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歯科治療に関する素朴な疑問~そもそも口の中で何をしているの?

2014.06.28

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歯医者で治療を受けている時、「今、自分の口の中では一体何がおこなわれているのだろう…?」と疑問に思うことはありませんか?

場所が場所なだけに、自分で確認できないのが歯科治療です。

歯医者さんや歯科衛生士さんたちが何をしているのか、よくある治療の疑問についてまとめてみました。

針みたいなものを、歯にグリグリ押しこんでいるけれど…?

歯科の根管治療のイメージ
かなり根深い虫歯を削った後におこなう「根管治療」です。押しこんでいる道具は「リーマー」や「ファイル」と呼ばれるもので、針金のような形をしています。

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特に虫歯菌が神経にまで達してしまう「歯髄炎」になっている場合、根のほうに細菌が残っているため、歯を削っただけで被せ物をすることはできません。残った細菌が周りに広がってしまうと後々大変ですので、しっかりときれいにする必要があるのです。

ただし歯の中は肉眼で見えないため、根の治療は意外と難しいものです。取り残しがないよう、リーマーやファイルを何度も出し入れしながら中をきれいにしていきます。早い場合は2~3回で終わることもありますが、多くは何度も通院する必要があるでしょう。

また根の先までしっかりときれいにするために、根の長さを測定します。口の端に何か金属のようなものを引っかけられると思いますが、あれは唾液を通して電極を通すためのものです。

針を押しこんでいくとピピピという電子音が鳴るのは、「根の先端近くまで来ていますよ」という合図になります。この機械(電気的根管長測定器)によって、先端まできれいにできるほか、後で詰め物をする際の長さを測ることもできます。

中がすっかりきれいになったら、洗浄・消毒をして、根の長さに合った詰め物をしてから被せ物を装着します。こうすることで歯のぐらつきを抑えることができるのです。

歯に詰め物をした後、ピピッと鳴るのは何?

これは歯の詰め物を固めるためのUVライトです。削った部分を埋める際に「光重合レジン」という樹脂を使うことが多いのですが、最初は柔らかく、詰めた後で紫外線を当てることによって硬化します。ピピッという音は、十分な照射ができたという合図です。

ちなみにUVを直視しないよう、お医者さんは専用の保護メガネをかけます。

キュイーンというあの嫌な音、どんな機械を使ってるの?

歯の治療で削っているところ
歯医者といえば、歯を削る時の高い音を思い出す人が多いでしょう。聞いているだけで怖くなってしまいますが、あれは「エアタービン」という機械の音です。

歯の表面を覆うエナメル質は非常に硬いのですが、先端にダイヤモンドの粉末がついたエアタービンは、それを削ることができる道具です。

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ちなみにあの怖い「キュイーン」は歯を削る音ではなく、中にある風車のようなパーツが回転する時に出る音になります。かなりの高速で回るため、あのように高い音が出るのです。

エアタービンには中を照らすライトのほか、水を出す装置もついています。歯を削られる時、同時に水が出ているのを感じることがありますが、あれは削る際の摩擦熱を冷やすためのものです。

思わず耳をふさぎたくなる音を出すエアタービンですが、人体の中でもっとも硬い組織といわれるエナメル質を削るためには欠かせない道具なのです。

歯科衛生士のお姉さんには、どこまで権限があるの?

歯科治療を受ける子供と歯科衛生士
歯科医院では、基本的に少数の歯科医が複数の患者さんを忙しく診てまわりますので、それをサポートする歯科衛生士の存在は欠かせません。

歯科医にしかできない医療行為としては、歯を削ったり抜いたりすること、また注射や歯茎の切開などです。さらに被せ物の調整や噛み合わせの確認、レントゲン撮影なども本来は医師の仕事とされています。

しかし実際はこの通りにしている医院のほうが少ないのが実情です。たとえばレントゲン撮影は、歯科衛生士がおこなう医院が多いですし、銀歯の調整や詰め物(レジン)の充填なども任せている医院が多く見られます。

さすがに抜歯や掘削は医師がおこないますが、それ以外の治療の中にはかなりグレイゾーンのものが多いということです。

もちろん衛生士の方もきちんと勉強されていますし、レジン充填などはむしろ医師より腕のいい人もたくさんいます。そもそもほとんどが保険診療で賄われている日本の歯科では、1人の医師がすべての医療行為をやっていられない、というのが本当のところでしょう。

ただし何らかの要望がある場合には、医師にその旨を伝えてみてください。

麻酔に関する疑問~動悸がするのはなぜ?

歯科の麻酔は、多くが歯茎に打ちます。「持続時間が短いわりに、麻酔注射にかかる時間が長いなぁ」と感じる人も多いかもしれませんが、一度に麻酔液を注入すると痛みが出やすいため、このほうが患者さんにとっても安心です。

また最近では針を刺す前に、歯茎に「表面麻酔」を塗る医院が増えています。特に注射の苦手な子どもの場合、表面麻酔をおこなうことで針を入れる時の痛みをかなり軽減することができます。

ちなみに麻酔を打った後に動悸を訴える患者さんがいますが、これは麻酔液に入っている「エピネフリン」という成分がおもな原因です。エピネフリンは血管収縮剤で、麻酔の効果を高める作用があります。これが血中に移行すると一時的に血圧を上げたり脈拍を早めたりことがあるのですが、ほとんどは数分経てば治まります。

また麻酔そのものへの恐怖心や緊張が強いと動悸も強まる傾向がありますので、なるべくリラックスした状態で受けることが大切です。ただしもともと高血圧や糖尿病などの持病がある人や、どうしても不安が強い人は、エピネフリンを入れない麻酔もありますので一度相談してみてください。

By 叶恵美

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