい。
回す方向はレンチ側から見て、順反りを直す時は時計回り、逆反りを直す時は反時計回りになりますがミリ単位で慎重に調整したい方向へ回して下さい。
弦高を変えると、オクターブピッチと同様にネックの反りが変わってきますし、逆にネックの反りを調整すると弦高も当然、変わってきます。最適の状態にするには、弦高とネックの調整を何度も繰り返すことになりますが、良いプレーをするためには不可欠なメンテナンスといえるのです。
慣れてくれば自分でもネック調整はできますが、重度のネックの反りだとプロにメンテナンスを依頼するのが無難かも知れません。
ベース内部のクリーニングも忘れずに!
ベーシストやギタリストで、楽器本体のフレットやボディーはよく拭いてキレイにされている方は多いのですが、内部(ピックアップ内部やポット、ジャック)のケアは無頓着の方が多いような気がします。
エレキベースは当然のことながら電気系統を使って音を出すのですから、ここをメンテナンスしていないとトラブルを発生させてしまうばかりか、音の劣化にまで繋がってしまうのです。
演奏中の汗や手垢、ホコリなどは、弦やネック、ボディだけでなくベース内部まで少しずつ入り込んできます。また、湿度の高い梅雨時や湿度の高い部屋にベースを置いておくと内部に水分が滞留してくるのです。
この状態を放置していると、内部のいたる所にサビを発生させて音がくもってきたりノイズやガリが出るようになり、最悪のケースでは「音がまったく出なくなる」などの症状にまで至ってしまいます。
これではミュージシャン失格といわれても仕方ないかも知れません。そこで、ここでは自分で簡単にできるベース内部のクリーニングを紹介します。
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まず、潤滑効果や防錆効果のあるCRC5-56とホコリをとるためのエアースプレー、接点復活剤、洗浄剤としてアルコールと綿棒を用意して下さい。
次にジャック周りやポットのカバーを開けてエアースプレーでホコリを取って下さい。この作業の段階で内部に思った以上のホコリが溜まっていたのが分かるはずです。
次に、アルコールなどの洗浄剤を綿棒につけてジャックやポットを丁寧に洗浄し、ハンダの接合部分は特に接点復活剤でキレイにして下さい。もし、サビなどが発生していれば、CRC5-56などで防錆処置をしておきます。
特に、ピックアップと配線との接合部分を洗浄剤と接点復活剤で処置することでベースの音自体が格段に良くなるのです。
ケアをしていないと将来的に高価な部品交換になるのと比べるまでもなく、内部のクリーニングは音の向上に直結する大きなメリットがあります。
楽器を大切にする事は優れたプレーを生み出すのです。
フレットのお手入れ、どうしていますか?
ベースは弦とフレットが接触して音程を作っていきますが、このフレットの状態も音の善し悪しに大きく影響しています。
長い間使い続けて磨り減ったフレットだと、正確なピッチを得られないばかりか音質自体も著しく悪化してしまっているので、残念ながらフレット交換になってしまいます。
ただ、ここまでフレットが磨り減っていなくても新品で購入した時と比べると、何となく音が悪くなったと感じている方はいませんか?これは前述したベース内部の汚れが原因のケースの他にフレットの状態が劣化しているケースが考えられます。
磨り減ってはいないけど、フレットに汚れが付いたままだったりサビが出ていると新しい弦でも本来の良い音がしません。
筆者がよくやっているのは、まず指板に丁寧にマスキングテーブを貼ってから金属磨きの「ピカール(ホームセンターで600円位)」を布に少しつけて磨く方法です。磨いてフレットに残ったピカールは他の乾いた布でキレイに拭き取って下さい。そしてマスキングテーブをはがした後はレモンオイルをつけた新しいクロスで指板とフレット全体をよく磨きます。
ピカピカになったフレットは、見た目がいいだけでなく立ち上がりのいい太い音にしてくれるのです。
メンテナンスの後は弦の交換
新しい弦の音は本当に気持ちのいいもので、特にチョッパーの曲ではついつい張り切って弾いてしまいますね。この弦の交換ですが、いい加減に交換するのとキッチリとした手順で交換するのとでは音自体や音程に影響するので注意が必要です。
ここではフェンダー系のベースを例にして弦の交換について説明していきます。まず、古い弦をすべて外したらネックやペグ、フレット、ブリッジを一通りキレイに拭いておきましょう。
次に、新しい弦は大体が丸まった状態でパッケージされているので、パックから出したら弦がストレートになるように縦にしごいておくと張った後のチューニングが安定するメリットがあります。
ベースの弦は基本的に4弦から交換していきますが、そのまま張ると長過ぎる場合が多いので、ペグの3回りくらいの長さになるようにペンチで切断します。
ブリッジから弦を通してペグに巻く過程で、弦がよれないようにストレートな状態を意識して巻くようにしないとピッチが不安定になったり本来の音の伸びがなくなったりするので要注意です。
よくペグのストリングポストの穴に弦を直接差し込んで巻き始める方がいますが、上から弦を差し込んだ状態で曲がる位置を確認してベンチで直角に曲げた方が遊びが出なくていいと思います。
同じ意味で、筆者は4弦のような太い弦を巻く時は下方向に少し押さえながら巻いています。
ストリングポストに巻きつけられる弦の回数が変わると、ナットから糸巻きへ繋がる弦の進入角度が変わるので、当然テンションも変わってきます。3・4弦では巻く数が増えるとテンションが上がり、逆に減るとテンションが下がるといった具合です。
弦の交換も方法次第で音が変わってくるのです。
冒頭にも記しましたが、しっかりしたメンテナンスで自分の楽器を大切にケアすることは優れた演奏に繋がります。「思わずベースを弾きたくなる。」そんな良い状態に自分のベースをケアしていただきたいと思います。
By JJ
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