引っ越しにはトラブルがつきものとはいえ、依頼した業者自体がトラブルメーカーの悪質な業者では困りものです。ほ
とんどの引越し業者は良心的でよい仕事を行ってくれます。
しかし中には、最初から依頼人を騙す目的で、さまざまな手口で高額な請求をしてくる悪質な業者もいるので気をつけなくてはいけません。
ここでは具体的に、悪質は引越し業者を見分ける方法について考えてみましょう。
料金が安すぎる引越し業者にはなんらかの理由がある?
どの業界でもそうですが、現代では価格競争が激化しており、あの手この手で他社よりも安い料金で商品やサービスを提供しようとしのぎを削っています。
しかし、料金を下げるといっても限界があります。
引越し業者もあくまで商売で仕事をしているはずなので、どう考えても赤字になるような料金を提示してくるのは、普通に考えるとおかしいということになります。
引越し業者から複数の見積もりをとってもると、引越しの時期やタイミングによっては、たまたまスケジュール的にトラックや作業員が空いているので、安くやってくれる業者が見つかるかもしれません。
しかし、そういった事情がないにもかかわらず相場の半額以下の金額を提示してきた業者いたら、気をつける必要があります。
もちろん、それだけで悪質な業者と決めつけるわけにはいきませんが、なぜそこまで安い金額を提示することができたのかという点を考えてみなくてはなりません。
実際に「なぜこんなに安いんですか?」などと聞いてみるといいでしょう。
「この金額は光ケーブルに同時加入して頂けた場合の値段です」などといった理由であれば、特に問題はないでしょう。
もし明確な答えが返ってこなくて「この値段でやりますから大丈夫です」との一点張りのところは、悪質な引っ越し業者の可能性があるので、契約には慎重になった方がいいでしょう。
当日になって、追加料金を請求されたり、約束していた人数が揃っていなかったり、貨物保険に加入していなくて破損・紛失といったトラブルに対応できないなど、料金が安い理由がわかったときには手遅れだったということになりかねません。
トラックのナンバープレートの色にご注意
運送業者は国土交通省の認可を受けていなければ営業できません。
正規の許可を受けていない悪質な引越し業者は車両のナンバープレートの色で見分けることができます。
運送事業者の貨物車両は緑色です。軽トラックは黒いナンバープレートをつけています。
もし、引越し業者が一般の車両と同様な白いナンバープレートのトラックで荷物を運搬していたら、それはモグリの業者ということになります。
ナンバーの色は、当日にトラックがやって来るまでわからないかも知れませんが、サイトやチラシなどの車両が写った写真が掲載されてこともあるのでチェックしてみるといいでしょう。
また、見積書に国土交通省の発行した認可番号が書いていない場合にも、非正規の違法な悪質業者の可能性があるので注意が必要です。
見積もりの進め方からわかる悪質な引越し業者
見積もり書類には引っ越しに関わる費用の全てが記載されていなくてはいけません。
また国土交通省の認可を受けている業者であれば、見積書と一緒に「標準引越運送約款」を見せて、その内容をきちんと顧客に説明することが義務づけられています。
そこには業者が守るべきことがしっかりと書かれているため、なかには業者にとって都合の悪いことも含まれています。
たとえばキャンセル料金を支払うのは引っ越しの前日からでいいことや、当日の2日前までに業者から見積もり内容の確認連絡がなかった場合は支払う必要がないことなどが書かれています。
キャンセル料の相場についての情報はこちら
さらに見積書に記載されていない追加料金は基本的に発生しないこと、見積もりは無料、内金や手付金を請求してはいけないことなどが明記されています。
そいういった内容をきちんと説明しようとしない業者は、自分に都合の悪いことはお客に知られたくないと考えている業者かも知れません。
あとになって、追加料金を請求しにくくなったり、高額なキャンセル料を請求しようと考えている悪質な業者の可能性があります。
このように、なにをもって悪質業者であると判断すればいいのかという点に関しては、ハッキリした基準があるわけです。
引っ越し業者が守らなくてはいけないことは「標準引越運送約款」ですべて決められているということを覚えておきましょう。
この中に何が書かれているのを知りたいのであれば、公益社団法人全日本トラック協会のサイトにQ&A形式でわかりやすく解説してありますので、引っ越しを考えている人は悪質業者から身を守るためにも一度チェックしておくといいと思います。
公益社団法人全日本トラック協会公式サイト 標準引越運送約款Q&A〜引っ越しをご予定のお客様へ〜 http://www.jta.or.jp/shohisha/yakkan/qa.html