インドネシアではお酒を飲むイスラム教徒がいるってホント?
敬虔なイスラム教徒にとって宗教の教えとは生活全般を貫く指針であり、その教えは絶対です。世界第4位の人口を有するインドネシアも多くのイスラム教徒を抱える国です。
イスラム教には宗教的に禁止されていることがハラームと呼ばれ、特にお酒はサタン(悪魔)の業であり信仰を妨げ理性を覆い、混乱させるものとして製造はもちろん販売さえも禁止されています。
アルコールを置くと客が来ない?
2013年7月1日、日本政府はタイ人・マレーシア人に対して短期滞在の観光ビザの免除を施行し、より気軽に東南アジアから観光客が訪れるようになりました。
これにより全国の観光業者は自社の教育システムに東南アジアの文化を取り入れ、観光客がより快適に過ごせるように国を挙げて観光大国になるべく政策が進められています。
しかしここで困ったのが宗教問題、マレーシアはイスラム国家と呼ばれるほどイスラム教徒の多い国ですから、食事への配慮やお祈りの時間などを確保しなければいけません。
日本の観光ビジネス業界では、これらイスラム教徒への理解と配慮がこれからの大きな課題となっているのです。
インドネシアは世界最大のイスラム教徒を抱える国ですが、たまにヒジャブ(ムスリム女性が被るヴェール)を身に着けたイスラム教徒がいるお店に行くと…。
そこにはビールはもちろん、お酒の類は一切置かれていません。
なぜなら敬虔なイスラム教徒はお店に入る前に「100%ハラール」の文字を確認してからでないと利用しないのです。(ハラールとはイスラム教で許されているもの)
そのためたとえアルコールを置いたほうが客の単価が上がるとしても、ハラーム(イスラム教で禁止されていること)の商品を置いてしまっては客足が途絶えてしまうので、店側はお酒を売りたくても売れないのです。
飲むときには親しい人とこっそり
しかしイスラム教徒にもいろいろな人がいますので、こっそりお酒を飲んでいる人たちもいます。
家族やガールフレンドと共に食事をし、夜な夜な友達とコンビニやスーパーでビールやウイスキーを買い込み、人目につかないよう人の家に集まって飲み会が行われます。
焼きたての魚にこってりした煮込み料理、職場の仲間や友達と談笑する姿…インドネシアに限らず日本でも見かけるありふれた夕暮れの光景ですが、ただ一つ違うのは、ここのテーブルにはキンキンに冷えたビールもロックで飲むウイスキーもありません。
どうせお酒を飲むなら堂々と飲めばいいじゃないかと思いますが、そこは異文化の宗教の世界です。私たち日本人にはなかなか理解できないたくさんの慣習が存在するのです。