Mintdesignsの服に込められた物作りへの情熱
派手な装飾は決してせず、シンプルでありつつも強く印象に残るようなプリントをほどこした洋服は、可愛らしくも大人の雰囲気をかもしだします。
唯一無二の落ち着いたデザイン性を持つMintdesignsは「静けさの美」を持ちます。
洋服だけでなく、家具をはじめあらゆるデザインも行っているそうです。職人技をもつクリエイターたちによるファッションブランドは、服を通じてどのようなことを考え、何をしようと思っているのでしょうか。
服はデザインの一環?たしかな技術力に裏打ちされた服
Mintdesignsは服をファッションではなくプロダクトデザインの一つとして捉えています。洋服というくくりにこだわらず、日常生活を豊かにするための制作活動の一環として考え、服作りを行っているそうです。
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画像にあるように、同ブランドの服は個性的でありつつも落ち着いた印象を与えます。くわえて生地をよく見ると、その精巧さや柄、色合いの美しさがわかり、高いデザイン力をもっていることがうかがえます。
普通に服を作っているだけでは、これほど繊細で優美な作りにしようという考えにはいたらないでしょう。ていねいかつ素晴らしい作りは、彼らがファッションにおいて、どれほど技術力を重視しているかということの表れかもしれません。
服以外への興味が、服のレベルを高くした
Mintdesignsというブランドは、二人のデザイナーによって立ち上げられたのですが、彼らはもともとロンドンの芸術大学で知り合いました。理由はとても簡単で、ファッション以外の好きな物に共通点が多かったからだそうです。
大学の課題でもよくコラボレーションしていたらしく、ブランドを立ち上げようというのも、意図的なものでなく自然な流れからでした。二人はブランドをはじめた時は、自分たちのアイデアを発表することに熱中していたそうです。
そして彼らの興味は「発想」から「技術」へと移っていきます。なかでも特に、生産に関わる方々の職人技に魅了されたそうです。そして新たな知識や技術をどんどん取り込んだおかげか、服にも技術の高さが見られるようになりました。
服ではなく物として見せる工夫がされたコレクション
職人から学ぶことで得たのは技術力だけではありません。生産側の人間と話し合い、テクニックを競うように努力を重ねることで新たなアイデアが生まれ、よりよいデザインが生まれるようになり、さらに美しい服となります。
そしてMintdesignsの洗練されたデザインは、人の注意を引くような個性的なものにしなくとも、強い存在感を放つ服ができることを証明しました。また、コレクションでパフォーマンスをするなど、実験的なことも絶えず行っています。
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デザイナーはステージを歩く「ランウェイ」が一番服を美しくみせる方法だとわかっているそうですが、同時に面白くないとも考えているようです。見せ方を工夫するのは、ファッションも物作りと考えているからこその発想でしょう。
日常的なものになることを目指して作られる服
上記のデザインに対する姿勢からもわかる通り、Mintdesignsはファッションを重要視してはいません。あくまで制作活動の一つとして捉えており、ファッション業界もふくめ服を常に客観的な視点から見ています。
また、ブランド自体も自分たちの代で終わらす気はないそうです。後々まで残るような会社にし、人々の生活に寄りそうものになることを望んでいます。業界で脚光を浴びるよりも、日常に溶け込むものであることが重要だそうです。
つまり彼らはいますぐ成功するようなブランドではなく、時代が変わっても残り続ける伝統工芸のようなデザインになることを求めていると言えるでしょう。以上のような考えだからこそ、物作りの技術も重視するのだと考えられます。
伝統工芸にも負けないブランドを!こだわりの創作姿勢
以上のことから推測するには、Mintdesignsはファッションという文化にも、伝統工芸にみられるような高い技術力を浸透させようとしているのでしょう。もしかすると国内ブランドのレベルを引き上げる意図もあるのかもしれません。
そして精巧な作りの服を普及させることは、人々に服の素材や作りのよしあしに興味を持たせるという効果もあります。現代人の服に対する考えを改めさせることで、日本の物作り精神を復活させようとしているのかもしれません。
何にしろ、彼らのような創作姿勢を持つブランドが活躍すれば、海外でも、日本の服のブランドに対する評価が変わるでしょう。電化製品だけでなく服の技術力に関しても日本は優秀、と言われる日もそう遠くないかもしれません。
Mintdesignsは決して派手なデザインではありませんが、確かな技術力に裏付けされた服を作るブランドです。彼らにとってファッションはプロダクトデザインの一つであり、他の物作りと同じく職人的な技術を必要とします。
また、家具などと同じく生活に寄りそうものであるとも考えているようです。そしてファッションブランドとしての成功よりも、日常に溶け込むようなものへとアイテムが昇華されることを重要なことだと考えています。
同ブランドはおそらく、ファッションがコストパフォーマンスのよさや奇抜なデザインではなく、積み上げられた歴史に裏づけされた職人技によって作られ、人々に愛されるものになることを目指しているのでしょう。
By筒井
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