26Jul

駅前の高層ビル建設ラッシュで激変する名古屋市は、不動産の売却においても大きな変化がおきています。
名古屋は短期的な変化だけではなく、リニア開通に向けての長期的な変化の途上にもあり、この地域に不動産を持っている方は、特に注意深く市場を観察して売却のタイミングを考える必要があります。
ここではそんな変化が著しい名古屋市で、不動産の売却に深く関わる情報を提供していきます。
高層ビルの建設ラッシュで、激変する名古屋駅前
名古屋駅前では2000年代に入ってから、セントラルタワーズ、ミッドランドスクエア、ルーセントタワー、プライムセントラルタワーズと、4つの高層ビルが建設されました。
この建設ラッシュはまだ止まっておらず、2014年現在も「大名古屋ビルヂング、JRゲートタワー、JPタワー」の3つの高層ビルの建設が進んでいます。
いずれも地上34階~46階という高層ビルで、完成も2015年~17年となっています。
特に大名古屋ビルヂングとJPタワーは15年秋にほぼ同時に完成する予定なので、2015年の秋は、名古屋駅前がさらなる大きな都市として生まれ変わる瞬間とも言えます。
このように大きな変貌をとげる名古屋市ですが、不動産の売却を考える方にとっては、喜んでばかりもいられません。これによって競争力をなくす古いオフィス物件などは、早めの売却を余儀なくされるでしょう。
場合によっては自分の不動産を売却しようにも買い手が見つからない、ということもあり得ます。これらの高層ビルは、一部分譲マンションとなっているものもあるため、居住用マンションなどの不動産を売却する方にとっても他人事ではありません。
完成間近ということで、影響はもうすでに出ているとは思いますが、今後の不動産売却がさらに不利になると予測されたら、早めに物件の査定だけでも受けておくべきでしょう。
名駅地区、栄地区のオフィス物件競争の激化
この名駅前の建設ラッシュは、栄地区も巻き込んだオフィス物件の激戦を招いています。
名古屋市の商業を支えているのは、主に「名駅地区」「栄地区」の2ヶ所ですが、名駅地区で上のように大量のオフィス物件が供給されることで、両者の競争が激化しているのです。
2010年の時点で、名駅地区では「7年以内に60万㎡超」のオフィス床が供給される計画となっており、今建設中のビルによって、今後も大幅に増加する見込みです。
これ以前から名駅地区、栄地区ともにオフィス物件は供給過剰感がありましたが、そこにさらに物件が増えるということで、賃料の低下も余儀なくされるでしょう。
立地の悪い物件、築年が古く魅力に欠ける物件などは、今後は売却価格も下がっていくと見られます。こうした条件に当てはまる物件を持っている方は、不動産の売却価格が大きく下がる前に、早めに売りに出した方がいいかも知れません。
このまま賃料相場が下がり続ける名古屋市で、競争力のないオフィス物件が勝負していくことは難しいと言えるでしょう。
リニア開通で変わる、名古屋の不動産売却
リニア新幹線は、2027年に東京と名古屋を結んで開通する予定です。これにより、東京ー名駅間は40分でアクセスできるようになります。
これは一見、この地域の不動産市場にとって有利なように見えます。「東京が近くて便利だから、名古屋に住もう」という理由で、岐阜や三重などから移住希望者が増える、ということも予測されるからです。
しかし、これを上回るデメリットが起きる可能性もあります。それは「買い物客やビジネスの拠点を東京にうばわれる」ということです。これは「ストロー現象」と呼ばれるものです。
実際、東京まで40分でアクセスできるなら、ショッピングをを名古屋でする必要性を感じにくくなるかも知れません。たとえばアニメグッズだったら、名古屋の専門店などに行くよりも、秋葉原に出かけた方がいいわけです。
こうして「人の流れをストローで吸うように大都市に吸い取られる」という意味で、ストロー現象と呼ばれています。
もちろん交通費がかかるのですべての人が東京にショッピングに行くわけではありませんが、地域の顧客の一定数を東京にうばわれる、という流れは間違いなく起こるでしょう。
実際、このストロー現象は、これまでに高速交通機関が開通した地域でほぼ例外なく見られたものです。
こう考えると、名古屋市の不動産市場を長期的な視点で見た時「ストロー現象への対策が打たれているかどうか」を見ることは、重要なポイントだといえます。
各大学で見られる都心回帰の現象
今、全国的に大学のキャンパスは都心回帰の現象が見られます。名古屋の大学でもその傾向が見られ、愛知大学、愛知学院大学などが近年大規模な移転を行っています。
愛知大学は名駅地区の「ささしまライブ」の再開発計画と合わせてこの地区に大規模な新キャンパスをオープンしました。
愛知学院大学も、名古屋城公園の向かいの広大な公務員住宅跡地を買収し、新キャンパスを建設しています。
このように市外にあった大学が市の中心部に移転してくると、当然学生向けのマンションを中心として、居住用不動産でも変化が起きます。
特にささしまライブの再開発と一体化している愛知大学のように、「地域の再開発とセットになっている」場合は、特に影響が大きいでしょう。
実際、学生の増加によって消費が活発になることを見込んで、この地域には追加の商業施設やテレビ局の新社屋なども建設が進んでいます。
今後も愛知県内の大学が市内に移転してくる可能性は高く、名古屋で不動産の売却を考えている方はこの方面にも注意を払いたいものです。
今後名古屋市で不動産の売却が有利になる条件
名駅がこれだけ発展していると、ショッピングでも仕事でも名駅へのアクセスが重要となります。そのため、今後名古屋のの不動産売却を考えるうえでは「名駅へのアクセスがいかに便利か」が重要になるでしょう。
特に乗り換えなしで名駅にアクセスできる駅があれば「名駅直結」を謳うことができ、大きなエリアバリューになります。これから先、名駅へのアクセスがいい居住用マンションなどは、売却価格の面でも有利になると見られます。
人気の住宅地が東部から中心部に
これまで名古屋で住宅地として人気だったのは、市の東部の丘陵地帯でした。名東区や緑区といった地域ですが、「愛知万博の会場に近い場所」といった方が、県外の方にはわかりやすいかも知れません。
市内でありながら、自然の豊かなこの地域は、街並みも新しくきれいで、場所によっては外国の街並みを感じさせるエリアもあります。
そのような環境の良さで人気だった東部ですが、今後は名駅の急速な発展によって、中心部が人気の住宅地になると見られています。
このような人気の変遷を見ると、名東区などの東部に不動産を持っている方も、市場の動向を注意深くチェックするべきでしょう。今はまだ高い価値を持っている不動産でも、今後はどうなるかわかりません。
リニアが開通すると、東部は魅力を失う
名古屋市の東部が人気な理由は「都市にも自然にもアクセスしやすい」ということです。しかし、リニアが開通するとむしろ名駅前の方に人気を奪われる可能性が高くなります。「都市=東京」「自然=岐阜、山梨」というわけです。
愛知県内で「中途半端な自然、都市」を味わうよりも、リニアで他県にアクセスして、いままでと違った価値観を味わいたいというニーズも当然生まれるでしょう。
リニアの開通はまだ10年以上先ですが、不動産市場はそれに向けて徐々に動いていくので、その動向を見ながら自分の不動産を売却するタイミングを計るべきです。
以上、名古屋市の不動産売却のヒントとなる情報を紹介してみました。
いずれもこの地位が全国でもまれに見る大きな変化の中にあることは間違いのないところであり、不動産の売却にあたっては特に注意深い観察が必要な地域だと言えるでしょう。