総量規制でカードローンの借入額はどう変わった?

2014.3.25|基礎知識

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総量規制という法律をご存知でしょうか?

カードローンを利用する際には、自分はどのくらいの額を借りることができるのだろうと誰もが気になってしまうと思います。

借り入れの上限額はその人の年収や職業、勤務年数などによって異なります。金融機関によっては基準も異なりますので、実際に申し込みをしてみるまで、いくら借りることができる、と断言することはできません。

しかし、カードローン会社の業態によっては借りられる金額の上限が総量規制によって制限されていることがあります。今回はその点についてお話してみましょう。

銀行系以外で適用される制度です

年収の3分の1以上は借りることができない…簡単に言ってしまうと総量規制とはそのような制度です。

信販会社系や消費者金融系のカードローンはほとんどがこの総量規制の対象となります。どんなに利用実績や信用を重ねたとしても、借りられる金額は年収の3分の1までが上限となります。

年利が20%前後になってしまうと、そもそも年収の3分の1もの額の返済はとても難しくなってしまいます。そう考えると、これが無理のない借り入れの目安とも考えることができるのではないでしょうか?

気軽に利用することのできるカードローンの場合、今月はピンチ!という場面や急に現金が必要になってしまったけれど手持ちがない、という場面で利用する方がほとんどでしょう。このような場面での少額利用であれば総力規制について気にすることはありません。

住宅ローンを組んでいる人はカードローンが利用できない?

では住宅ローンなどの大型の借り入れをしている人は総量規制に引っ掛かり、カードローンを使用することができないのでしょうか?そんなことはありません。

住宅や自動車などを購入する際の借り入れは規制の対象外となっています。なので年収の3分の1を超える額であっても借りることができます。さらに別でカードローンを利用することだってもちろん可能です。

対象外となるさまざまなケースとは?

前述の住宅や自動車のローン以外にも規制の対象外となるケースがいくつかありますので挙げてみましょう。

・不動産改良のための借り入れ…住宅設備の修繕やリフォームなどの費用
・高額療養費の借り入れ…高額な費用が必要となる医療ローンなど
・売却予定の不動産の代金により支払が可能な借り入れ…不動産売却の際の手数料や、住宅ローン残高の一括支払いなど
・配偶者と併せた年収の3分の1以下の借り入れ…世帯所得で総量規制を超えない場合

このような場合は対象外となりますので、金融機関に一度確認してみましょう。

事業に必要な費用も規制の対象になる?

総量規制の対象となるのはあくまで「個人への貸付」になりますので、法人としての借り入れはその対象とはなりません。もちろん、個人事業者の場合も規制の対象外となりますので、法的に借り入れ額の上限が定められることはありません。

つまり、事業のために自身の名義で借り入れがあったとしても、別で個人的にカードローンなどを利用することは可能です。

もちろん、借り入れ額が大きい場合は金融機関の判断によって審査を通過できない場合はあります。しかし、これは総量規制とは無関係ですので、別の会社の審査であればパスできる可能性が残っています。

ショッピングクレジットも対象になるの?

クレジットカードを使用している方の場合、その利用額も規制の対象になるのか、という点が気になるのではないでしょうか?

総量規制は貸金業による「個人向けの貸付」が対象となっています。ショッピングクレジットの場合はまず、貸金業による貸付ではありません。ですので、規制の対象とはならないのです。

もちろん、あまりクレジットの返済が多く残っていると、カードローンの審査にも影響することがあります。ですので、いくら支払い残高が残っていたとしてもまったく問題がないというわけではありません。

対象にならない具体的な商品

すべてのカードローンが総量規制の対象となってしまうわけではありません。銀行系の場合は対象外となります。つまり、収入の極端に少ない、あるいはまったくない主婦や学生であっても利用することが可能です。

もちろん、借り入れ可能額は低くなってしまうとともに、審査はやや厳しくなりますが、いざという時の手助けとなってくれますので「自分は収入がないから」と諦めてしまう前に一度申し込みをしてみてはいかがでしょう?

スタート段階では借り入れ可能額が低く設定されていたとしても、利用実績を重ねて行くことによって、上限額が上がる可能性もあります。また、取引実績に応じて信用も高まりますので、将来的に住宅ローンや自動車ローンなどを組む際に有利になる可能性もあります。

銀行系以外でも対象外になることがある?

消費者金融系や信販会社系からの借り入れには基本的にすべて総量規制の対象となってしまいます。

しかし、前述の対象外となるケースと絡めて規制の対象外となるサービスも存在しています。代表的な例をいくつかあげてみましょう。

・プロミス…おまとめローンは規制対象外
・オリックス…同系列のオリックス銀行カードローンは規制対象外
・アコム…おまとめローン、ビジネスローンなど対象外のものが多数
・アイフル…おまとめローンが規制対象外

このように、代表的な消費者金融系業者の多くは、他社からの借り入れを一本化することで総量規制対象外となるサービスを用意しています。もちろん、一般的なフリーローンは規制の対象となりますので、注意しましょう。

対象外だと審査に時間がかかってしまう?

一般的に銀行系は消費者金融系や信販会社系と比較すると、審査に時間がかかってしまうというイメージが持たれています。確かに、消費者金融系では半ば常識となっている即日融資に対応することのできる銀行はあまり目につきません。

もちろん、銀行系は審査に時間がかかってしまう傾向があるのは事実です。しかし中には、即日融資に対応しているところも存在しています。

代表的なのがじぶん銀行やオリックス銀行、イオン銀行などでしょう。銀行系は審査が厳しいというイメージがあるかと思いますが、安定した収入があり、他社から大きな借り入れがなければ意外と簡単に審査をパスすることができます。

銀行系の審査は遅い、厳しい、という思い込みを捨てて一度申し込みをしてみてはいかがでしょうか?

一見すると信販系だけど実は銀行系の商品とは?

前述のオリックス銀行のように、一見すると信販系のカードローンのように思えますが、実は銀行系で規制の対象外、というものも少なくありません。

近年テレビCMなどでおなじみのバンクイック。審査のスピードや利用しやすさをアピールしていることもあり、消費者金融系だと思われてしまいがちです。しかし、運営しているのは東京三菱UFJ銀行です。

同じくテレビCMなどで良く知られているレイク。こちらも新生銀行が運営していますので立派な銀行系です。もちろん規制の対象にもなりません。

このように、注意深く見てみると実は銀行系というカードローンも少なくありません。ネット系銀行を含めるとその数は年々増えています。その結果、競争も厳しさを増したことにより、さまざまなサービスは向上し、審査スピードもより早くなりつつあります。

カードローンを利用する際に気になる総量規制についてお話してみましたが、いかがでしたか?すべてが規制の対象となるわけではない、という点だけでも理解することができれば、カードローン利用の幅を広げることができるのではないでしょうか?

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