ED治療の最新マシンでもうバイアグラは不要?~ED1000の効果
ED(勃起不全)といえば、今のところバイアグラをはじめとするED治療薬の処方が主流です。
しかし今後、機械を使った画期的な治療法が普及してくるかもしれません。
そんな夢のマシン「ED1000」についてリサーチしてみました。
衝撃波によって血管を新しく作る治療法
バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのED治療薬は、血管を拡張させて陰茎への血流を良くするための薬です。
自宅で好きな時に服用でき、自然な勃起をもたらしてくれるED治療薬は、それまで補助器具や注射くらいしか治療法のなかったEDに大きな革命をもたらしました。
しかし薬を試した男性のうち、3割には十分な効果が見られないというデータもあります。
また狭心症の治療でニトログリセリンを使用している人や、血圧が異常値の人などは服用することができません。
そんな男性たちに今、熱い注目を集めているのが「ED1000」というマシンです。ED1000は、陰茎に弱い衝撃波を与えることで血管を再生させるという、これまでにはなかった画期的な治療を実現しています。
もともと衝撃波は医療に活用されており、尿路結石を砕いたりする治療に役立てられてきました。
また衝撃波を当てることで、細胞内に「サイトカイン」というタンパク質が発生し、それが新しい血管を作り出すことが分かったのです。
EDでは血管が動脈硬化を起こしているなどして、十分な血液が陰茎海綿体に流れ込めないことがおもな原因となっています。
ですから機械で血管を新たに作ることができれば、勃起機能を改善できる可能性があるのです。
ED1000を受けられる人と受けられない人
衝撃波と聞くと怖いイメージがありますが、低出力に抑えられているため、痛みや刺激などはありません。
具体的には、1回の治療につき陰茎の5ヵ所に衝撃波を20分ほど当て、それを3週間のうち6回おこないます。
そして3週間のインターバルを挟んだ後、再び3週間のうち6回の治療をおこなうという流れです。つまり約2ヶ月間で、計12回の治療を受けます。
適応となるのは、基本的に血管性のEDが疑われる40代以上の男性です。20~30代の場合は、血管ではなく精神的な問題による「心因性ED」が多いからだと思われます。
ただし医療機関によっては、診察の結果に応じて若い男性にも実施しているようです。
また少なくとも半年以上ED症状を抱えていること、性交の全チャンスにおいて50パーセントは満足な勃起を得られていないこと、そして神経のトラブルがないことなども条件となっています。
神経系の問題によるEDの場合は、いくら血管が増えても性的刺激という情報の伝達がおこなわれないため、EDを改善できないからです。
またED1000を受けられない人としては、過去に前立腺の切除手術を受けたことがある人(ただし神経を温存している場合は除く)、重篤な血管疾患がある人、半年以内に心臓発作や脳梗塞を起こしたことのある人、5年以内にがんをわずらったことのある人、前立腺の病気などで抗アンドロゲン薬を使用している人などです。
つまり勃起に関わる神経がきちんと機能しており、重篤な病気にかかっていない人がED1000の適応となります。
治療を受ける前にはカウンセリングがおこなわれ、問題がないかどうかを確認します。
さらなる研究に期待!臨床試験モニターの募集も
帝京大学の試験によれば、ED症状のある50代以上の男性27人に対してED1000を使用したところ、18人に改善が見られました。
今後より臨床が進んで高い治療効果を得られれば、近いうちにFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認も受ける予定とのことです。
ただし現在のところ、国内でED1000の治療を受けられる医療機関はまだまだ少なく、全国で5件しかありません(2014年2月現在)。
また12回の治療で費用が40万円近くかかりますが、これを安いとみるかどうかは人によって意見が分かれるでしょう。
しかしこの治療で根本的にEDを解決できるのであれば、十分に有用性は高いといえそうです。
ED治療薬も十分に優れた薬ではありますが、1錠1,000円以上と高額なため、長期的に使用するとなるとそれなりのコストがかかります。
さらにED1000の場合、薬のような副作用がないことも大きなメリットです。衝撃波はごく弱く、人体に害などは報告されていません。
また陰茎に新たな血管を生じさせることで、根本からEDを改善する治療法ですので、術後のアフターケアなども特に必要ないとされています。
とはいえまだ今後もさらなる臨床データが必要とされるため、本格的に全国に普及するのはもう少し先のことになりそうです。正式に認可されれば、EDに悩む男性にとって大きな助けとなることでしょう。
ちなみに一部の医療機関では、モニターとしてED1000の治療を受ける男性を募集しています。臨床研究ですので、治療費は基本的に無料です(診察料や検査料は除く)。
気になる方は一度、調べて応募してみるといいかもしれませんね。
By 叶恵美