26Apr
東京都江東区の湾岸エリアは、オリンピックの招致決定によって、ますます不動産の査定が盛んになっている人気エリアです。
もちろん、オリンピックによる一時的な人気だけではなく、以前からこの地域は活発に開発が進んでおり、その人気はオリンピック後も一定期間続くことでしょう。
ここではそんな江東区・湾岸エリアでの不動産査定の参考となる情報をまとめます。
10年間で激変した、江東区・豊洲の不動産事情
江東区の湾岸エリアを代表する場所が豊洲です。豊洲の不動産事情はこの10年間の再開発によって激変しています。
以前の豊洲といえば、「港沿いの工場が集まっている地域」という印象でした。
しかし、今では再開発によって多くのタワーマンション、オフィスビル、ショッピングセンターなどが立ちならび、まるで上海などの大陸の湾岸都市のように変貌しています。
もともと有楽町から電車で8分という好立地のため、ビジネスの拠点としてのポテンシャルもありました。
今では日本ユニシスが本社ビルを構えるなど、ここを拠点として活躍する企業も多く、平日の昼間でも豊洲駅には多くのビジネスマンが行き来しています。
当然そのような開発が進むことで、不動産の査定に関しては追い風となっています。
ショッピングの街としても発達する豊洲
もちろんビジネスマンだけではありません。ショッピングの街としても発達した豊洲は、海沿いの開放的な空気の中で買い物を楽しみたいという買い物客で、日夜にぎわっています。
ショッピングが盛んな地域が不動産の査定において有利であることは言うまでもないことでしょう。
とくに大きなショッピングセンターは「アーバンドックららぽーと豊洲」。ファッション、雑貨、インテリア、グルメなどの店舗がそろい、ありとあらゆる買い物のニーズを満たせるようになっています。
子供が職業体験をするために作られた「キッザニア東京」も人気スポットの一つ。2006年にオープンした比較的新しい施設で、オープン以来毎年多くの人が訪れています。
このようにあらゆる施設が整って住みやすい街となっているため、今後も居住用のタワーマンションが複数建設される見込みです。ますます、不動産の査定に期待できそうです。
豊洲以外の湾岸エリアの不動産事情
江東区の湾岸エリアは、豊洲以外にもいくつかのブロックがあります。
まず1つ目は「辰巳」です。
全国的には知名度がほとんどない場所ですが、東京オリンピックでは水泳の競技会場となるなど、今後知名度が高まるだろうブロックです。
名前はあまり聞かれないものの、以前から住宅街として発達しており、新しくきれいなマンションが立ちならんでいます。不動産の査定に有利な条件が十分にそろっています。
湾岸の中でもとくに海に突き出た地域ということで見晴らしもよく、江東区の中でもとくに景観のいい住宅街と言えるでしょう。
2つ目のブロックは「東雲(しののめ)」です。
ここは以前は豊洲と同じように工場や倉庫が集まる工業地帯でした。しかし現在では、工場の跡地を再開発することによって、住宅地として進化しています。
とくに東雲キャナルコートと呼ばれる街区は、イオンなどのショッピング施設、大型アミューズメント施設などが立ち並び、新しくて美しい、開放的なエリアとなっています。
3つ目のブロックは「有明」です。
有明は江東区の中でもとくに「発展途上」の地域です。建設中のタワーマンションが多いことに加え、オリンピックの施設がもっとも多く作られる場所ということで、空き地が無数に見られます。
逆にいうとこれから不動産市場がもっとも成長するエリアということでもあります。途上国や高度成長期の日本を見てもわかりますが、不動産市場というのは発展途上の地域でこそ成長するものです。
そのため、この地域の不動産市場を語る上で、一番重要な場所は有明だと言ってもいいかも知れません。有明に不動産を持っている方は、それを最大限活用するためにも、査定を受けて自分の不動産の価値を事前に知っておくことが大切です。もちろん、不動産の査定にあたっては強気の交渉が出来ることでしょう。
このように、同じ江東区の湾岸地帯でもブロックによって不動産市場の特徴はまったく異なります。そして、これらの違いを押さることによって、実際に不動産の査定を受けるときにも、提示された査定額が適正かどうか判断するうえでとても役立ちます。
