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不妊の検査は夫婦そろって受けましょう~女性だけが原因ではありません

2014.07.08

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現在、日本人夫婦の7組に1人が抱えるといわれる不妊の悩み。ひと昔前までは「女性側の責任」とされていましたが、実際の不妊原因は双方にあり得ることが分かっています。

ですから1日でも早く赤ちゃんを授かるためには、なるべく早い段階から夫婦で検査を受けることが大切です。

女性側に考えられる不妊原因とは?

妊娠検査薬を使う女性
不妊原因には色々なものが考えられますが、女性側の問題としては以下のようなものが挙げられます。

1.卵子の老化

卵子のもとは生まれる前から体内にあるため、どんどん新たに作り出される精子とは異なります。つまり自分が生きてきた年数の分だけ、卵子も歳をとっているのです。
一般的に35歳ごろから卵子の老化が顕著になり、排卵があっても妊娠が成立しにくくなってしまうといわれます。

2.排卵障害

何らかの原因で排卵がうまくいかないと、当然ながら卵子が存在しないため不妊につながります。
排卵障害の原因としては、卵子を育て放出する卵巣、または指令となるホルモンを出す脳の視床下部と脳下垂体のいずれかにトラブルが考えられます。

3.卵管の障害

卵子と精子は子宮ではなく、その前の通り道である卵管で出会います。ですから卵管が何らかの原因で詰まったり癒着したりしてしまうと、受精卵が子宮までたどり着けません。原因としてはクラミジアの感染や子宮内膜症が挙げられます。
最悪の場合、卵管内で詰まったまま受精卵が細胞分裂を繰り返し、やがて卵管が破裂してしまう「子宮外妊娠」につながることもあります。

4.子宮の異常

受精卵が無事に卵管を通って子宮に到着すると、子宮内膜に根を張って「着床」となります。ただし子宮の形に異常があったり、腫瘍ができていたりすると、着床が妨げられる可能性があります。
一般的には子宮内膜ポリープや、大きな子宮筋腫などが考えられます。

5.子宮頸管の問題

私たちの体には免疫機能が備わっており、外部から異物が入ると排除するのですが、人によっては精子を異物と判断して子宮頸管に抗体を作ってしまう場合があります。
そうなると性交しても、精子が子宮頸管で死滅してしまい、中にまでたどり着けなくなってしまいます。抗体が強すぎる場合は、自然妊娠ができないケースもあります。

男性側に考えられる不妊原因は?

受精をする卵子
男性側の不妊原因としては、以下のようなものが代表的です。

1.精子の数が少ない

1ミリリットルの精液中、精子が2000万匹に達しない場合は「乏精子症」と判断されます。状態によっては自然妊娠が難しいため、人工授精や体外受精の対象となります。

もしくは精液中に精子がまったく含まれない「無精子症」もあります。この場合、いかなる方法でも妊娠は不可能かと思われますが、1匹でも正常な精子を得られれば、何らかの形で妊娠に結び付けられる可能性はあります。

2.精子の運動率が低い

精子の数に問題はないものの、運動率が低いのが「精子無力症」です。検査の結果、全体の運動率が50パーセント未満か、もしくは高速で直進する精子が全体の25パーセントに満たない場合に該当します。

3.射精障害

精子は正常に作られているが、通り道が閉塞して射精ができない「閉塞性無精子症」もあります。この場合は手術によって克服できる可能性があります。

4.性機能障害

男性不妊には、ED(勃起不全)などの性機能障害も含まれます。特に最近では、若い世代の男性にもEDが急増しているため、意外と多い原因となっています。

女性が受ける基本的な不妊検査

上記のように、不妊にはさまざまな原因がありますので、なかなか妊娠しない場合はまず検査をして原因を特定することが大切です。

女性が受ける検査としては、まず排卵のチェックが基本となります。基礎体温表が、低温期と高温期にはっきりと分かれている「二相性」でない場合、排卵トラブルが考えられます。

その他、病院で受けられる検査としてはホルモン値の測定があります。排卵が近づくと、脳下垂体からLH(黄体形成ホルモン)が大量に分泌されますので、これを血液や尿から調べます。

他にも超音波検査で、卵巣の様子を調べることでも排卵の有無が分かります。

次に卵管の検査です。卵管の詰まりを調べるためには、「子宮卵管造影(HSG)」という検査がおこなわれます。造影剤を注入し、それが卵管を伝わって子宮にたどり着くかどうかを調べる検査で、2日間かけておこなうことが一般的です。

その結果、異常が疑われる場合は「腹腔鏡検査」を実施し、実際の様子を腹腔鏡で確認します。

一方、子宮の異常は超音波検査で簡単に調べられます。着床を妨げる形態異常や筋腫が見つかった場合は、手術が検討されることになります。

また子宮頸管に精子の抗体があるかどうかを調べる検査としては「フーナーテスト」が有名です。性行為の後、どれくらいの精子が残っているかを調べます。

男性が受ける基本的な不妊検査

男性の検査としては、やはり精液を採取しておこなうものがほとんどです。顕微鏡で精子の数や運動率を調べ、異常がないかを観察します。

ちなみに正確な結果を得るため、検査前には最低でも3日間、射精しないよう指示されます。

その他、精液の粘度を測る検査や、白血球数の測定も重要です。精液に白血球が多く混ざっていると、精子の質が落ちやすくなるため、薬で治療することになります。

男性の場合、このように精液を調べる検査が中心ですが、精子は空気に触れると早く死滅してしまうため、大抵は採精後3時間以内に病院に持ち込む必要があります。ですから病院が近くにない場合は、院内の施設を利用したほうがいいかもしれません。

男性にとっては抵抗のある検査だと思いますが、パートナーのためにもぜひ協力してあげてほしいと思います。実際、女性だけが色々な検査を受け、原因が分からないまま時間をムダにしてしまうケースもたくさんあるからです。

1日でも早く赤ちゃんを授かりたいカップルは、ぜひ早い段階から2人が協力しあって検査を受けるようにしましょう。

By 叶恵美

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