カードローンは、ネットから簡単に申し込みできるという利便性もあり、最近は利用者の幅もずいぶんと広がりました。
簡単に借り入れが出来るようになったということはいいことですが、、借りたお金は「利息」を付けて返済する必要があります。
当たり前のことですが、借りた金額以上のお金を返済することになるということを肝に銘じておきましょう。
しかし、利用者の多くは「自分がどの程度の利息を返済しているのか?」に関して無頓着なようです。業者の提示した金額をただ返済するだけではなく、きちんとと自分でも利息の計算が出来るようにしておきましょう。
そうすることで、自分の収入に応じた返済計画をしっかりと立てることが出来ますので、あとになって返済に四苦八苦するということもなくなるでしょう。
まず、「これだけは覚えておきたい計算式」を紹介します。
借入金額×金利÷365日
これは絶対に覚えておきましょう。この計算式によって出る数字は、「1日に支払うべき利息の金額」です。一般的にカードローンでは、利息は日割りで計算します。つまり毎日利息が積もっていき、それを返済日に一括して払っているわけです。
それでは実際に、上記の計算式で計算してみましょう。ここでは10万円を借りたとして、金利は「15%」とします。この場合…
10万円×0.15÷365日=約41円
こうなります。10万円を15%の金利で借りた場合、1日あたり「約41円」の利息を支払うのです。それほど大きな金額には思えませんが、「毎日払う」を忘れている方が多いのも事実です。
1日あたり約41円ですから、1カ月(30日)で「約1230円」を支払うことになります。小数点以下は四捨五入をするカードローン業者が多いのですが、それでも「約1230円」は大きいものです。
このように利息はこうして計算することができますが、あくまでこれは目安の数字とお考えください。さまざまな金融機関が提供している返済シミュレーターで計算してみるとまったく同じ条件であっても利息の金額に誤差が出ることがあります。
金融機関によって、小数点以下の取り扱い(切り捨て、繰り上げ、四捨五入)が異なりますので、ある程度自分で計算し、比較した上で利用予定の金融機関が提供しているシミュレーターを利用するか、または直接問い合わせてみましょう。
利息の金額は「返済期間が長いほどに高くなる」と言えます。日割りして計算するため、返済期間が長い(日数が多い)と支払う金額も大きくなるのは当然です。
上記の10万円を1カ月で返済した場合は「約1230円」で済みますが、仮に1年かけて返済したとします。その場合は、月々の返済額が「約9026円」となり、返済総額は「108310円」です。つまり「8310円」もの金額を、借りた金額より多く返済することが分かります。
と、ここで法定金利について説明しましょう。2010年6月18日に施行された新しい貸金法において、「20%を超える金利を要求すれば刑事罰の対象(カードローンのみならず、すべての貸金業者が対象)」となりました、また貸付金額によって上限金利も決められており、以下を参考にしてください。
■10万円未満:20%
■10万円~100万円未満:18%
■100万円以上:15%
こうなっているのです。上記で紹介した例は「10万円を15%の金利」でしたが、法律的には20%まで認められています。仮に、「10万円を20%の金利で、1年間かけて返済する」という場合は、月々の返済が「9263円」となり、返済総額は「111161円」です。15%の場合は「108310円」でしたので、その差額が「2851円」となることが分かるでしょう。
それほど大きな差に思えないように感じますが、これはあくまでも「10万円」という少額融資での話です。1年もかけて返済するのであれば、たいていは100万円規模の融資になっているはずです。そこで次は、「100万円を法定金利いっぱいの15%」で借りると仮定します。
この場合の月々の返済は「90258円」となり、返済総額は「1083100円」です。なんと「83100円」もの金額を、借りた金額以上に支払うことになるのです。一方、同じ条件で借り入れをしても、半年で完済するとします。すると月々の返済額は「174034円」であり、返済総額は「1044203円」です。1年かけて返済するのと比較して、半額近い利息で済むことが分かるでしょう。
