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ロックギタリストならバイオリンも弾ける?~ライブで注目間違いなし
楽器本体の価格も馬鹿にならないし、何よりとても敷居の高いイメージのあるバイオリン。今回は、「ロックギタリストがバイオリンを弾くためにはどうしたらいいか」について解説してみようと思います。
この記事を読み終わる頃には、とりあえず「何とかバイオリンを弾ける気がする。むしろ弾いてみたい!」と思われるはずです!
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音が出なきゃ始まらない。「チューニング」と「音の出し方」
まずは音の出し方、チューニングからいきましょう。
覚え方は簡単、低い方から「GDAE」、「ベースの逆」です。チューニングに関しては弾き方に直結する大きな問題にもなってきますが、それはまた後ほど。
▲基本となるチューニングです。
続きまして音の出し方です。ここについては少し練習が必要かもしれません。ご存知の通り、バイオリンは弓で弦をこすって音を出す楽器です。(擦弦楽器と呼ばれます)こすり方にコツがありますので、この部分はしっかり覚えてください。
ポイントは一つ。「弓と弦が垂直に交わるように弓を動かす」と言うことです。実際に演奏してみればすぐに分かりますが、垂直にしないとほとんど音は出ません。まあ、ジミーペイジ好きの方には周知の事実でしょうか(笑)
▲弓と弦を垂直にするための練習器具
フレットレス楽器の真骨頂。「フィンガリング」
チューニングと右手の基礎ができたら、次は左手です。この左手に、バイオリンの超絶技巧が可能になる秘密があります。
フレットのないバイオリンですが、それには理由があります。フレットを打ってしまうと狭すぎるのです。この部分を知らないと、ギターからバイオリンへの持ち替えは非常に困難なものになってしまうので気をつけてください。
ギターのE弦とバイオリンのE弦で比べてみましょう。ギター人差し指→F(1フレット)のとき。一般的に中指→F♯、薬指→G、小指→G♯、伸ばした小指→A、くらいですね。
一方のバイオリンです。驚愕のフィンガリングはこちら。
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人差し指→F~F♯、中指→G~G♯、薬指→A~B♭、小指→B~C。小指を思いっきり伸ばしたら、女性でもhigh-Eあたりまで届きます。ギターで言うと、1フレットに人差し指を置いたまま、小指は12フレットに届いてしまうのです。
これがバイオリンの超絶技巧の秘密ですね。
ギターから持ち替えたときには、とにかく(仮想の)フレットの狭さが気になり、窮屈な感じがすると思います。各キーでの音階練習を繰り返すことで、フィンガリングの感覚をつかんでください。
ちなみに、「violin fingering chart」で検索していただければ、すべての弦の指と音程がすぐに出てきますよ。
▲正しいフィンガリングのフォーム
実際にバンドでバイオリンを弾く!
「え?もう?」と思ったあなた。大丈夫、もうできます。
ここで、バイオリンのチューニングを思い出してください。低い方から順にGDAE。この順番はギターやベースと比べると決定的に違う部分がありますがお気づきでしょうか?
ギターやベースが完全4度差でチューニングするのに対して、バイオリンは完全5度でチューニングをするのです。
「だから?」と思ったあなた。ロックギターを始めたばかりの頃を思い出してください。
ロックギターを始めたばかりの頃、パワーコードの便利さに感動したあの日を、そしてドロップDチューニングに感動したあの日のことを…
完全5度にチューニングされたバイオリンは隣り合う弦がすべて、ドロップDのギター、5~6弦の関係と同じになります。つまり、すべての弦に対して、パワーコードが指一本で押さえられるのです!
この事実を知っているだけで、バンドでバイオリンを弾くことは、一気に簡単になります。
▲バンドで格好よくバイオリンを弾く!
バイオリンを弾くことでギターがうまくなる!?
ここまで楽器の持ち方や手入れ方法などには一切触れてきていませんが、とりあえずその手の話は後からでも間に合います。まずは「バイオリンという楽器で楽しい演奏ができるか?」ということが大切ですね。
バイオリンを使うことによってバンドの音楽性が広がることはもちろんだと思います。さらにバイオリンという楽器はあなたのギタリストとしての可能性も広げてくれます。
秘密は前に書いた通り、バイオリンが「超絶技巧の可能な楽器」であるということです。ギターでは到底不可能なフレーズでも、バイオリンで同じ譜面を弾くと、多くの場合は何てことない中級者の練習フレーズくらいの難易度であることが多いのです。
このことは逆に、「バイオリン用の譜面をギターで弾いてみよう」と思ったことのある方ならすぐに思い当たるでしょう。バイオリン用の譜面をギターで弾くことは、どんなテクニシャンでも、もはや物理的に不可能であることがほとんどです。
つまり、ギターをバイオリンに持ち替えて、物理的に可能なフレージングの幅が広がることによって、いままで自分のアドリブの引き出しには存在しなかったフレーズが生まれてくる可能性が高いのです。
練習に行き詰ってしまったギタリストの方にとってバイオリンは、新たな自分の可能性を見出すための大きな材料になるかもしれません。
最近では小さな楽器店でもバイオリンが置いてあることは多いでしょう。ぜひ一度触ってみてください。
By 藤原篤
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