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緑茶は正しく飲まないと逆に不健康になる!?~尿路結石・体の冷え

2014.05.24

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日本人が昔から親しんできた緑茶。今ならペットボトル飲料で日常的に飲んでいる人も多いと思いますが、緑茶には抗がん作用や抗酸化作用をはじめとする、さまざまな健康効果があります。

ただし飲み過ぎは体を冷やすほか、食後の緑茶は鉄分の吸収を妨げてしまう可能性も。どうせ飲むなら、健康効果を十二分に発揮できるように正しく飲みましょう。

食後すぐの緑茶は、貧血の一因に!?

貧血でめまいを起こす女性
緑茶には、渋み成分の「タンニン」が含まれています。健康効果で知られるカテキンもタンニンの一種なのですが、このタンニンは野菜に多く含まれる「非ヘム鉄」と一緒にとると、鉄分の吸収を妨げてしまうのです。

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ちなみに鉄分には他にも、肉や魚に多く含まれる「ヘム鉄」があります。こちらはタンニンによって吸収を邪魔されることはありません。

「でも、食後にお茶を飲むって普通の習慣だと思ってたけど…」という人も多いと思いますが、実は昔の日本人が食後に飲んでいたのはほうじ茶や番茶でした。

今でも和食レストランや高級料亭に行くと、食後に出てくるのはこうした「茶色いお茶」だと思います。ですから鉄分の吸収が阻害されることはなかったのです。

そもそも玉露をはじめ、緑茶は昔「高級飲料」の扱いでしたので、お客さまのある時や、お茶菓子と一緒に優雅にいただく飲み物でした。ですから食事の時にゴクゴク飲むようなことはなかったと思われます。

しかし今ではペットボトルで手軽に飲めますから、知らない間に鉄分の吸収を悪くしてしまっている人も多いかもしれません。特に女性は貧血になりやすいですので、食事中や食後には緑茶を避け、麦茶やほうじ茶などにしましょう。

ちなみにタンニンは緑茶のほか、コーヒーにも含まれています。食後すぐにコーヒーを飲む習慣のある人も要注意です。

緑茶の飲み過ぎによるさまざまな弊害

お腹が痛い女性
どんなに体にいいものも、「過ぎたるは及ばざるがごとし」。緑茶の飲み過ぎには、以下のようなリスクがありますので気をつけましょう。

1.尿路結石

わき腹や背中に激痛が起こることで知られる尿路結石。結石の成分はさまざまですが、その1つに「シュウ酸結石」というものがあり、シュウ酸とカルシウムが結合してできています。

シュウ酸はホウレン草やチンゲン菜に多く含まれることで知られていますが、実は緑茶にも含まれています。もっとも、普通に飲んでいる限りはそれほど心配ありませんが、1日に何杯も飲む人は念のため気をつけたほうがいいかもしれません。

ちなみにシュウ酸とカルシウムが結合してできる結石ですが、これら2つの成分はバランスよく摂取している限り胃腸で結合するため、便として排出されます。

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しかしカルシウムが不足している状態でシュウ酸をとりすぎると、シュウ酸が胃腸でカルシウムと出会えずに血中に吸収されてしまいます。そして腎臓に行き、そこで血中のカルシウムと結びついて結石になってしまうのです。

ですから緑茶を大量に飲む人は、同時にカルシウムも十分に摂取する必要があります。小魚や乳製品などを意識してとってください。

またタンニンはコーヒーや紅茶にも含まれますので、ミルクを入れるようにするといいでしょう。

2.体を冷やす

緑茶は体の熱をとる効果があるため、季節的には「夏」にぴったりの飲み物です。ですから緑茶の飲み過ぎは、冷えにつながる可能性があります。

そもそも、緑茶も紅茶もウーロン茶も、もとは同じ茶葉からできているのをご存知ですか?葉を摘んだ後、どのように乾燥・発酵するかによってお茶の種類が決まります。

緑茶は色からも分かる通り、摘み取った直後の状態にもっとも近いお茶です。収穫後に加熱処理し、発酵は最小限に抑えるという製法で作られます。こうしたお茶を「不発酵茶」と呼びます。

一方、紅茶やウーロン茶など色が濃いお茶は、十分に発酵させた「発酵茶」です。発酵度の高いお茶ほど体を温める働きがありますので、紅茶やウーロン茶、プーアル茶などは冷え性やダイエットに最適とされています。

ですから不発酵茶である緑茶は夏に適した飲み物だといえます。もちろん1日に数杯、ホットで飲む限りは問題ありませんが、冷えたペットボトルをがぶがぶ飲む人は気をつけましょう。

上記のほかにも、コーヒーと同様にカフェインの過剰摂取の問題もあります。健康効果を得るためにも、飲み過ぎには気をつけましょう。

緑茶のカテキンパワーを得るなら、熱めのお湯で抽出!

緑茶をそそぐ
緑茶の淹れ方にはいくつもの方法があります。茶葉の種類、新茶かそうでないか、また1人ひとりの好みにもよりますので一概にはいえませんが、緑茶に含まれる健康成分「カテキン」の恩恵を最大限に受けたいなら、抽出温度は高めのほうが確実です。

というのも、もっとも含有量の多い「ピガロカテキンガレート」は、80度以上の高温で溶け出しやすい成分だからです。ただしカテキンは苦味成分でもありますので、熱いお湯で入れるほど苦味が増すことも覚えておきましょう。

一方、お茶のうまみ成分であるアミノ酸は、低い温度でも溶けやすくなっています。ですからお茶の味にこだわる人は、ぬるめのお湯でじっくりと抽出して飲むことが多いのです。

どちらも楽しみたいなら、1煎目は低温でゆっくりと入れてうま味を味わい、2煎目で高温のお湯を注いで健康成分を飲み干す、という方法もいいでしょう。

By 叶恵美

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