いかがでしょうか?まずは利息の計算方法を知って、自分で返済額のシミュレーションができるようになってください。そして「返済期間が長いほどに多くを返す必要がある」ということをしっかりと理解しておき、日々の生活で無駄を省いてできるだけ早く返済した方がお得なのです。
「返済ばかりしていたら飲みに行けない…」と思われる方もおられますが、そこは我慢です。上記のシミュレーションで分かるように、1年後には「約4万円」も得をするのです。飲みに行くならその4万円を使えばいいだけです。
「任意返済」という言葉をご存知でしょうか?「繰り上げ返済」と言えば分かりやすいかもしれませんが、カードローン業者でも任意返済は可能です。月々の返済とは別に、お金に余裕が出来ればそれを返済に回しておきましょう。
しかも任意返済のメリットは、「完済までの期間が短くなる」だけではありません。あまり知られていないことですが、「利息を大幅にカットできる可能性」を持っていると考えてください。
利息は、いわば月々の返済に「分割して乗っている」となります。利息の総額が12万円で、12カ月かけて返済するなら、分割で1万円ずつ毎月の返済に上乗せされるわけです。
そして任意返済は、「100%元本返済に充てられる」となります。しかし金利は、「元本があるからこそ存在している」のです。元本がないのに利息が発生することはあり得ません。言い換えれば、「買ってもいない商品の代金を請求される」と同じことなのです。
したがって任意返済で元本を消せば、その上に乗っている利息も自動的に消滅することになります。お分かりでしょうか?任意返済で元本を消せば、その分だけ利息が消えることになり、「返済額が少なくなる」と言えるのです。
ところが、任意返済は月々の返済とは違います。任意返済をしても月々の返済は行う必要があり、「任意返済でお金がなくなった。もうすぐカードローンの支払い日なのに…」という事態は防いでおきましょう。あくまでも最優先すべきは「月々の返済」であり、余裕分を任意返済に充てることを強くオススメします。
実際にカードローンを利用する際には、業者に任意返済について詳しく説明してもらいましょう。ネットで申し込みをする場合も、出来ればメール等で細かく教えてもらうようにして下さい。利息が消えるということは、業者からすれば「利益が減る」ということになります。
しかし利益が少し減ったとしても、確実に返済してもらう方が業者としても嬉しいのです。カードローン会社はいくつもありますが、申し込む前に複数の業者に任意返済の説明を求めるのも1つのアイデアです。問い合わせるだけなら記録に残ることもありませんので、1社でも多くに説明を求めても構わないでしょう。
しかも一部のカードローン会社では、「1円単位で任意返済が可能」というケースもあります。「任意返済の最低額はいくらなのか?」についても確認することが大切なのです。
いかがでしょうか?利息の計算式と返済期間を短くする利点、そして任意返済のメリットに関して説明してきました。ここでもう一度、利息の計算方法に関しておさらいしておきましょう。まずは計算式からです。
借入金額×金利÷365日
これで日割りしたおおよそ利息の金額を計算することができます。金利は、数字(パーセンテージ)だけを見ればとても小さなものに見えます。したがって「この程度の違いならどこでも同じだろう」と考える人が多いのも事実です。
しかし実際に計算してみると、その金額の差に驚くこともよくあります。とくに返済期間が長い場合、そして借入額が大きい場合(100万円以上)は、返済総額に大きな差が出るのは上記で説明した通りです。
「ご利用は計画的に」と言いますが、それは「日々の生活で節約する」ということだけではありません。利息に関する知識を身につけ、自分自身で返済のシミュレーションが出来てこそ「計画的」と言えます。
カードローンの利用は、突然の出費に耐えられるなどのメリットが多くあります。しかしその反面、返済に関して知識を持たない方が多いのも事実です。これでは本当の意味での「計画的」を実現することは難しく、返済で苦しむ可能性が高くなってしまうでしょう。
カードローンのメリットだけに目を向けるのではなく、利息に関しても知識を身に付けて、本当の意味での「計画的な利用」を心がけましょう。
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