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フレディ・キングなくしてエリック・クラプトンのプレイは語れない
ブルース・ギターの世界で3大キングといえば、B.B.キング、アルバート・キング、そしてフレディ・キングです。彼はエリック・クラプトンにもっとも影響をあたえたギタリストです。
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3大なんとか~って日本でも良く言いますけど、3人に絞るなんて本当は無理!
▲若き日の彼の姿を観ているとどうしても西田敏行を思い出しちゃいます。
デレク&ドミノスの名作アルバム『レイラ』で取り上げたブルース・ナンバー「愛の経験」(Have You Ever Loved A Woman)はまさにドロドロのブルースでクラプトンの情念が投影されているようなプレイが聴ける名演です。
この曲のオリジナルがフレディ・キングです。『レイラ』を先に聴いた僕はギター・プレイはもとより、ボーカルの迫力に気圧されました。とんでもないものを聴いてしまった、というくらいの衝撃だったんです。
フレディ・キングはテキサス州ギルマーで1934年に生まれました。1976年に42歳の若さで逝去しましたが、多くの影響をロック界に遺しました。
10代の頃にマディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、等の音楽に触れるようになり、自身もギターを手に取ったようです。
ルーツ・ミュージックがどこまで掘っても続いていくのが音楽の本場ならでは。
▲それにしてもブルース顔というのでしょうか、良い顔しています。
日本人から見るとロックアーティストのルーツが彼なんですが、彼にもさらにルーツがあるというところに、アメリカンロックの歴史を感じてしまいますね。う~んロックの世界は深いです。
レコーディングやライブのセッションギタリストとして活動した後、1956年にデビューしています。ギタープレイヤーとしてだけではなく、ソロでデビューできたあたりは、やはり歌の上手さが評価されていたところがうかがえます。
その後ケニス・L・クーリとう人物が立ち上げたジャマイカのレーベル、フェデラル・レコードと契約し「ハイダウェイ」の大ヒットを飛ばします。インスト曲での大ヒットって凄いですね。
クラプトンはジョン・メイオールズ・ブルースブレイカーズ在籍の若手時代にこの曲をカバーしていますが、聴き比べるとかなり忠実にコピーしている印象ですが、全体的にやはりオリジナルの力強さは出ていないような気もします。
「自分は黒人のように弾けない!」と悩んだそうですが、フレディ・キングのギターを聴いてそう思ったのでしょうか。なんとなくわかる気がします。
「ハイダウェイ」の大ヒットに見られるように、彼の曲にはボーカル入りもあればインスト曲も多く、僕が手に入れたアルバムの中にはインスト曲のみを収録したものもありました(編集版の可能性がありますが)。
レオン・ラッセルの手により新たな傑作を生み出すことになります。
▲どうしてストラップを右側に掛けるのかナゾなんですが、なで肩には絶対ムリ。
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60年代から70年代にかけては、キング・カーティスやレオン・ラッセルのプロデュースで作品を次々と発表します。ジェフ・ベックのお気に入りでありイベントのセッション等で良くプレイされる「ゴーイン・ダウン」はこの時期のナンバーです。
フレディ・キングとクラプトンは共演もしており、その記録を収録したアルバムも残されています。その作品が彼の死後77年にリリースされた、ポリドール在籍時の名演奏を中心に収録した『フレディ・キング1934‐1976』です。
前半のファンキーなナンバー「シェイク・ユア・ブーティー」で聴ける女性との掛け合いとギターは最高に楽しいユーモアに溢れるもので、彼の魅力をダイレクトに伝えてくれます。
スタンダード曲「ノーバディ・ビジネス」ではボーカルの凄まじさも披露しています。声がもの凄くデカくて驚きます(笑)。
映像でも観たことがあるのですが、右肩にストラップをかけるいわゆる“テキサス掛け”でギターを抱えシャウトする姿はまさに演歌歌手のようでした(笑)。こぶしがまわっている!
さらに「スイート・ホーム・シカゴ」ではブルースギターのお手本のようなシンプルかつエネルギッシュなギターを聴かせてくれます。僕は何度も一緒にギターを弾いてプレイを盗もうと試みました。
このアルバムの後半は74年当時のクラプトン(『461オーシャンブルーバード』のレコーディング後)とのセッションが収められています。
最後の共演で最高のプレイを聴かせた2人。亡くなる直前の演奏です。
▲もはやリスペクトを超えて色っぽい目で見ているような気もします、この視線。
最後のみライブとなっており、1976年11月15日でのテキサス州ダラスコンベンションセンターでの収録とクレジットされています。ジョージテリーを含むクラプトンバンドとの共演でプレイされる「ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード」が素晴らしい出来です。
亡くなる直前にクラプトンとの共演を果たしたフレディ・キング。最大の影響下にあった彼にブルースのなんたるかを伝授してこの世を去って行ったのかもしれません。
文・岡本貴之
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