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がんは早期発見がとても大切です~公費で受けられるがん検診

2014.07.02

がんは早期発見がとても大切です~公費で受けられるがん検診 はコメントを受け付けていません

すべてのがんは、早期に発見できればできるほど完治の可能性が上がります。ところが日本人のがん検診受診率は先進国の中でもきわめて低く、まだ50パーセントにも達していません。

今やがんは、日本人の死因の第1位になっているにも関わらず、多くの人が「時間がない」「お金がかかる」といった理由で検診を見送っているのです。

しかし日本人に多いがんの検診は、自治体が費用を助成してくれますので、無料もしくは低料金で受けられます。ぜひ定期的に検診を受けて、がんの早期発見に努めましょう。

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公費で受けられるがん検診は、絶対に受けよう!

CT検査装置の写真
ほとんどの自治体で、40歳以上から費用を助成しているがん検診についてご紹介します。いずれも日本人の罹患(りかん)率が高いがんですので、必ず受けたいものばかりです。

1.胃がん検診(年に1回)

男女とも40歳以上が対象です。一般的に助成の対象となるのは「胃X線検査」になります。
検査前にバリウム(造影剤)と、胃を膨らませるための発泡剤を飲みます。胃がんを発見できる確率は70~80パーセントといわれており、現在のところもっとも手軽で精度の高い検査になります。

他に、血液によって胃粘膜の萎縮度を調べる「ペプシノゲン検査」をおこなっている自治体もあります。

胃がんを発見するための検査ではありませんが、胃がんの前段階として「萎縮性胃炎」が起こるケースが多いことから、リスクを知るためには1つの目安となる検査です。

また胃がん患者のほとんどがピロリ菌を保菌しているため、「ピロリ菌抗体検査」はぜひ受けたい検査です。内視鏡を使わない検査なら、3,000~5,000円ほどで受けることができます。
陽性だった場合は保険適用で除菌治療を受けられますので、ぜひがん検診と合わせて受けるようにしましょう。

2.大腸がん検診(年に1回)

胃がんを抜く勢いで増えている大腸がんの検診は、男女とも40歳以上が対象です。

自治体で助成している「便潜血検査」は、便に混じった血を見つけるための検査で、大腸がんを疑う重要な目安となります。

もちろん血=大腸がんとは限らないのですが、陽性が出たら大腸内視鏡検査を受け、腸粘膜に異常がないかを調べることが大切です。

ちなみに大腸がんは遺伝的要素も強いがんですので、両親や兄弟に既往歴がある人は、40歳になる前から検査を受けておくことをおすすめします。

3.肺がん検診(年に1回)

胃、大腸と並んで日本人に多い肺がんも、男女とも40歳以上を対象に自治体で費用を負担しています。

まずすべての人におこなわれるのは「胸部X線検査」です。肺がんは白い影となって映りますので、非常に手軽で有効な検査だといえます。

また肺気腫や胸水といった症状も確認することが可能です。X線検査に加えて、一部の喫煙者には「喀痰細胞診」もおこなわれます。

これは痰に混じったがん細胞を発見するための検査で、喫煙指数(1日の本数×喫煙年数)が600以上の人を対象とする自治体が多いようです(市区町村や医師によって基準は異なります)。

X線検査と喀痰細胞診を併用すると、高確率で肺がんを発見することができます。

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4.乳がん検診(2年に1回)

急増している乳がんの検診は、40歳以上の女性を対象におこなわれています。多くの自治体では「偶数歳」などとして、2年に1度の割合で費用を助成しています。

おこなわれるのは主に「マンモグラフィ(乳房X線検査)」と「視触診」です。特にマンモグラフィによる乳がんの発見率は高く、非常に有効な検査だといえます。

ただし若い女性の場合、まだ乳腺が発達しているために、病変が乳腺に隠れて見えないケースがあります。そこで必要に応じて「超音波検査」も合わせておこなわれる場合があります。

5.子宮頸がん検診(2年に1回)

子宮頸がんは若い世代にも多いがんですので、20歳以上の女性を対象に、2年に1度の頻度で費用の助成がおこなわれています。こちらも乳がんと同様「偶数歳」としている自治体が多いようです。

子宮頸がんの検査でもっとも有効なのは「細胞診」です。内診と同時に、子宮頚部の組織を一部採取し、病理検査にかけます。

他の部位の細胞診は、皮膚から針を刺すなどして大がかりになるものが多いのですが、子宮頚部は膣から近い位置にあるため簡単に組織を採取できる点がメリットです。

また内診の際に、卵巣の腫れや子宮の奥の異常もある程度、疑うことができますので、「卵巣がん」や「子宮体がん」の早期発見にもつながります。すべての女性が20歳を過ぎたら、ぜひ受けるようにしたい検査です。

中高年男性は、「前立腺がん検診」も受けよう!

前立腺の位置を示す画像
自費でも、ぜひ受けておきたい検査に男性の「前立腺がん検診」があります。自治体でも50歳ごろから費用を助成しているところが増えていますので、ぜひ調べてみてください。

高齢層の男性に急増している前立腺がんは、幸い「PSA検査」という血液検査によって高確率で発見できます。

前立腺に異常があると、血中にPSAというタンパクの一種が増えるため、この数値を測ることで前立腺がんを疑うことが可能です。

ただし前立腺炎や前立腺肥大症でも陽性になる場合があるため、確定するにはより詳しい検査が必要になります。

必要に応じて、人間ドックやPET検診の利用も

自治体や職場では実施していない検査も受けられるのが「人間ドック」です。基本的な健康診断に加え、オプションとして調べたい検査を自由に選べますので、定期的に受けているがん検診以外のものをチョイスするといいでしょう。

特に喫煙習慣のある人は「膀胱がん」や「食道がん」など、ぜひ調べておきたいがんが色々とあります。

また1度に全身のがんを調べられる、「PET」という画期的な検査もあります。これは、がん細胞が正常な細胞よりもブドウ糖を多く取り込むという性質を利用した検査です。

最初に「FDG」という、ブドウ糖に似た薬を注射します。FDGには放射能を出す成分も含まれているため、しばらく安静にして全身に薬が行き渡った後でCT撮影をおこなうと、薬が多く集まっている箇所が確認できます。

つまり、そこにがん細胞があると推測できるのです。ただしPETには、得意ながんと苦手ながんがあります。

たとえば肺がんや甲状腺がん、食道がん、卵巣がん、子宮がんなどは得意なのですが、胃がんや前立腺がん、肝臓がん、膀胱がん、腎臓がんなどは苦手です。

基本的に、消化や代謝のために糖が多く集まる箇所は、がんとの区別がつきにくいためです。

しかし簡単な検査で1度に全身を調べられる点は大きなメリットですから、費用に余裕のある人は受けてみることをおすすめします。全身のPET検査はおよそ10万円ほどです。

By 叶恵美

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