抗生剤を出さない医者はやぶ医者?
風邪が治る薬はこの世にない?
一気に冷え込むようになり、風邪をひく人が多くなる時期になりました。
季節の変わり目はどうしても体調を崩しやすくなります。
病院に行くと、マスクをした人が待合室に目立つようになりました。
ただ、病院に行ってもたいていの場合は症状を緩和する薬をもらって帰って来るだけの場合が多く、それで風邪が治るわけではありません。
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意外に思うかもしれませんが、この世に風邪を治す薬はないのです。
「じゃあ、薬局で売っている風邪薬は何だ?」
と言われそうですが、それらの薬はすべて風邪の諸症状を緩和する薬になります。
つまり、頭痛の痛みを緩和したり、痰を出しやすくしたり、熱を下げたり、咳を出にくくしたり、といった症状を抑える効能があるわけです。
決して、風邪という病気そのものが治るわけではありません。
かつては「風邪を治す薬を発明したらノーベル賞」とまで言われたくらいです。
風邪薬を飲むとかえってこじらせる?
市販の風邪薬やお医者さんからもらった薬を飲むと、一時的に症状が和らぐので風邪が治ったような気になります。
でも、これが間違いのもとで、下手をすると余計に風邪をこじらせてしまうことすらあります。
熱が出たり、咳が出たり、痰が出たりといった風邪の諸症状は、いわば体の防衛反応でもあります。
熱に弱い風邪のウイルスと闘うために体温を上げ、ウイルスが肺の奥に入ってこないように咳や痰が出る仕組みになっているのに、強制的にそれを抑えてしまっては、場合によっては逆効果ということになります。
最近では、体温が38.5度以上になるまでは解熱剤は飲ませないでください、という指導をする病院が増えているのは、とてもいいことだと思います。
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ただ、そういうことが頭では分かっていても、自分の子供が熱で苦しんでいるのを見ていると、ついかわいそうになって熱さましを飲ませてしまったりするのが、親なんですけどね。
抗生物質は風邪には効きません
それと、風邪で病院に行くと、やたら抗生剤を処方するお医者さんもいます。
でも、抗生剤というのは細菌を殺す薬であって、風邪のウイルスにはまったく効果がありません。
抗生物質を服用すると、腸内の善玉菌と呼ばれる菌を殺してしまいます。
その結果、腸内バランスを崩して下痢をする人もいたりして、風邪を治すどころかむしろ体調を崩してしまうことにもなりかねません。
お年寄りの方などで、肺炎を併発する恐れのある人などには、予防のために抗生剤を処方することは間違いではないと思いますが、そういった明確な理由がない場合においても、抗生剤の処方をするというのはどうかと思います。
抗生剤を出すお医者さんの事情とは?
では、なぜお医者さんの多くは、風邪で病院にいくと安易に抗生剤を処方してしまうのでしょうか?
当然お医者さん本人が、風邪に抗生剤は効かないということを知らないはずがありません。
実は、抗生剤を出さないと「ヤブ医者扱いされる」ということをお医者さんは恐れているのです。
「あそこの病院では、抗生剤も出してくれなかった。とんでもないヤブ医者だ」
そんな、根拠のない噂が広がるのを恐れて、患者さんから抗生物質を出してくださいといわれると、ついつい出してしまうというのが実情なようです。
そう考えると、患者さんの体のことを思って、頑として抗生剤を処方しないお医者さんこそが、実は名医であると言えると思います。
by知る蔵
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