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レーシック手術を受けて本当に大丈夫?~4割がレーシック難民の現実

2014.02.09

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昨今、レーシック手術の後遺症によるレーシック難民の話がニュースをにぎわせています。

重大なものから軽いものまで含めて術後の不具合を訴える人が、なんとレーシックを受けた人全体の4割を占めているのです。

一方「何の不具合もない」「やってほんとうによかった」とコメントする人もたくさんいます。

いったいなにが真実なのかわからなくなってしまう人も多いでしょう。

いまレーシックに興味を持つ人に求められているのは、人の感想や病院の宣伝を鵜呑みにせず、リスクとメリットをしっかりと天秤にかけることだといえます。

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日本におけるレーシックの歴史は、わずか10年ちょっと

レーシック(LASIK)とは、角膜の一部をエキシマレーザーで削り取り、カーブを変えることで視力を矯正する手術です。

もともと近視は角膜の屈折異常によってピントが合わなくなった状態ですから、人工的に屈折率を変えれば改善します。

手術ではレーザーを照射するまえに、角膜の表面を薄く切り取ってフタのように持ちあげる「フラップ」を作ります。

この作り方によって「ラセック」や「エピレーシック」などさまざまな種類にわかれます。

いずれもエキシマレーザーで角膜を削ってカーブを変えるという点では同じです。

レーシックの歴史は浅く、日本では2000年にようやくエキシマレーザーの装置が医療機器として承認を受けています

当初はまだ人々の不信感も強く「ほんとうにだいじょうぶなの?」という声が多く聞かれました。

しかし10年以上が経過するうちに「やってよかった」という人が増え、また手術料金も大幅に安くなったため、多くの人が気軽にレーシックを受けるようになりました。

「言われていたほど、危険なことはないんじゃないか」……そうだれもが思うようになったころ、さまざまな後遺症に悩む人々にスポットが当てられるようになったのです。

手術で起こり得る後遺症とは?

レーシック手術の後遺症が広く知れ渡った最初のきっかけは、東京にあった「銀座眼科」の事件です。

この病院の場合は、ずさんな衛生管理による感染症が中心でした。実際は感染症以外にも、レーシックにはさまざまな後遺症のリスクがあります。

代表的なものとしては、目が渇くドライアイ、過矯正による頭痛やめまい、光がにじんで見える「ハロ・グレア」や、視界に糸くずのようなものが見える「飛蚊症」などがあります。

とくに重症な事例では、術後に目のはげしい痛みを感じ、寝たきりになってしまったケースも報告されています。

また光がまぶしすぎて外に出られず、部屋でもカーテンを閉めたままにして暮らす人もいるようです。

もちろんこうした生活は精神もむしばみ、うつ病になってしまう人も少なくありません。

後遺症をかかえ、あちこちの眼科に相談しながら症状に苦しみ続ける人は「レーシック難民」といわれて社会問題化しています。

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失敗しない病院の選び方

さまざまな後遺症のリスクも把握したうえで、それでもレーシックに魅力を感じるのであれば、あとは信頼できる病院を選ぶことが第一になります。

その見分け方の1つは、「十分な術前検査と医師による説明があるかどうか」です。

たとえば角膜がもともと薄すぎる人や、過度の近視の人などは後遺症が起こりやすいため手術に向いていないとされています。

ですから術前に十分な適応検査を受けることは必須です。

また検査のみならず、医師の診察がしっかりとおこなわれているかどうかも重視しましょう。

「検査はひととおりするけれど、医師の診察時間が短すぎる」のは問題だといえます。

レーシック難民になった人の話では「すべてが流れ作業的だった」という意見がいくつか見られます。

検査結果を見て「問題ないね」で終わり、そのまま手術当日を迎えるといった感じです。

手術で考えられる後遺症や、とくにその人に起こりそうな問題などを事前にていねいに説明してくれる医師を選ぶようにしましょう。

もう1つ、信頼できる病院選びに役立つのが「日本眼科学会認定の眼科専門医」が執刀するかどうかです。

眼科専門医の看板を掲げるためには、一定の経験や専門の研修・試験が必要になります。

つまり眼科医として十分な知識と技術を持っていることの1つの証明になりますので、目安にするといいでしょう。

ただし院長は専門医でも、実際の診察や執刀をする医師はそうではないケースもありますので、しっかりと調べるようにしてください。

ちなみに「レーシック専門医」という資格は存在しません。レーシック以前に、眼科の専門医であることが重要なのです。

臨床経験も大切ですので、「ここで受けてよかった」とコメントする患者が多い病院を選びましょう。

同意書にサインするまえに~リスクとメリットを考えよう

しかしどんなに信頼できる病院を選んだとしても、「100パーセント安全が保証されるわけではない」ことは肝に銘じておく必要があります。

もちろんどんな手術であれ、合併症や後遺症のリスクはゼロではありません。

それでもリスクとメリットを天秤にかけ、メリットのほうが大きいと判断されるから手術を選ぶはずです。

しかしレーシックの場合、目的は病気の治癒ではなく視力の回復です。たしかにスポーツ選手のように、視力が仕事に大きく影響する場合もあります。

多くの人は「メガネやコンタクトのわずらわしさから解放されたい」という理由が主でしょう。

それがいけないわけではありませんが、万が一のリスクを考えた上で、冷静に判断することは大切です。

とくに目の後遺症は生活に大きな影響を与え、精神まで病んでしまうリスクがあります。

レーシック難民の方々も病院側に対する怒りとともに「時を戻せるならもっと慎重になっていた」という後悔の声を漏らしています。

つまり大切なのはメリットとデメリットを把握し、自分にとってメリットのほうが大きいと判断したなら、信頼できる病院をしっかりと探す、ということになります。

また手術の同意書にサインすると、万一、後遺症が起こったときの立場が弱くなってしまいます。

すべてを納得したうえで責任を持ってサインするようにしましょう。

By 叶 恵美

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