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脱法シェアハウスはなぜ増えたのか?~年収100万時代を生き抜く

2014.02.27

脱法シェアハウスはなぜ増えたのか?~年収100万時代を生き抜く はコメントを受け付けていません

シェアハウスが「貧困ビジネス」化していることは、以前の記事でも書きました。↓
渋谷の中心で家賃3万?「貧困ビジネス」化するシェアハウスの実態

貧困ビジネス化し、消防法などで問題のあるシェアハウスを「脱法シェアハウス」といいます。

この記事では、なぜ脱法シェアハウスが増加したのか理由を書きます。

15年で、平均年収が60万下がった

まず一番の理由は「日本人の低所得化」です。

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かつて「年収300万時代」という言葉でも日本人は衝撃を受けたのに、最近ではユニクロの柳井正会長が「年収100万時代」という言葉まで口にされているくらいです。

これは平均年収を見てもわかります。

平成9年に467万だった平均年収は、15年後の平成24年には408万になっています。

59万の減少なので「約60万のダウン」です。

年収で60万ダウンしたということは、月収にしたら5万です。

月5万給料がダウンしたら、誰でも苦しい生活になるでしょう。

たとえば、それまで月8万の部屋を借りていた人が、月3万の部屋に住まないといけない、ということです。

月3万で住める部屋など、仕事の多い地域ではまともな部屋がほとんどありません。

つまり、わかりやすく言うと「15年前だったら月8万の部屋に住めた人」が全員「月3万レベルの部屋」に移っているわけです。

そう考えると、脱法シェアハウスが増えた理由もよくわかるでしょう。

脱法シェアハウスは初期費用がかからない

低所得の人々が脱法シェアハウスを選ぶ理由の大きなものに「初期費用が要らない」ことがあります。

「礼金敷金ゼロ」という物件は、最近普通のアパートやマンションでも見るようになりました。

しかし、このような物件でも「鍵交換費用3万円」「クリーニング代2万円」などと、何らかの初期費用がかかるのが普通です。
(現実に必要な費用なのだから仕方ありません)

所得の低い人々は、私も経験があるからよくわかりますが、皆「その日暮らし」をしています。

貯金などないし、下手をすると、消費者金融でももう上限いっぱいまで借りている、ということがあるのです。

つまり、「現金が用意できない」わけです。

それでも今の物件を追い出された、実家、社宅に住めなくなったというケースでは、すぐに住む場所を探さないといけません。

住所がないと仕事も探せませんから、これは死活問題です。

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そんな彼らにとって「初期費用不要」というのはとてもありがたいのです。

というより、そういう物件以外、物理的に入れないのです。

脱法シェアハウスはその辺をよくわかっています。

なので、最初のデポジットを無料・激安にすることに加えて「1年契約なら初月家賃無料」などの設定もするんですね。

冷静に契約内容を見れば「初月から家賃のかかる物件の方が、年間トータルだと安い」ということもわかるはずです。

しかし、「来週から住む家がない」という状態では、人間はそういう冷静な判断ができないんですね。

「確かに年間だと高い。でも、とりあえず今月乗り切れればいいや」と思うわけです。

実際、動物というのはもともとそういう思考しかしないものです。

(「未来」というのは人間の中にしかない意識ですからね)

「保証人不要」も大きな理由

さらに、脱法シェアハウスはすべて「保証人不要」です。
外国人ですら不要という場合もあります。

低所得層の方は、基本的に保証人もみつけにく傾向にあります。

脱法シェアハウスに流れてくるような人生を送っている時点で、他人とつながりが薄いわけで、保証人を探すのも困難とうのが現実です。

なので、普通の物件はほとんど借りられません。

普通の物件でも「保証人不要」は確かにあります。

しかし、こうした物件は「その分家賃が高い」とか、「保証人代行料5万円」などの条件がついていることが多いんですね。

彼らはお金がなくて脱法シェアハウスに住もうとしているわけですから、このような物件では当然住めないわけです。

こうして「初期費用がない」「保証人不要」という理由によって、低所得の方々がますます脱法シェアハウスに流れていくのです。

脱法シェアハウスの問題点は「消防法違反」

脱法シェアハウスはなぜいけないのかというと、「消防法に違反しているから」です。

他の理由も物件によってありますが、特に多い&大きいのはこれです。

建物は、火災が起きた時に逃げられるよう、一定の広さの廊下を確保するなどの条件があります。

しかし、脱法シェアハウスは普通ではあり得ないほど狭い部屋を密集させているので、消防法の求める避難スペースを確保できていないのです。

実際、これが理由である大手ネットカフェが経営するシェアハウスが摘発されたことがあります。

無名の会社によるものも加えればもっとあり、これらの事件によって脱法シェアハウスの問題は徐々に明るみに出てきました。


脱法シェアハウスが増えた理由と、その問題点は上の通りです。

今は普通の物件に住める方でも、日本人の年収がどんどん下がっているのは他人事ではないですから、注意する必要があります。

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