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デスクトップミュージックの音をグレードアップするためのMIDI音源
MIDI打ち込みについて前回お話いたしましたが、やはりソフトウェアにはじめから付属している音だけだと物足りないなと感じると思います。そこでMIDI音源や前回のとき軽くふれたVSTプラグインというもので音のグレードを大幅にアップしましょう。
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外部音源と内部音源
MIDI音源にはPC内部の音源をMIDI信号で呼び出す「内部音源」と、ハードウェアでPCと接続して外から音を呼び出す「外部音源」の2つがあります。まずは外部音源についてお話していこうと思います。
昔ながらの王道、外部音源のメリットとデメリット
「PCに負荷がかからないのでスペックが低いPCでもきちんと動作する」
「内部音源に比べてわかりやすい」
「中古で出回っていて比較的低価格で購入できる」
「最近の物だとオーディオインターフェイス機能搭載のものもある」
外部音源のメリットの例をあげればキリがありません。
PCに負荷がかからないのはかなりのメリットです。内部音源ですと容量も大きく立ち上げるだけでPCが重くなることもあります。外部音源は外の機材、エフェクターみたいなものと思ってもらえた方がわかりやすいですね。少し古いところで有名なのはこれです。
当時の名機と呼ばれ16Ch同時再生可能なマルチティンバー音源。Roland社のSC88Proです。同じ会社からいろいろ出ていました。この時代はこれが一番使いやすかったですね。
今でもデモをとりあえずオーディオ化するときや曲作りの段階ではこれだけで作ったりしている方も大勢いるぐらいの一品です。
配線とオーディオインターフェイスの話は次回に掘り下げていこうと思っています。外部音源は、そこがデメリットになってしまうということです。
配線はMIDIケーブルでMIDI信号を送って、機材のアウトプットからPC側にINさせて音を入力します。はじめは戸惑うかもしれません。
それ以外のデメリットは、場所を確保しなければならないとか、複数あると邪魔になるとかですね。ということは配置スペースと配線さえできてしまえばあとは何も問題はありません。
ギターのエフェクターボードとおなじように配置することに美学を追求する人もいます(笑)。
近年の外部音源
2007年あたりまでRoland社は外部音源をあまり発売しませんでしたが……。数年ぶりに登場したのがこちら。
Sonic Cellと呼ばれる音源です。便利なことにUSB接続ができて配線が楽。さらにオーディオインターフェイス機能の搭載によってギターやマイクを挿して録音も可能。現代の流れをみごとに取り入れた一品です。
とくに便利な点はやはりVSTとしてPCのソフト内で読み込める機能です。外部音源でありながら配線がお手軽。内部音源のようにPCの中で音作りや音の選択といったことができます。これから外部音源の購入を考えている方におすすめの一つです。
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これ一つでピアノ、エレクトリック・ピアノ、オルガン、ストリングス、ドラムなどのアコースティック・サウンドが充実。管楽器や和楽器そして128和音同時再生とパワフルな機能を備えています。
そして片手で持てる軽さで機動性があり、USBメモリーを挿してWAV/AIFF/MP3などのオーディオ・データやMIDIデータを、Sonic Cellでストリーミング再生させることが可能です。ライブ会場に持ち込めば演奏補助としても優秀ですね。
オーディオインターフェイス機能も24ビット/96kHz対応でXLRとTRSフォン端子の両方を接続できます。ライン入力、ファンタム電源供給にも対応したマイク、ギター/ベース用のハイ・インピーダンス入力もついています。最初の一台として申し分ないポテンシャルです。
鍵盤付き音源について
数多く販売されている鍵盤一体型の音源は鍵盤からのMIDI打ち込みに対応しています。ほとんどのソフトウェアには、鍵盤ができない人でもかんたんに打ち込める機能がついているので弾けなくても心配はいりません。
弾ける方にはとても便利なクォンタイズ機能もあります。クォンタイズとは例えば八分音符でアルペジオのピアノフレーズを演奏したとします。
そこでMIDI信号として打ち込まれた音に対して八分音符でクォンタイズ機能を使用しますと、頭がわずかにずれていたりする部分をすべてきっちりリズム通りに合わせてくれるのです。
MIDIであれば音程、長さ、強さ、さらにはサスティンペダルの踏んだ位置から離した位置情報まで、多少ミスっても問題なく手動であとからすべて直せます。MIDIのよさはあとから差し替えられる、修正がきく、細かくいじれるといった部分にあります。
その特性を活かしてこのような機能はどんどん使っていきましょう。一度使い慣れてしまうと離れられなくなるのがMIDIの世界なのです。その鍵盤付き音源については、たとえばこちら
上の写真はKorg社のTRITON SUTDIOですね。2002年発売ですが今でも使えます(笑)。10年以上前の機材でありながら、タッチパネル、サンプリング機能、細かい音作りからアルペジエーターまでシンセサイザーのすべての機能を備えた一品です。
もちろん複数チャンネル同時再生から1つの音に音色を重ねたりイコライザーをいじったりで音を作っていくチャンネル、サンプラーチャンネルなど欲しい機能を網羅しています。
鍵盤部分も61鍵、76鍵、88鍵(ウェイテッド)と3タイプあります。88鍵ですとずっしりとしたアップライトピアノのようなタッチです。ピアノとしてもしっかりニュアンスが出せます。その強弱も127段階でMIDIデータとして保存できます。
鍵盤部分はいらない。音源部分だけ使用したい!という方には音源部分だけを切り抜いたものも販売されています。その音源の機能は音質から一通り同じで鍵盤部分がないだけです。
こういった製品も出ているので気になる方は調べてみることをおすすめします。今回は外部音源の歴史のようになってしまいましたがいかがだったでしょうか。
ちなみにSC88Proなんかは1996年発売にもかかわらず今でも使えるのはすごいですよね。1996年~2007年の外部音源について紹介しましたが、やはりSonic Cellでは時代の進化を感じました。
PC内部でのMIDI打ち込みを基準に作られていたり、USB接続ができたりと進化がみえるので歴史的にも面白いと思います。
次回は内部音源についてお話します。
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