デヴィエヴァー(Devi Ever)の個性的できまぐれなサウンドの秘密

「Devi Ever（デヴィエヴァー）」というエフェクターブランドをご存じでしょうか？

残念ながら、それほど知名度の高いブランドではありませんが、素晴らしいエフェクターを多く生み出しています。そのサウンド、デザインともにとにかく個性的。

個性が強すぎると、どうしても万能性はなくなってしまいます。しかし、同ブランドのエフェクターでなければ出すことのできないサウンドが間違いなく存在しています。そんなデヴィエヴァーの気まぐれなサウンドの秘密を探ってみましょう。

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デヴィエヴァーの優等生？ファズ

▲ソーダマイスター（Soda Meiser）

マフ系のハイゲイン・ファズと言われています。

デヴィエヴァーは2003年頃からエフェクター販売を始めました。最初のブランド名はEffector 13（エフェクター 13）でした。ソーダ・マイスターはEffector 13時代の後期に発売されました。

エキセントリックでクレイジーな音は、デヴィエヴァーの代表格ともいえるエフェクターです。

デヴィエヴァー先生がお気に入りの生徒的なファズ

▲アナマ（AENIMA）

トゥールの96年、2ndアルバム「アナマ」から名前を取っているのでしょうか。「アエニマ」と表記されているときもありますが、アルバムが元ネタなら「アナマ」でいいでしょう。

これもまたマフ系に属すると思うのですが、地面を這うハチュウ類のような轟音がします。さらに改造バージョンでフリップスイッチ付きもあります。ここまでくると地面を這う悪魔でしょうか。

デヴィエヴァーは、2007年頃にEffector 13の名称とエフェクターの一部の権利をOoh La La（ウーララ）に受け渡しました。

え？これがディストーションですか？

▲ユーエス（US）

初めて買ったデヴィエヴァーのエフェクターです。たしか、売り文句としてはディストーションと書いてあったように記憶しているのですが、スタジオで鳴らしたら完全に他社のファズを超えていました。このデザインも好きですね。

デヴィエヴァーは、よくデザインを変えます。というか、彼女のエフェクターに絶対のデザインという概念がありません。同じ名称なのに違うデザインが、しかも、無数に存在します。デザインで開発時期を断定することすら不可能です。

ミュージシャンに人気のアイドル・ファズ

▲ロケット（Rocket）

Effector 13期の集大成をエグくしてしまった極悪なマシンです。ソーダ・マイスターとビンテージ・ファズ・マスター（Vintage Fuzz Master）の２つが１つに箱に入っています。

フットスイッチは２つ。さらにトレム（trem）とカオス（CHAOS）という２つのスイッチです。すべてをオンにすると完全に地球の裏側までのめりこんでいけます。

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え？え？光センサー付きですか？

▲スペクタキュラー・アナマ（SPECTACULAR AENIMA）

フィードバックループのフットスイッチ付き（右側）です。ノブが５つになっています。さらに光センサー付きです。ここまでくると、もう、完全にノイズ製作マシンです。

2009年、デヴィエヴァーはエフェクターの権利を全部、買い戻しました。この時点で同じ名前なのにメーカー違いというエフェクターが発生することになりました。

昔からの大人気な優等生ファズです

▲トゥルーリー・ビューティフル・ディザスター（TRULY BEAUTIFUL DISASTER）

通称TBDです。Effector 13期の名作です。このモンスターマシンでデヴィエヴァーは有名になったといっていいでしょう。これは復活版です。

５つのノブに、３つのスイッチ、それに光センサー。今でも人気が高いです。

すでに地球上において最悪（ホメ言葉）の音です。ちなみに似たようなものでトゥルーリービューティフルハイペリオン２（Truly Beautiful Hyperion 2）という鬼のようなモデルもあります。

え？え？え？ジョイスティックまで付けるんですか？

▲ビット・マングラー（BIT MANGLER）

もう、言葉を失います。ジョイスティックまで付いています。ビット（BIT）とビンテージ・ファズ・マスターが１つになっています。それぞれのスイッチにはカオス（chaos）、ノイズ（noise）と書かれています。

その後、一部のジョイスティック付きのエフェクターはドワーフクラフトディバイセス（Dwarfcraft Devices）社に売られました。またもや、同じ名前で違うブランド名のエフェクター誕生です。

名は体（性格）を表します、とは正にこのことですね

▲シューゲイザー（SHOEGAZER）

ソーダマイスターとトーンズピーカー（Torn’s Peaker）の２つが繋がったペダルです。もう、説明は何も要りません。そのままです。音の壁が、逆に音の壁しか、作れません。

デヴィエヴァーはシューゲイザー系のミュージシャン…有名どころではマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン…などに愛用されています。

あとはたとえば、ザ・ブラック・キーズ、ナイン・インチ・ネイルズなど。日本でもコールター・オブ・ザ・ディーパーズのナラサキ氏がシューゲイザーを購入して「なんだ、これは！使いこなせねぇ！！」みたいな呟きをしていました。

呟きでいうと、2013年12月10日、このようなものがデヴィエヴァーのTwitterから…。

「So yeah, @dwarfcraft is the new owner of @devieverfx. Should be a fun ride! :D」

どうやら、また、ドワーフクラフトディバイセス（Dwarfcraft Devices）に売られたようです。やれやれです。気まぐれデヴィエヴァー嬢は直りそうにありません。その気配もないようです。本当に、やれやれです。

by　yosh.ash

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