13Aug

リニア駅の建設決定で注目を浴びる相模原市ですが、その一方で郊外の高齢化など、不動産売却に負の影響を与える要因もいくつか見られます。
ここでは相模原市の公式資料などを参考として、リニアや人口移動、そして米軍基地の一部返還など、相模原の不動産売却に影響しそうなお役立ち情報を提供していきたいと思います。
リニア駅建設計画で脚光を浴びる相模原市
日本初のリニア新幹線は、2027年開業予定です。東京-名古屋を40分で結び、その中間に「神奈川県駅、山梨県駅、長野県駅、岐阜県駅」の4つの駅を持ちます。とうとう駅名が「県」になる時代が来るわけですね。
その神奈川県駅の建設地として、相模原市の橋本地区が選ばれたことが、2013年に発表されました。全国的にはまったく無名の橋本地区ですが、これによって一大交通拠点がこの地に築かれ「日本の橋本」となることが期待されています。
このことによって周辺の不動産市場にも大きな影響を与えており、その結果、相模原市の不動産売却の動向も非常に活発になっています。
相模原市の人口の動向
相模原市の人口は2014年現在約72万1105人で、2013年の72万328より若干増加しています。今後もしばらく微増する予定ですが、2020年頃の約73万人をピークとして、その先は減少すると見られています。(2013年の市による予測より)
2030年には約71万人、2040年には約67万人、2060年には約54万人と、向こう35年で約3分の2に減少する見込みです。リニア駅の誘致という明るい材料のある相模原市ですが、全国的な人口減少・少子高齢化の流れには逆らえないようです。
相模原市の不動産市場に影響を与える市町村&都道府県
相模原市との間で一番人口移動が多い市町村は、東京都の町田市です。2010年度の市のデータでは、移動量(転出・転入の合計)が4574人と、2位に2倍近い差をつけてトップとなっています。
このことが意味することは「町田市の不動産市場が、そのまま相模原市の不動産市場と連動する」ということです。町田市で賃料が上がって物件が借りにくくなれば、相模原市で不動産を借りる人が増え、賃料も上がるということです。(その逆も、もちろんあります)
このため、相模原市で不動産の売却のタイミングを図るなら、町田市の市場の様子を見ながら考える必要があります。
町田市以外で影響の大きい市町村
町田市以外では、「2位…八王子市」「3位…座間市」までが2000人以上と、特に人口移動が多くなっています。これらの市も町田市ほどではないにしても、相模原での不動産の売却にある程度の影響を及ぼすでしょう。
町田市と座間市は相模原市の南部ということでそれぞれ似た動きをしますが、八王子市は北部ということで、反対側にあります。そのため、町田市、座間市とは違う市場の動きを見せる可能性があります。
こう考えると、周辺市町村では特に「町田・座間」と「八王子」に分けてチェックすべきと言えるでしょう。
相模原市に転入する人の大半は県内あるいは東京から
相模原市に転入してくる人々の大半は、神奈川県内か東京からになります。神奈川県内が31.8%、東京都が28.3%と、両者の合計で約60%に達しています。
同じ関東の埼玉県や千葉県もそれぞれ3~4%と、ほとんど影響がないくらいの数値です。この数値を見る限り、相模原市で不動産の売却のタイミングを計るには、東京の動向はしっかりチェックしておく必要があるといえます。
逆に埼玉・千葉など他の首都圏については、さほどチェックをする必要ないと言えるでしょう。
もちろん、東京に影響を与えているのは埼玉と千葉なので、そういう意味では、間接的に関わっているといえなくもありませんが。
相模原市の不動産市場が抱える問題点
相模原市の不動産市場が抱える大きな問題点は「市の郊外地域の高齢化と空き家の増加」です。2010年の公式資料で「大きな社会問題」と明記されており、深刻さが伺えます。
郊外地域の高齢化
統計を見ると、相模原市の郊外地域では人口は減っていますが世帯数は減っていません。これは典型的な「実家から若者が独立していった」パターンです。高齢者の親だけが残っているため、世帯数は変わらず、人口は減っているわけですね。
