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乳がんは日本女性の16人に1人がかかります!~あなたは大丈夫?

2014.05.27

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近年、日本女性がもっとも罹患しているがんが「乳がん」です。もともと欧米の女性に多いがんでしたが、今や日本女性の16人に1人がかかるほど「他人事ではないがん」となっています。

ただし乳がんは早期発見できれば、完治できる可能性の高いがんでもあります。ぜひ普段からのセルフチェックと年に1回の検診で、乳がんの死亡率を減らしていきましょう。

罹患率は高いが、死亡率はそれほど高くないがん

日本で乳がんにかかる女性は、毎年5万人近くといわれています。これは日本女性が罹患する部位別がんの中でも1位の数字です(次いで大腸、胃、肺、子宮)。

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また死亡者数は年に1万2千人ほどで、1980年ごろと比べると約3倍になっています。ただし全がんにおける死亡率は5位(大腸、肺、胃、すい臓に次ぐ)となっていますので、罹患率のわりに死亡率は高くないがんでもあります。

つまり早期に発見・治療開始すれば、命に影響を及ぼさない可能性も十分にあるのです。実際、乳がん検診が日本よりも広まっている欧米では、乳がんによる死亡者数は減少傾向にあります。

年齢的にもっとも好発するのは40代です。ただし最近では20~30代の若い世代の発症も増えていますので、できれば20代後半ごろから意識を高めるようにしましょう。

出産経験のない人、親族に既往歴がある人は高リスク!

乳がんの原因として、現在のところ有力とされているのは以下のようなものです。

1.女性ホルモン「エストロゲン」

月経の終わり~排卵にかけて分泌が増えるエストロゲンは、女性らしい体つきを作るのに役立つホルモンです。しかし乳管の上皮細胞にも影響を与えやすいことから、乳がんの多くを占める「乳管がん」のリスクを高めることが分かっています。
日本女性の乳がんの65パーセント近くが「エストロゲン依存性」といわれるほどです。

エストロゲンは初潮~閉経を迎えるまでの間、定期的に分泌され続けますので、初潮の早い女性や閉経の遅い女性ほどリスクが高いといえます。
また妊娠・授乳中は、「プロゲステロン」というもう1つの女性ホルモンの分泌が高まるため、エストロゲンの影響を受けにくく済みます。その意味では出産経験のない女性のほうが、乳がんリスクは高まります。

近年、日本女性に乳がんが急増しているのも、出産が少なくなっていることと関係しているのです。

2.遺伝的要因

乳がんの一部には、遺伝的な要素が関わっています。特に母親や姉妹に乳がんの既往歴がある場合は、一般的にハイリスクです。

ちなみに女優のアンジェリーナ・ジョリーが、まだ乳がんにかかってもいないのに乳房の摘出手術を受けたことがニュースになりましたが、彼女はまさに近しい家族を乳がんで失っています。

3.閉経後の肥満

通常、エストロゲンは閉経後から分泌量が減るため、乳がんリスクは低くなります。しかし閉経後はおもに脂肪組織からエストロゲンが作られるため、体重が一気に増えた場合はリスクが高くなります。
もっとも、日本女性は閉経後に太る人が少ないため、欧米よりは閉経後の乳がんは少ない傾向にあります。

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上記の他にも、身長の高い女性や飲酒・喫煙の習慣がある女性、乳房に良性腫瘍ができた人などはリスクが高いとされています。ただし女性である以上は誰にでも乳がんの可能性がありますので、すべての人が検診を受けるべきです。

乳がんの症状~自分でも発見できる「しこり」が特徴

胸のしこりを気にする女性
乳がんの初期症状でもっとも多いのが「しこり」です。腫瘍が5ミリを超えれば、セルフチェックでも気づくことができますので、入浴や着替えの際になるべく確認してみることをおすすめします。

ちなみに乳がんのしこりは、乳腺症などと異なり痛みをともなわない場合が多いのですが、中には「痛みがあった」と振り返る患者さんもいるため気をつけましょう。

また皮膚に凹みや腫れが見られる場合も乳がんの可能性がありますから、早めに受診してください。特に乳頭や乳輪近くの皮膚に湿疹や炎症が見られる場合は、「パジェット病」というまれなタイプの乳がんである可能性があります。

パジェット病は皮膚疾患と間違えられやすいため、少しでも乳房の皮膚に異常がある場合は念のために受診することをおすすめします。

乳がんの検査と治療法~早期発見で治療もシンプルに

乳がんの検査を受ける患者とサポートする技師
乳がん検診では、医師による視触診のほか、マンモグラフィ検査が広くおこなわれています。アクリル板で乳房を挟んだ状態でX線撮影し、しこりや石灰化を見つけるもので、乳がんの発見には欠かせない検査です。

ただし若い女性ではまだ乳腺が発達しているため、画像が全体的に白っぽく写り、がんの診断がつかないこともあります。そのため若い世代には、体外からプロープをあてる超音波検査も併用することが一般的です。
年に1度、マンモグラフィと超音波検査を受ければ、高確率で乳がんを早期発見できます。

治療は手術が主流ですが、最近ではなるべく乳房の全摘出を避け、腫瘍部分のみを切除する方法が選択されています。さらに術後の放射線療法を組み合わせることで、再発を防ぎます。

病状によっては乳房の全摘出が必要になることもありますが、その場合、失った乳房を人工的に取り戻す「乳房再建術」を受けることも可能です。2013年7月からは、健康保険が適用されるようになりました。

他にも必要に応じて、エストロゲンの分泌を抑えるホルモン療法や、抗がん剤治療などが検討されることもあります。

日本女性の乳がん検診受診率は低すぎる!?

乳がんは定期検診を受けて早期発見さえできれば、高い確率で治癒できるがんです。実際、腫瘍が2センチ以下の「Ⅰ期」の場合、5年生存率は100パーセント近い数字になっています。

しかし欧米女性の乳がん検診の受診率が7割を越えているのに対し、日本では40歳以上の女性でも2割にとどまっているという現状があります。16人に1人の割合で罹患することを考えれば、低すぎる受診率です。

どうか1人でも多くの女性が検診を受け、治せる病気で命を落とさずに済むことを願います。

By 叶恵美

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