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ポール・リード・スミスが多くのギタリストに受け入れられた理由

ギブソンやフェンダー、リッケンバッカーにグレッチといった名門ギターブランドが50年代から60年代にかけて、エレキギターのスタンダードを作り上げました。
しかし、70年代以降、それらに並ぶようなギターが登場することはありませんでした。
一時的に流行したものはあっても、決してスタンダードとしてレスポールやストラトキャスターと肩を並べることはなかったのです。

しかし、80年代後半に登場したポール・リード・スミスがついにその壁を破りました。

ここでは同ブランドのギターがどうして多くのギタリストに受け入れられたのかについて考えてみましょう。

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小さな工房からスタートしたメーカー

エレキギターを作るためにだけに設立メーカーという点がこのメーカーの最大の特徴でしょう。
ギブソンやフェンダー、グレッチなど現在はエレキギターが主力となっているメーカーも、最初からこれを作るために立ち上げられたわけではありません。
これは、この楽器が普及し、市民権を完全に得た70年代以降の会社ならではの特徴でしょう。

PRSは小さな工房としてスタートしました。完全な個人製作によって作られる高精度で美しいギターは瞬く間に話題になり、多くのギタリストのオーダーを受けるようになりました。

このような形でスタートしたメーカーは実はそれほど少なくありません。しかし、どうしてポール・リード・スミスだけがここまで大きく成長することができたのでしょう?

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決して妥協せず、ハイクオリティなギターを

工房レベルであれば、一切の妥協をせずにハイクオリティなギターを作ることは難しいことではありません。
実際に良いギターを作ることのできる小さな工房は世界中に多く存在しています。

しかし、ある程度有名になり、量産するようになった途端にクオリティが落ちてしまうのです。
良質な材を選別し、丁寧に加工をし、チェックする…一見シンプルなことのように思えますが、大量生産のギターでこれを実現するのは簡単なことではありません。
木材には限りがありますので、良質なものだけを大量に仕入れ、選別するには多くの時間や手間がかかってしまいます。
また、丁寧な加工をほどこすには腕の良いクラフトマンであっても多くの時間を要してしまいます。
これらが量産には絶対に必要な効率性を阻害してしまうのです。

結果として、量産するためにはクオリティを落とさなければならなくなってしまうのです。

しかし、ポール・リード・スミスはここでも決して妥協をしませんでした。多くのクラフトマンを育成することによって、この問題をクリアしようとしたのです。
結果として、これが大成功のきっかけになりました。

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良い楽器は美しくなければならない

ポール・リード・スミスの魅力の一つにルックスの美しさを挙げる人も多いでしょう。筆者も楽器店などでこのメーカーのギターが展示されていると思わず足を止めて見入ってしまいます。

美しい装飾をほどこしたギターは多く存在しているのに、どうしてポール・リード・スミスに多くの人が惹かれてしまうのでしょう?

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その最大の理由は木そのものの美しさを活かしたデザインにあると筆者は考えています。
なめらかなボディシェイプや、杢目をより際立たせるシースルーのカラーリング…ただでさえ美しいハイグレードなキルテッドメイプルやスワンプアッシュがさらに輝いて見えます。

良い楽器はとても美しいものです。それをPRSは多くのギタリストの思い出させてくれたのです。

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名ギタリストたちを認めさせたサウンド

ルックスはもちろんのこと、肝心のサウンドに関しても一切の妥協はありません。結果として、多くの名ギタリストたちを魅了しました。

ポール・リード・スミスと聞いてまっさきに思い浮かぶギタリストと言えば、やはりカルロス・サンタナでしょう。キャリアの初期においては、フェンダー・ストラトキャスターやヤマハ・SGなどを使用していましたが、近年では常にPRSを使用しています。

その他にもデイヴ・ナヴァロやジョニー・ハイランド、ブラッド・デルソンなど多くの大物アーティストのメインギターとして使用されています。

豊富なバリエーションも魅力の一つ

サウンド、ルックスにこだわりながらも豊富なバリエーションを持っているという点もポール・リード・スミスの魅力の一つでしょう。
定番の左右非対称なダブルカッタウェイモデルをはじめとして、サンタナモデルのような左右対象シェイプを持つもの、さらにレスポールのようなシングルカッタウェイモデルも高い人気を集めています。

2000年代には高いコストパフォーマンスを誇るスチューデントモデル・SEシリーズも仲間入りを果たし、より幅広い層のギタリストに使用されるギターになっています。

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そして、これからも豊富なアイデアによって新しいギターを生み出し続けて行くことでしょう。

70年代以降に誕生したギターメーカーの中でもっとも成功したと言われるPRS。その成功にはこんな理由がありました。
一時の流行に流されることもなく、普遍的でハイクオリティなギターを生み出し続けてきたポール・リード・スミスはこれから10年先、20年先にもエレキギターの一つのスタンダードとして愛され続けるのではないでしょうか。

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