パラサイトシングルやニートの増加が問題とされている現代において、これはいい傾向のようにも見えます。しかし、不動産市場の動きを考えると、少なくとも郊外地域に物件を持つ方にとってはマイナスの要因となります。
老夫婦しか住まない住宅は、近い将来空き家になります。空き家が増加した地域は言うまでもなく商業が衰えますし、治安も悪化するなど、住宅地としての条件がどんどん悪くなっていきます。
相模原市の郊外でのこうした流れは、現時点では阻止するための有効な手立てがありません。そのため、郊外地域の物件は今後かなりの確率で、不動産売却の価格が下がるといえます。
そういうことであれば、価格が下がる前に早めに手持ちの不動産を売却した方がいいかも知れません。
実際に不動産を売却するかどうかはもう少し先の話しだとしても、今後の検討の材料として不動産査定だけでもひとまず受けてみるといいでしょう。
相模原市の不動産売却におけるプラス材料
相模原市の不動産売却を考える時に、プラス材料もあります。その代表的なものが「近隣ニュータウンからの人口流入」です。
横浜市のニュータウンからの流入
横浜市は青葉区や緑区にニュータウンが形成されています。これらのニュータウンに家を構えたのは主に団塊世代の方々ですが、その子供世代が家を買う時期になり、実家(ニュータウン)から独立して、周辺に家を構える、という傾向が見られます。
その一番の矛先となっているのが相模原市です。豊かな自然環境と都市機能のバランスの良さで、横浜市以外では、一番住みやすいエリアと認識されているからでしょう。また、それには、これからリニアが開通するということも影響しているはずです。
こうした流れから相模原市の資料では「家族向けの住宅が多く提供されれば、市の人口はさらに増加する」と予測しています。これは言い換えれば「家族向けの不動産は、より高く売却できる」ということです。
もちろん、ただ家族向けというだけではなく、子育て世帯が住みたくなるような不動産である必要があります。
広々とした間取り、豊かな自然環境など条件はさまざまですが、「家族向けを意識する」ということは、相模原市で不動産を売却するための一つのキーワードと言えるでしょう。
相模原総合補給廠の一部返還
リニアや人口の移動以外で相模原市の不動産に影響を与えるニュースとしては、「相模原総合補給廠(ほきゅうしょう)の返還」があります。これは米軍の施設ですが、この一部である17haの土地が、2014年中に返還される可能性もあります。
対象地域はすでに決まっており、返還の時期がまだ未定の状態ですが、2014年3月に市長が国に対して「14年度中の返還を求める」と発言しました。
防衛も絡むことなのでどうなるかはわかりませんが、もし返還時期が決まったら、これも相模原市の不動産事情を大きく左右します。というのは、この補給廠は市を横切るように位置しており、このために市内の交通が遮断されて、しばしば渋滞の原因となっているからです。
この一部返還が決まり、補給廠を南北に縦断する道路ができたら、市内の人の流れは以前よりさらに活発になります。
特に縦断道路の周辺地域は、これまでの交通の悪さが解消され、一転して「交通の便がいい地域」に格上げされるわけなので、特に不動産の売却価格も上がりやすくなると言えるでしょう。
ここまで述べたように、リニア、人口移動、補給廠の返還と、相模原市には不動産の売却価格を左右する要因が多々あります。
特に補給廠返還のように先を予測しにくいものについては、投資家など不動産のプロでも動き読めずに、売却価格を大きく揺り動かすポイントとなるかも知れません。
高齢化する郊外以外は、今後物件の価値が上がる可能性もある地域であり、上がる可能性があるエリアでは、不動産売却のタイミングをしっかりと見極めることも大切でしょう。
こうした地域ではすぐに不動産を売却する必要はありませんが、高齢化がほぼ確実な郊外の物件は、早めの売却を視野に入れた方がいいかと思われます。