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AGA治療はどの方法を選択すべきか?~薬物治療・増毛・植毛

2014.02.14

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多くの日本男性が悩む薄毛。とくに老化とは関係なく進行するAGA(男性型脱毛症)の場合は、髪を生み出す毛包組織が残っているうちに、1日でも早い治療をおこなうことが大切です。

現在、AGAの治療法には大きく分けて「薬を使う方法」と「人工的に毛髪を増やす方法」の2種類が存在します。

世界初の「飲む薄毛治療薬」、プロペシアとは?

AGA専用の治療薬として開発されたのが「プロペシア」という飲み薬です。

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「飲んで薄毛が治るのか?」と不思議に思われるかもしれませんが、日本皮膚科学会が発表した「AGAの治療ガイドライン」のなかでも、もっとも効果が期待できる治療薬として評価されています。

プロペシアの有効成分「フィナステリド」は、もともと前立腺肥大症の薬として開発されました。

ある患者が服用したところ発毛効果が見られたことから、AGA治療薬として研究されたという経緯があります。

そもそもAGAは、男性ホルモンのテストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素と結合して、より強力な「ジヒドロテストステロン」へと変わることが原因で起こります。

フィナステリドには、この酵素の働きを抑制する効果があるため、服用するとジヒドロテストステロンが作られにくくなるのです。

とくにAGAの初期段階であればあるほど、抜け毛の進行を抑えられる可能性が高くなります。

育毛をうながす「ミノキシジル」配合の外用薬

プロペシアが基本的に抜け毛の進行を抑える薬であるのに対し「ミノキシジル」という成分が配合された外用薬は育毛剤として使用されています。

海外では「ロゲイン」という名前で1980年代から販売されてきましたが、日本ではかなり遅れて1999年に認可されました。

大正製薬から「リアップ」として市販されているほか、皮膚科やクリニックによっては独自にミノキシジルを配合した薬を処方しています。

なぜミノキシジルに育毛効果があるのかは、まだ完全に解明されていないのですが、髪の毛のもとである「毛母細胞」の働きを活発にする作用が認められています。

日本皮膚科学会のガイドラインでも、ミノキシジルはプロペシアとならんでもっとも高い評価を受けている薬です。

またプロペシアとの併用によって、さらに効果が期待できるとされています。

人工的に髪を増やす技術~髪を頭皮に植え込む「植毛」

すでに薬では十分な効果が得られない人や、手っ取り早く薄毛を改善したい人には、人工的に髪の毛を増やす技術が人気を集めています。その1つが植毛です。

その名のとおり「髪を頭皮に植える技術」ですが、フサフサ生えている部分の自毛を使うものを「自毛植毛」、ナイロンなどの化学繊維でできた毛を使うものを「人工毛植毛」といいます。

自分の髪を使う場合、毛根ごと採取して薄毛の部位に移植しますので、切開による傷は避けられません。

しかし毛根ごと植えられるために、その後も自然に髪の毛は伸び続けますので、とくにアフターケアが要らない点が大きなメリットです。

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ただし残った髪が少ない場合は自毛を採取するのは難しいため、人工毛植毛を選択することになります。

こちらは好きなだけ本数を増やせる点がメリットなのですが、人によっては化学繊維に拒否反応を起こす可能性があります。また人工毛は自然に伸びませんので、定期的なメンテナンスが必要です。

AGAの治療ガイドラインでは、自毛植毛はBランク(おこなうよう勧められる)に分類されているのに対し、人工毛植毛はDランク(おこなわないよう勧められる)に位置づけられています。

人工的に髪を増やす技術~人工毛と自毛を取り混ぜる「増毛」

増毛も植毛と同じく人工的に髪を増やす技術ですが、頭皮に移植するのではなく、表面に取り付ける点が異なります。

残った自毛の根元に人工毛を結びつけたり、人工毛でできたシートを頭皮にくっつけたりして見た目のボリュームを増やす方法です。

植毛よりも手軽で安全な方法ですが、残った自毛が少なすぎる場合は難しくなります。また人工毛は自然に伸びませんので、自毛の成長にしたがってメンテナンスをする必要があります。

毛包を再生させる成分を頭皮に注入する「HARG療法」

HARG療法とは、育毛効果のある成分を頭皮に直接、注入する方法です。「育毛メソセラピー」とも呼ばれ、注射やダーマローラーを使って頭皮に薬を入れ込みます。

薬の中身はおもに、髪の再生をうながす「グロスファクター(ヒト成長因子)」という成分です。ヒトの脂肪幹細胞から抽出し、細菌などを取り除いて作られます。

さらに育毛を手助けするビタミンやアミノ酸などを加えることから、HARG療法に使われる薬剤は「ヘアカクテル」と呼ばれることもあります。

メリットとしては、AGAはもちろん、円形脱毛症などを含めたあらゆる薄毛に適用できることです。とくにプロペシアなどの薬で効果を得られなかった人に推奨されています。

また患者の状態に合わせて成分を調整することも可能です。HARG療法をおこなっているクリニックでは、1人ひとりに応じて独自に配合したヘアカクテルを使用するところが多く見られます。

自然な方法で薄毛を改善するなら、早めの治療が肝心!

上記のほかにも、育毛を促進する薬や技術はいろいろとあります。いずれにせよ、多くの人とってもっとも望ましいのは「なるべく自然な形で薄毛を改善できること」でしょう。

定期的なメンテナンスを必要とする人工的な技術の場合、それだけコストもかかりますので、やはり自然に自分の髪を取り戻せる方法のほうが望ましいものです。

そのためにもAGA治療は、できるだけ初期の段階でおこなうことをおすすめします。残った毛が少なくなればなるほど薬の効き目も悪くなりますし、治療の選択肢が限られてしまうからです。

By 叶 恵美

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