バリ島の海から逃げ出してしまった哀れなイルカとマンボウ
バリ島はインドネシアでダントツの集客を誇る観光地であり、島の収入源の大半を占めるのは観光産業です。
その美しい文化や独特のムードに魅せられる人も多く、2回、3回とやってきては数ヶ月の長期滞在をする人たち、そしてそのまま移住してくる外国人たちもたくさんいます。
バリ島の観光名所といえばバリ・ヒンドゥー教徒のお寺や建造物になりますが、美しいインド洋でのサーフィンやダイビングなどマリンスポーツ、アクティビティも欠かせません。
そんなマリン・アクティビティの中でも特に人気なのがイルカ・ウォッチングとマンボウに会えるダイビングです。
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押し寄せる観光客に逃げるイルカ
イルカが見れる場所はバリ西部国立公園の上部に位置する無人の小島、ムンジャガン島周辺です。
島内には数え切れないほどのビーチやダイビングスポットがあり、場所によって見れる魚や生き物が違いますから、ダイビングマニアやシュノーケリングがしたい人にはもってこいの場所なのです。
この島の周りには珊瑚がびっしりとひしめいていて、古くからダイバーの間では有名なスポットでしたが、イルカが見れるということから近年ではムンジャガン島を訪れる観光客が急増してきました。
この傾向に観光産業に従事する人は大喜びですが、イルカにしてみればたまったものではありません。
毎日明朝からやってくる大量の小型観客ボートの音にびっくりして生息地を変え、最近では滅多に姿が見られなくなったといいます。
本末転倒の観光ビジネス
またバリ島の西部沖で見られるマンボウは、その見た目のとおりおっとりしていてのんびりした性格です。
しかしイルカ・ウォッチングと同様にその姿を一目見ようと世界中から観光客が押し寄せ、ダイビング会社やツアー催行会社も軒並みに増えることとなりました。
観光客が増えると当然マナーの悪い人も出てきますのでビーチも汚れ、静かで綺麗な海が好きなマンボウは穏やかな海を求めて移動し、最近では以前ほど見かけられなくなったのです。
老舗で優良とされているダイビング会社は一日の決行数や参加人数をごく少数に抑えて行いますが、後先考えずに「今、儲かる!」ということだけでビジネスを始めてしまう人によって、また一つ観光スポットが消えつつあるのです。
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