100円で引越!29歳の社長が業界にもたらした、激安サービスとは?
あらゆる業界で続いている価格競争ですが、引っ越しの世界も例外ではありません。
とうとう「100円で引っ越し」という「ワンコインサービス」まで登場しています。
原理は「100円パソコン」と同じ
「100円で引っ越し」と聞くと、ほとんどの人は「詐欺だ」と思うでしょう。しかし「100円パソコンと同じ原理」と言えば、すぐに納得してもらえるのではないでしょうか。
つまり、「代わりにネットを契約してください」ということです。100円パソコン(最近は0円も普通)も、登場してすぐの頃は「なにそれ」と驚かれたものです。
しかし、今ではもうすっかり当たり前のものとなっており、高齢者の方でも知っているくらいになっています。
そう考えると、あと10年も経てば「100円引っ越し」はさすがに無理でも「500円」「1000円」などの似たようなバージョンが定着しているということは十分考えられます。
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なぜネットを契約すると安くなるのか
知っている人も多いかと思いますが、これは「毎月の固定収入(業者にとって)」になるからです。
確かに最初こそ、引っ越しの代金にしてもパソコンの代金にしても業者の側が損するわけですが、その後毎月一定の固定収入が入るというのは、最初の損を上回るメリットなのです。
これは自分が経営者の側になるとわかります。「不労所得」が入るというのもありがたいですが、それ以上に「毎月の売上が計算できる」というのは、ものすごく大きなことなのです。
たとえば引っ越しの場合、「東日本大震災」のような災害によって強烈なダメージを受ける可能性もあります。
稼ぎ時は3月で、大手の引越社などは一年中多額のお金を使って広告をかけ、この3月で一気に取り戻すというやり方をしているくらいです。
その3月にああした大災害が起きて「家ごと家具がなくなってしまった」「引っ越しどころでなくなってしまった」「出張を命じた会社自体が崩壊状態になった」…というようなことがあると、引越社にとっては致命的なのです。
(もちろん、東日本大震災の時にそのような「自社の損失」ばかりを考えた引越社などほとんどないでしょう。これはあくまで一例であり、このように「稼ぎ時に不測の事態が起きうる」という、一番わかりやすい例をご紹介したものです)
こういう危険性を考えると、そのリスクヘッジ(危機対策)として、100円パソコンと同じ原理を引越社が持ち込むようになったのも、「むしろ何で今までなかったの?」と考えてもいいくらいでしょう。
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100円でできる条件は?
ただ、この激安引っ越しにも条件があります。これを実施している「アップル引越センター」(横浜市)の場合ですが、
・距離は20kmまで
・トラックは2tまで
・作業員は1名か2名
というものです。20kmというのはかなり近いです。たとえば「今の家=東京駅」だったとしたら、「23区の境界線」まで行ける程度です。
(東京駅は23区のほぼ中心にあります)
そして「2tトラック」ですが、これはサイズによっては普通免許でも運転できるレベルです。
つまり、引っ越し用のトラックとしてはかなり小型な部類に入ります。
(単身者や夫婦用なら十分な大きさですが。単身者なら余るくらいです)
このサービスはスタート開始以来、多くの人々から評判になっているそうで、初期と今では、かなり条件が異なっています。
初期は「東京、神奈川、埼玉エリア限定」だったのが、公式サイトを見る限り、今はエリア指定もないようです。
また、引っ越しの日時も「平日の午後限定」だったのが、今は「土曜日午前」以外すべての時間帯でできるようになっています。
(ただし、1日15便限定ですが)
このように条件がよくなっている所を見ると、サービスの評判は上々のようです。
「固定契約」という特徴を考えても「後になればなるほど有利」なビジネスのはずなので、今後さらに条件がよくなることが期待されます。
なぜ、激安サービスを思いついたのか?
このアップ引越しセンターというのは、かなり若い会社です。13年現在、創設7年目の会社であり、創業社長はまだ29歳です。
社長の文字(もんじ)氏は14歳で引っ越しのアルバイトを始められ、以来15年間、ずっと引っ越しのお仕事をされているということです。
(株式会社を設立したのは、21歳の時だったそうです)
このように若い社長なので、「100円引っ越し」という柔軟なアイディアも生まれたのだと言えます。
私事で恐縮ですが、筆者もこの社長と同い年であり、同い年の方が14歳の頃から働かれていて、こういうサービスを生み出しているということに、大きな刺激を受けました。
人間、生きていると引っ越しに限らずあらゆるサービスを利用します。
それを「消費者目線」のみで見ていると、いかに自分が得するか、損しないか、というだけの考え方になってしまいますが、少し「経営者目線」を取り入れてみることで、消費活動もより楽しくなるのではないでしょうか。
そんなことを、この「100円引っ越し」を見ていて思いました。
アップル引越センターには100円で引っ越しが出来るプランがあります
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