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パニック障害の発作による恐怖とは?~怖くて満員電車に乗れない!

2014.04.05

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突然、動悸や発汗、過呼吸などの症状に襲われ、「このまま死んでしまうかもしれない」と思うほどの恐怖を感じる…それがパニック障害です。

発作が原因で死に至ることはありませんが、その時の恐怖は患者にしか分からないほどつらいものです。

しかしパニック障害には薬がよく効きますので、思い当たることのある人はぜひ心療内科のドアを叩いてみてください。

パニック障害は「脳機能障害」の1つ

最近では、芸能人でもパニック障害を告白する人が増えてきましたので、病名はかなり認知されてきたように思います。

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しかしパニック発作は、周りの人にとっては何でもないようなシチュエーションで突然起こるため、一体何がそんなに苦しいのか理解されないことも多いでしょう。

パニック障害はもともと「不安神経症」という病名で、精神病として扱われていたのですが、近年では脳機能障害の1つに数えられています。

私たちの脳には、1,000億個ともいわれる「神経細胞(ニューロン)」があり、それらが互いに情報をやり取りしながら、運動や感情、認知、記憶などの機能を司っています。

しかしそこに何らかの異常が生じると、本来なら不安や恐怖を感じる必要のない時にも動悸や発汗が起こり、パニック障害につながるのではないかと考えられているのです。

特に不安感を抑制する「セロトニン」という神経伝達物質が、不足もしくは過剰であるという説が有力ですが、確実な原因はまだ分かっていません。

発作が起こりやすい場所とは?

頭を抱えるビジネスマン
パニック発作の症状としては、強い不安感や発汗、めまい、手足のふるえ、呼吸の苦しさなどが代表的で、本人は「このまま意識を失って倒れるのではないか」という恐怖に襲われます。

発作が起こるシチュエーションはさまざまですが、普通の人にとっては緊張を感じないような状況で起こります。

特に発作が起こりやすい場所としては、乗り物の中や狭い場所が挙げられます。

いわゆる「閉所恐怖症」にも通じているのですが、パニック障害の人の場合「ここで発作が起きても、自分の意思で抜け出せない」という状況が1番の恐怖に感じるのです。

ですから満員電車や飛行機、船などはもちろんのこと、渋滞の高速道路や観覧車、またCTやMRIなどの検査機器も発作が起こりやすい場所だといえます。

さらに1度発作が起こると、いつそれが訪れるかと怖くなる「予期不安」も、パニック障害に特徴的です。

その結果、発作が起こりそうなシチュエーションをとことん避けるようになり、活動範囲が狭くなります。

ひどくなると、外に出られなくなってしまうこともあるほどです(広場恐怖症)。

それほどパニック発作の時の恐怖感は、本人にとってつらいものだといえます。

しかし心臓などの病気だと思い、病院を受診しても、検査では特に異常が見つからないことがほとんどです。

パニック障害はあくまで脳の中の問題ですから、心電図やレントゲン、血液検査などをおこなっても多くは正常です。

そして「ストレスでしょう」と片づけられてしまうことも少なくありません。

ただし他の病気の可能性を排除するためにも、1度検査を受けることには意味があります。

その上でパニック障害を疑ったほうがいいでしょう。

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パニック障害は治せる!適切な治療を受けよう

診察 男性 笑顔
非常につらいパニック発作ですが、救いなのは「数分~数十分で自然に治まる」ことと、「パニック発作が原因で本当に死ぬことはない」ということです。

まずはこれを自覚し、なるべく自分を落ち着かせるようにすることが大切です。

そして適切な治療を受けるべく、精神科や心療内科を受診しましょう。

軽度のパニック障害なら、自然に克服できるケースもないとは限りませんが、予期不安が強くなり発作の頻度が高くなってきた場合は、治療を受ける必要があります。

まずは問診などを受けた上で、「抗不安薬」や「抗うつ薬」が処方されます。

「うつ病ではないのに抗うつ薬?」と思われるかもしれませんが、いずれも脳内のセロトニン不足という点で共通しており、セロトニンを増やすための薬が効果的なのです。

現在では、おもに「SSRI」(パキシルやジェイロゾフト)という種類の抗うつ薬が処方されます。

効果が出るまでに日数がかかりますので、指示どおり毎回しっかりと飲むことが大切です。

また抗不安薬としては「デパス」や「ソラナックス」などがあり、予期不安の強い時に服用します。

患者さんの中には、これらの薬をお守りとして持っているだけでも安心し、発作が起こりにくくなることもあります。

ただし依存性が強いとの意見もあるため、抗うつ薬の効果が出てきたら、抗不安薬はストップするよう指示されるかもしれません。

薬が効いてきたら、なるべく積極的に外出し、心身を慣らしていく「曝露療法」がおこなわれます。

パニック障害の患者さんは、ちょっと歩いて動悸がしたり、混んだ場所で息苦しさを感じたりしただけでも「発作ではないか」と解釈してしまいます。

ですからなるべくあちこち行動することで、こうした捉え方を矯正していくことも大切なのです。

そして「これは発作とは関係がない」という経験を積み重ねていき、段階的に挑戦のレベルを上げていきます。
 
ちなみに症状が落ち着いても、薬を独断でストップするのは厳禁です。

特にSSRIは、急に服用を中止すると激しいめまいやショックなどの強い副作用が現れる場合があり、むしろ治療に逆効果になってしまいます。

かならず医師の指示にしたがい、段階を踏んで減らしていきましょう。

「パニック発作で死ぬことはない」と自分に言い聞かせる、薬をもらってきちんと飲む、「お守り」として抗不安薬を携帯する…まずはこれらを徹底してください。

適切な治療さえ受ければ、パニック障害はかならず改善できる病気なのです。

By 叶恵美

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