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即興演奏と作り込んだ演奏のそれぞれの魅力と違いはどこにある?

よく「即興演奏ができない」とか「自分は即興演奏はやらない」とかいう人を見かけます。即興演奏って何でしょう?

そもそも音楽とは??

音楽は自分の気持ちを他人に伝えるものです。(ですよね?)言葉と同じなんです。即興での演奏ができない人は、台本がないとしゃべることができない人と同じです。

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譜面とか事前に決められたフレーズというのは、つまりは台本といえるでしょう。「理論が分からないから~」などと言い訳する人もいますが、理論を知っているか否かは関係ありません。その楽器(あるいは歌)を使いこなせてないだけ。

実際にしゃべることを考えればあきらかです。私は英語のスピーチは即興では出来ません。あらかじめ喋ることを考えていれば何とかなりますが。それは英語を使いこなせていないからですね。

ちなみに英語の本を音読することなら、なんとかできます。逆に日本語ならその場の感情をその場で伝えられます。台本がなくても平気ですよ。いくらでも即興でしゃべれます。

「即興で演奏する」とはどういうことか?

即興演奏は、日本人が即興で日本語をしゃべるのと同じ。そんなに難しいことじゃないんです。その場の感情を音にする技術があるかどうか。簡単な話、「ドの音を出したい」と思ってすぐにドを出せるか。簡単でしょ?

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それならとりあえずは誰でもできるはずですよ。好きな人に「好きだよ」っていうのはパッと出てくるし、英語でも”I love you”ってすぐ出てきます。けど「初めて見たときから君のことが好きだったよ。

これからもずっと一緒にいたいんだ。絶対に幸せにするよ」となるとパッと英語にはならない。辞書を引いて台本を書きたくなります。でもしっかり英語を練習すれば、たぶんパッと言えるはず。

それと同じことです。台本(=譜面or決められたフレーズ)がないと不安になってるだけで、簡単なことはできるはず。あとは、複雑な感情もすぐに音にして演奏出来るかどうかは練習次第。

極論を言えば、「音楽の完成体は即興演奏」なのです。

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つたない言葉でも、あらかじめ考えておいた台詞より、その場で出てきた言葉の方が心のこもった暖かい感情が伝わるものですよね。

「即興ができない」とか「自分は即興はやらない」とかいってるみなさん、一体いつまで台本を読み続けるつもりですか?英語の本をうまく朗読できるから「英語しゃべれるよ~」っていってるのといっしょですよ。

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では譜面は何のために存在するのか?

さて。ここまで「即興やらないとダメ!」のような文章になっていますが、もちろん即興ではない音楽にもよさがあります。ここで、「自分が楽しむ音楽」と「他人を楽しませる音楽」のちがいについて考えましょう。

この2つは基本的に同居しません。もちろん、「自分が楽しんで、かつ『たまたま』他人も楽しめた(もしくはその逆)」はありますが。

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結論から言うと、
自分が楽しむ音楽=即興
他人を楽しませる音楽=作り込んだもの
です。

お笑い芸人を例に考えて見ましょう。

練りに練ったネタをステージで披露するとき、芸人自信は楽しんでいるのか?私は芸人ではないので分かりませんが、恐らく楽しんではいないでしょう。(「ステージでネタを披露したことに対するお客さんのレスポンスを楽しむ」ことはもちろんあるでしょうね)

練りに練ったそのネタ自体で芸人は笑えるのか?
自分のネタが面白くて、やってて笑っちゃうか?
たぶん笑わないですよね。もし自分が楽しむ観点でやるなら、フリートークのような形がベストでしょう。内輪ネタ満載で。

お客さんのことを考えて演奏をしよう!

ここで音楽に戻りましょう。ここでは「ステージでお客さんの楽しむ顔を見て自分も楽しくなる」は当然なので考慮しません。

自分がやってる音楽を自分で楽しめる瞬間は、正に即興(=フリートーク)の時だと思います。台本を読んでいる時よりも、アドリブでストーリーを作る方が楽しいですよね。

ただ、このやり方はステージでお客さんに披露する際にはリスクを伴います。第三者が聴いても確実に良い音楽ができあがっていく確証はありませんからね。そこで「作り込む」作業になるわけです。

自分がステージで楽しむことを捨てて良い作品をあらかじめ作り込んでおけば、上記のリスクは減ります。自分ももちろん楽しむけど、それはあくまで「お客さんの反応を見て楽しむ」であって「音楽を楽しむ」とは別物。

他人を楽しませるならそれに集中するべきですね。自分が音楽を楽しむ空間は別に持つべきでしょう。

結局どっち??

もちろん私個人としては、譜面を弾くのもあらかじめフレーズを考えてステージで再現するのも、どちらも楽しいです。練習して弾けるようになる楽しさだったり、作品を作り上げる楽しさだったりがありますからね。
でもそれは音楽を楽しんでるんじゃないんです。決して楽器(歌)を使った対話にはなってないんです。

「ネタやってる芸人が自分のネタに吹き出す」ような演奏にならないよう、人に見せる演奏と自分が楽しむ演奏をしっかり分けていきたいですね。

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