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ヴィンテージ物のエフェクターは本当に値段に見合った価値があるか?

BOSSの「OD-1」、Procoの「RAT」、IBANEZの「TS-9」など、いわゆる「ヴィンテージ物」のエフェクターは非常に高額で取引されています。

そんなヴィンテージエフェクターの代表的なモデルを3機種取り上げ、それぞれの特徴を紹介します。

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そもそも、なぜヴィンテージエフェクターは高価なのか?

価値のあるエフェクター▲今となっては貴重な部品がたくさん使われているのも特徴の1つ。

代表機種を紹介する前に、「ヴィンテージエフェクターが高値で取引される理由について触れていきます。

そもそもヴィンテージ(Vintage)とは「価値のある、味のある、古い」などといった意味合いで使われる言葉です。

これらに近い意味の言葉で「レトロ」というものがありますが、こちらは「懐かしい、時代を感じる」という場合に使われることが多いです。

ヴィンテージとレトロの大きな違いは、そこに「大きな価値」があるかどうかだと筆者は考えています。

今回紹介するヴィンテージエフェクターは、いわば「価値のあるエフェクター」ということにもなります。

そんなヴィンテージエフェクターは、実際の取引相場を見てみると、最低でも「現行モデルを新品で2台以上買える」ほどの金額になっており、物によってはそれ以上の価格で取引されることも少なくありません。

これらのモデルはなぜ高値で取引されるのか?その理由として、「現行モデルよりも良い部品を使い、作りも丁寧」という特徴があるからです。

すべてのモデルに該当するわけではありませんが、古き良き時代のエフェクターは総じて「クオリティが高い」のです。

中には1つ数千円のヴィンテージ部品をふんだんに使っているペダルもあります。エフェクターは電子部品の塊ですから、部品単価で考えると、現行モデルの何倍もする値段で取引されるのもうなずけます。

言わずと知れたオーバードライブの名機。BOSSのOD-1の特徴

▲現行品であるOD-3の元になったオーバードライブペダル。OD-1(画像1)

画像1はギタリスト御用達、BOSSのOD-1です。画像の製品は状態も良好で、オーバードライブマニアの間で高値で取引されています。

一見すると現行モデルであるOD-3と何ら変わりないようですが、上部のツマミがLEVELとOVERDRIVEしかないことに気が付きます。

サウンドの特徴としては、一言で言えば「甘いオーバードライブトーン」です。単体ではあまり歪みませんが、ジャズやフュージョン、ファンクなどのジャンルと非常に相性が良いペダルです。

「他のペダルで代用できないか?」と聞かれたら、「似せることは可能」と答えます。

「OD-1風」のサウンドを作ることは簡単ですが、独特の甘いトーンを再現するのは難しいかもしれません。OD-1の音が欲しかったら、多少お金を出しても買った方が良いです。

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ブースターの定番、IBANEZのTS-9を紹介。現行品との違いとは?

ブースターとして使用されるIBANEZのTS-9▲プロからアマチュアまで、さまざまなギタリストに愛用されているIBANEZのTS-9。(画像2)

画像2はブースターとして用いられることが多い、「TS-9」のヴィンテージ物です。正式名称は「Tube Screamer」、直訳すると「真空管を叫ばせる」という意味です。

このペダルは文字通り「真空管アンプのブースター」として最高の仕事をしてくれます。そんなTS-9の初期モデルと現行モデルを比較してみると、ほとんど違いがないことがわかります。

そもそも回路自体がまったく同じなので、いくら部品が違えど、そこまで大きな差にはならないのです。

つまり、「現行品でも十分」ということになります。どうしてもヴィンテージ品にこだわりたい方以外は、現行モデルを使用することをオススメします。

本当のRATサウンドはここにある。ProcoのRAT1を紹介

1986年製のディストーション▲定番のディストーション、ProcoのRATシリーズ。画像は初期モデルのRAT1。(画像3)

最後に登場するのは好き嫌いが分かれるサウンドで有名な「RAT」です。歪みが細かく、どこかファズのような潰れたサウンドが持ち味の本機ですが、最初に製造されたのは1980年後半です。

画像3の若干錆びついたRATは1986年の物です。相当期間が経っているにも関わらず、問題なく使用できることに驚きます。RATのケースがいかに堅牢なのかがわかりますね。

さて、この初期モデルと現行モデルを比較すると、「月とスッポン」くらいの大きな差があります。

現行モデルは中国で作られている「大量生産品」ですが、初期モデルはメイドインUSAの「非常に手間とコスト」がかかっている製品です。

それぞれ基板も別物で、使用されている部品も初期モデルの方が高品質となっています。

サウンド面に関しては、初期モデルは非常に倍音豊かで荒々しいのに、驚く程音抜けが良いのが特徴です。多くのRATマニアがこぞってヴィンテージ物を求めるのもわかります。

RATサウンドが大好きで仕方ない、と言う方は初期モデルであるRAT1を購入すべきです。同じ製品なのにここまで違うのか、と感銘を受けること間違いありません。

いかがだったでしょうか?数十年前に製造中止となっているヴィンテージ物は、この先も減り続ける一方です。

残存数が減ってくれば、それだけ値段も高騰していくので、気がつけば考えられないようなプレミア価格になっているかもしれません。

価格の高騰は絶対に避けられないので、欲しい方はいまのうちに買っておくことをオススメします。ヴィンテージ物ならではの、甘いサウンドに酔いしれてみませんか?

By黄昏症候群

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