郵送検査はこんなに便利!~自宅でがんの検診も受けられる?
日本は先進国の中でも、がんを含むあらゆる病気の検診受診率が低い水準にあります。その理由としてもっとも多いのが「忙しくてヒマがないから」というものです。
そんな忙しい現代人のために、自宅にいながら郵送検査でさまざまな病気の検査ができるキットが販売されています。
最近では検査項目も増えていますので、どうしても病院にかかる時間がない人は郵送検査を活用してみてはいかがでしょうか?
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こんなにある!郵送検査で調べられる「がん」
多くのがん検診は、40歳以上から費用の助成対象となります。本来ならそれを活用して受けるのがもっとも望ましいのですが、ヒマがないという人は郵送検診を利用するのも1つの方法です。
1.胃がんの検査
胃がん検診はバリウムを使ったX線検査が主流ですが、郵送検査では胃がんの前段階である「萎縮性胃炎」の有無を調べます。胃がん患者さんの多くが、がんを発症する前にピロリ菌などによって萎縮性胃炎を起こしていることから、この病気を発見することで胃がんのリスクを知ることができるのです。
ランセットという器具で指に小さな傷をつけ、血液を少量採取して送ります。血中に含まれる「ペプシノゲン」という物質の濃度を調べることで結果が出ます。
2.肺がん
通常の肺がん検診では胸部X線検査がおこなわれますが、郵送検査では朝一番の痰をとって、その中にがん細胞がないかどうかを調べます(喀痰細胞診)。
特に喫煙者の場合、この検査は非常に有効だとされています。
3.大腸がん
大腸がんの郵送検診は、通常の検診と同じ「便潜血検査」です。便の一部をとって送り、中に血が混ざっているかどうかを調べます。2日分の便で調べる「2日法」のほうが精度は高くなりますのでおすすめです。
4.子宮がん
郵送検査で調べられる子宮がんは、若い世代から発症しやすい「子宮頸がん」になります。通常の検診と同じく、膣から器具を入れて粘膜の一部を採取して調べる「細胞診」が可能です。
5.前立腺がん
前立腺がんの郵送検診は、病院でも広くおこなわれている「PSA」という腫瘍マーカーになります。PSAは、前立腺に異常が発生すると血中に増える物質で、この数値が高ければ前立腺がんや前立腺肥大症といった病気を疑う目安になります。
付属の器具で血液を採取して送ります。
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抵抗のある性病検査も、郵送なら安心して受けられる!
がんのほか、郵送検査で人気が高いのが性病の有無を調べるキットです。病気の性質上、婦人科や泌尿器科を受診しにくい人が多いため、自宅で誰にも知られずに調べられる郵送検査は非常に便利だといえるでしょう。
たとえばクラミジアや淋病の場合、男性なら尿、女性なら膣からの分泌液を採取して送ることで調べてもらえます。また、これらの菌はいずれも喉に感染することもあるため、付属の器具で喉の粘膜をこすり取って送る「咽頭ぬぐい液検査」もあります。
一方、HIVやB型肝炎、梅毒といった性感染症は血液を採取して調べます。ただしHIVは、保健所などに行けば無料で受けることもできますので、時間のある人はそちらを利用したほうがいいかもしれません。
生まれ持った体質から病気のリスクを調べる「遺伝子検査」も
最近、郵送検査で人気を集めているのが「遺伝子検査」です。ほおの粘膜をこすり取って送ることで、自分の遺伝子の傾向からかかりやすい病気などを調べてもらうことができます。
たとえば男性なら、将来、薄毛になるかどうかを調べる「AGA検査」が人気です。頭頂部や前頭部から薄くなるAGA(男性型脱毛症)は、生まれ持った男性ホルモンへの感受性が大きく関わるため、これを調べることである程度のリスクを知ることができます。
また全身を網羅する遺伝子検査もあり、体質的にかかりやすいあらゆる病気のリスクを判定できます。必ずしも検査結果の通りになるとは限りませんが、あらかじめリスクを知っておくことで、それを予防する生活習慣に改善することは可能ですから、1つの目安として受けるのもいいかもしれません。
郵送検査の注意事項
郵送検査は家で好きな時におこなうことができ、結果も郵送もしくはネット上で確認できる点が便利です。子育て中で忙しい人や、地理的に病院が遠い人、仕事が大詰めを迎えていてなかなか時間をとれない人などに向いているでしょう。
また健康保険を使わないため、性病検査も家族に知られることなくこっそり受けることができます。
ただし郵送検査で陽性が出た場合は、放置せずすみやかに病院にかかることが大切です。郵送検査では病気にかかっている可能性を判断するだけですから、より詳しい検査や治療を受けるためには病院におもむく必要があります。
あくまで「病院に行くかどうかの目安を得るための検査」として活用するようにしましょう。
特にがん検診は、少しでも時間を作れるのなら直接病院で受けることをおすすめします。そのほうが普段からの症状を医師に伝えることができますし、画像検査で病変を発見しやすいからです。
また郵送検査では調べられない病気もありますので、40歳を過ぎたら年に1度は人間ドックで全身のチェックを受けることがもっとも望ましいでしょう。
By叶恵美
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