アリさんマークの引越社の歴史 -AKB48のCM、非上場の理由など
アリさんマークの引越社は、日本の引越業界を代表する会社です。
ここではその歴史のポイントを一部紹介します。
設立が最も古く、正式名称も「引越社」
アリさんマークの引越社の正式名称は「引越社」です。これはたとえば吉野家が「牛丼屋」だったり、CoCo壱番屋が「カレー屋」だったりするようなものです。
(銀行でいうなら「日本銀行」のようなものでしょう)
このような「最も王道な名前」をつけることができたのは、創業が一番古いからです。
アリさん(引越社)の創業は1971年で、業界最古となっています。
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■引越会社の設立年
主要な引越会社の設立年の一覧は下の通りです。
・アリさんマークの引越社…71年
・サカイ引越センター…71年
・アート引越センター…77年
・佐川引越センター…86年
佐川引越センターが遅いのはもちろん、本業が引越社ではなかったからです。
宅配便から参入したため、このような遅れた時期になっています。
アリさんについで早く参入したのはサカイ引越センターで、この二社が業界のパイオニアと言っていいでしょう。
3大都市で1位のシェア?
アリさんが発表しているデータでは、アリさんは3大都市で1位のシェアを持っている、ということになっています。
ただ、これは事実かどうかはわかりません。
というのは、アリさんは株式を上場させておらず、正しい決算のデータがないからです。
■なぜアリさんは株式を上場させないのか?
大企業はみんな株式を上場させたがる、と思っている人は多いと思いますが、必ずしもそうとは限りません。
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上場にはデメリットもあるからです。上場のデメリットは下のようなものです。
・敵対的な買収に遭うリスクがある
・投機の対象になり、株価が乱高下するリスクがある
・会計が煩雑になり、監査役を雇うなどのコストが増加する
などです。このようなデメリットがあるため、アリさんに限らず、大企業でも上場をしていないというケースはたまにあります。
■ミツカンも非上場企業
たとえば調味料で日本を代表するメーカーであるミツカンは、グループ全体で非上場です。
非上場なだけでなく同族企業(同じ一族が代々経営する企業)としても知られています。
MBAなどの経営理論がさかんに取り入れられている現代では、このようなスタイルは古風に感じられますが、ミツカンやアリさんはこれで成功しているわけです。
必ずしも企業は上場すればいいわけではない、ということがこれらの例を見てもわかるでしょう。
アリさんのテレビCM
アリさんのCMは、長年赤井英和が担当していました。
そのため「アリさん=赤井英和」というイメージが定着していましたが、2012年にAKB48が起用され、そのイメージも強くなりました。
AKB48のCMに出演したのは、板野友美、大島優子、柏木由紀、指原莉乃などの計10人で「それぞれのキャラに合ったシナリオ」として、ファンの評価も高かったようです。
■メンバーの個性を活かしたCM
AKB48のアリさんCMは3種類制作されました。それぞれ主演のアイドルの個性を活かして、下のような内容となっています。
・大島優子
→アリさん衣装を着るのを渋っていたが、カメラが回ったら笑顔全開。プロ意識・サービス精神が豊富なキャラ。
・板野友美
→アリさんの衣装を「ダサい」とはっきり拒否。結局着るが、彼女の衣装だけキラキラ装飾されている。女王様キャラ。
・柏木由紀
→素でアリさん衣装を気に入り、自宅を出る時から着て電車に乗っている。やや天然なキャラ。
・指原莉乃
→これらのすべてにツッコミのコメントをする脇役。
というものです。AKBのCMが好評だったのは、AKBの人気がすごかったからだけではなく、各アイドルのキャラをよくつかんでいたからです。
「そんなのは当たり前」と思われるかも知れませんが、実際にその当たり前を実行するには、今までどの会社で、どんな風に芸能人の個性を活かしたか、を研究する必要があります。
そのため、こうしたCMの特徴を抑えておくことは有益です。
■13年からは赤井英和CMが復活
AKBのCMは1年だけで、翌年からは赤井英和版が復活しました。
AKBの時は地上デジタル放送に対応して、「16:9」という縦横比で制作されていましたが、赤井版は今でもアナログ放送時代の比率の「4:3」のままです。
これは制作予算を節約したのか、過去のCMのできがいいのでそのまま使っているのかはわかりません。
アリさんマークの引越社の歴史(のポイントの解説)は上のようなものです。
歴史の全体像、辞書的な解説はWikipediaのページを読んでいただけたらと思います。↓
また、過去にこのサイトで紹介したサカイ引越センターの歴史の記事はこちらです。↓
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