今すぐの売却を考えていない方は、そのブロックの不動産市場の流れを予測するためにも、これらの情報を知ったうえで、参考までに査定を受けて現在の価値を知っておきましょう。
そして、今すぐ売却したい方も、これらの情報を十分に活用して少しでも自分の不動産査定に有利は方向に持っていくべきです。
東京オリンピックの影響を最も強く受けるこの江東区の湾岸エリアは、今後も不動産関係者にとっては目が離せない地域となることでしょうし、物件を持っている人にとっては、査定額の推移がとっても楽しみな地域と言えるでしょう。
江東区湾岸エリアの津波リスクと不動産査定
江東区の湾岸エリアで一番心配なのは、やはり津波のリスクでしょう。もちろん、これらのリスクは不動産の査定にも影響してきます。
早大理工学術院の柴山教授のインタビュー(*)によれば、辰巳や豊洲のような湾岸エリアは、今回の震災の東北地方のような大津波が来ると、水没の危険もあるということです。 *2012年4月2日、夕刊フジでのインタビュー
東京湾の場合は羽田空港が防波堤代わりになるので、今回の東北地方のような「直撃」を受けることはありません。
それでも今回のレベルの大津波が来た場合、豊洲の津波の高さは2メートル。さらに外に出ている辰巳の場合は2.3メートルという高波が襲うと想定されていますし、不動産査定においても、これらのリスクがどの程度マイナス要因になるのか気になるところです。
・津波の直接被害だけでなく、川の水位が上がることによる被害も
江東区には隅田川や荒川などの川も流れています。
津波による直接の被害はなかったとしても、津波によって海全体の水位が上がり、それが川をさかのぼって川の水位が上がった場合、川沿いのエリアは浸水する危険性があります。
そのため、江東区で危険なのは湾岸エリアだけではないのです。湾岸から多少離れていたとしても、荒川や隅田川の下流で川沿いの地域に不動産を持つ方は、湾岸同様に浸水のリスクを意識した方がいいでしょう。
江東区で不動産の査定を受ける時、知っておくべきこと
江東区の湾岸エリアと一口にいっても、豊洲と辰巳では知名度が全然違います。
知名度によって不動産の売り方は多少変わってくるので、ここではその違いについて説明します。
・辰巳は有名になるまで待った方がいい?
辰巳は今でこそ全国的にはまったく知られていませんが、これから先は少しずつ有名になっていく地域と思われます。なぜなら東京オリンピックの施設が辰巳に多数作られるからです。
人間は自分が住む街にはステータスを求めるものです。すべての人がそうとは限りませんが、大半の方は「○○に住んでるなんていいね~」と言われたいものです。これが、けっこう査定に影響するのです。
そのため、その地域の知名度は不動産の査定額を決める上においてとても大切なのです。知名度がある地域の居住用物件は、当然査定価格も高くなります。逆に知名度が低い地域だと、たとえどんなにいい物件でも査定においては不利になってしまうでしょう。
そう考えたとき、今の辰巳の知名度が低い状態で物件を売却するというのは、賢いやり方ではありません。少し待って、辰巳の知名度が徐々に上がり始めた時期をみはからって不動産の査定を受けるべきです。たったそれだけのことで、査定価値が大きくあがることになる可能性が非常に高いです。
・豊洲の場合は早い方がいい?
逆に豊洲の場合は早めに査定を受け、納得できる価格が提示されたら売却した方がいいかも知れません。というのは、今現在、アベノミクスの影響によって東京都内の物件全体の価格が高騰することにより、豊洲のマンションの需要が高まっているからです。
居住用マンションだけではなく、オフィス用の物件も合わせてあらゆる物件が高値となっているため、仮にどのような不動産を売却するにしても、いまなら有利な査定をしてもらうことが出来るでしょう。
これから、アベノミクスの影響がどうなるか分かりませんが、不動産売却において、その最高額のピークを狙うというのは非常に難しいものです。
豊洲に不動産を持っている方は、あまりよくばらないで早めの売却に向けて査定だけでも受けておくことをおすすめします。